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完本 乙女の港 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2020/08/01

この作品の初読は、まだ小学校…うーん。4年から6年の間くらいだったか。赤いカバーのジュニア向け日本文学の全集で、タイトルは『伊豆の踊り子』だった本に併録されていた。有名だった表題作目当てで、従姉妹のお下がりのその本を、応接間と呼ばれていた従姉妹の勉強部屋で夢中になって読みふけった...

この作品の初読は、まだ小学校…うーん。4年から6年の間くらいだったか。赤いカバーのジュニア向け日本文学の全集で、タイトルは『伊豆の踊り子』だった本に併録されていた。有名だった表題作目当てで、従姉妹のお下がりのその本を、応接間と呼ばれていた従姉妹の勉強部屋で夢中になって読みふけった。なんて面白いお話か…と、この『乙女の港』を、本を献本に出し、手放してからも、ずっと忘れられずにいた。長じてこれが、叙情画家の中原淳一の挿画に飾られた、少女小説の傑作であったことを知って、淳一文庫版の同作(国書刊行会からの復刻版)を手に入れた。 今回こちらを手にしたのは、それと初版の挿画の差を比べて見たかったことによるのだが…。復刻版の方は、国書刊行会版と同じ挿画を用いているようだ。また『薔薇の家』という短編と巻末に鹿島茂氏ほかの、興味深い作品解説が寄せられている。鹿島氏の解説を読んでいると、現在のBL小説に対しても当てはまる読解の姿勢が垣間見えて、少々興味深かった。私はむしろ、エスとはメンタリティをメインにした心模様だと思うので、後世、『マリア様がみてる』などにつながる、肉体的な関係に至る恋の、前段階の恋愛体験ではないかな、なんて思ってしまうのだけれど。 この完本が刊行されたあと、好評を受けて文庫本も出ているようである。長らく入手が難しく、幻の名作のような感じになっていた本書。入手しやすいうちにお手にされるのも良いのではないだろうか。

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2012/07/21

清い、かわいい、麗しい、はかない、という言葉が思い浮かぶ。とても近くて、遠い昔のミッションスクールでの出来事。私の子供のころには似た雰囲気が残っていた気がする。 中原淳一の押絵が挟まれ、とても良い雰囲気だ。その時々の場面を盛り上げている。この小説(書籍用に)かかれたもののようだが...

清い、かわいい、麗しい、はかない、という言葉が思い浮かぶ。とても近くて、遠い昔のミッションスクールでの出来事。私の子供のころには似た雰囲気が残っていた気がする。 中原淳一の押絵が挟まれ、とても良い雰囲気だ。その時々の場面を盛り上げている。この小説(書籍用に)かかれたもののようだが、旧版に押絵はなかったようだ。雑誌用にかかれたものであるとのこと。 エスとは?シスターである。洋子5京子4三千子1年生。 女学校ならではの噂とおせっかい。ご機嫌様の世界。当時で生活レベルは上流の娘達であろう。私生活はよく見えない。女学校での生活は、あるところ自由であるが、これから卒業後は家に入っていくのだろうか。前半の華やかな学校生活から、終盤のクリスマスシーン、贈り物には感動する。 川端の女の描写は極である。

Posted byブクログ

2011/04/02

何度でも読み返して忘れないで居たい少女の心。装丁も中原淳一の素敵なイラストで眺めるのも良し。完全復刻版のほうが雰囲気も楽しめて尚良い。山手へいったばかりで家並みが思い返された。

Posted byブクログ

2015/07/26

(目次) 乙女の港 Ⅰ 花選び Ⅱ 牧場と赤屋敷 Ⅲ 開かぬ門 Ⅳ 銀色の校門 Ⅴ 高原 Ⅵ 秋風 Ⅶ 新しい家 Ⅷ 浮雲 Ⅸ 赤十字 Ⅹ 船出の春 薔薇の家

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