10-ten- 俺たちのキックオフ の商品レビュー
帯にある「スポーツ小説の名手」という文句は間違いないだろう。ある競技にかける選手達の熱い想い、どろくささ、妬み、葛藤…そんな感情を描くのがうまい印象がある。 でもこの小説はラグビーの話でルールがチンプンカンプンの私には入り込みにくく、それで評価が低くなった。 絶対的な指示力があ...
帯にある「スポーツ小説の名手」という文句は間違いないだろう。ある競技にかける選手達の熱い想い、どろくささ、妬み、葛藤…そんな感情を描くのがうまい印象がある。 でもこの小説はラグビーの話でルールがチンプンカンプンの私には入り込みにくく、それで評価が低くなった。 絶対的な指示力があるカリスマ監督を父にもつ進藤。 その父が急死した事により、進藤の周囲も急変する。 今まで父の教えこそが正しくその通りのラグビーをする事が伝統を守る事だと信じてきた進藤と、監督が本当にしたかったのはもっと自由なのびのびしたラグビーだとそれを選手たちに気付かせたい後任監督の七瀬。 最初は七瀬の真意にいぶかる選手達もだんだんラガーマンの本性を見せ始め…すると今まで強固な結束のチームは崩壊し始める。 あまりにも心の中を見せたがらない七瀬と進藤の暗黙のバトルが長引き、盛り上がりにかけていたように思う。 どちらかといえば、ようやくまとまったチームの今後の快進撃を読みたかったな。
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