宗教と非宗教の間 の商品レビュー
なぜ、という問いに対する答えを失った現代の虚無主義を、なぜなしに生きることによって克服することを目指した西谷啓治の代表的な講演とエッセイを収めた好編。所与の何かがあるというのではなく、その何かを、例えば芸術をなすと同時に、その何かを在らしめ、そのようにして生きる自己への洞察を深め...
なぜ、という問いに対する答えを失った現代の虚無主義を、なぜなしに生きることによって克服することを目指した西谷啓治の代表的な講演とエッセイを収めた好編。所与の何かがあるというのではなく、その何かを、例えば芸術をなすと同時に、その何かを在らしめ、そのようにして生きる自己への洞察を深める、自覚的な行為の立場を説いた「行について」のような哲学的内容のものもさることながら、花を時間的な生命の過程から断ち切ることで、花そのものの永遠の美を輝かせる生花を論じたエッセイや、無常を深く身に刻みながら、小さななずなの花に生命そのものの胎動を見る芭蕉の命がけの俳句を論じた講演は、さらに読みごたえがある。ただ、人間の存在を、無そのものとしての高次の法によって包まれているとする西谷の立場には、戦死のような歴史的かつ政治的な暴力によって強いられた死をも、過度に倫理化して美化してしまう傾向があり、そこが帝国の神話とも親和的だったにちがいない。
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完全版が出ても絶対に手放せないコミック版。 ビフォーアフターを見比べてみるのもまたいいものです。 キャラの誕生日設定が載っているのはこっちだけなのでその意味でも。あとカバーの作者コメントは割と深い。
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他人は他人として、優劣を付けるわけでもなく認める姿勢、ゆるく幸せに生きることの肯定、でも一本の信念を持つことの大切さ。 武井さんの考え方は、すごく好きかもしれない。 今の時代に、しかも少年マンガで、これを堂々と言える人はなかなかいないのではないかな。
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