クイズでわかる百人一首 の商品レビュー
一首ごとに、歌の意味などについて2問の3択質問が設けられている構成。 コンパクトにまとめられていてわかりやすく、おもしろいのですが、百首分を頭に入れるのはさすがに大変。 ページ数はさほど多くはありませんが、じっくり時間をかけて読みました。 百人一首は、どうもわかったつもりでいな...
一首ごとに、歌の意味などについて2問の3択質問が設けられている構成。 コンパクトにまとめられていてわかりやすく、おもしろいのですが、百首分を頭に入れるのはさすがに大変。 ページ数はさほど多くはありませんが、じっくり時間をかけて読みました。 百人一首は、どうもわかったつもりでいながらも、実際にはなかなか難しく、とっかかりを見つけにくい古典。 歌の意味も観賞法も分かるし、歌人の説明もあるので、百人一首をざっと把握する一冊としては最適です。 これまで読んだ関連本で、歌の意味などは大まかながらわかってきましたが、とにかく親しみを持てずにきたのが、歌人たちの名前。 官位もわかりづらいため、どうにも持て余していましたが、この本では、官位ではない本名や、出家前の俗名も書かれているため、少し親しみが持てます。 それにしても藤原姓が非常に多いことに驚かされます。 逆に官位で分ける方が区別がつきやすそうな気もします。 初めの方の歌人は、有名な人が多く、十分わかっているつもりでいましたが、2番歌の持統天皇の段階でもうつまづきました。 彼女と額田王がごっちゃになっていました。 持統天皇は、天智天皇の皇女で天武天皇(天智天皇の弟)の妻。 額田王は、天武天皇の妻の一人から天智天皇の妻になった人。まぎらわしいです。 名前が特徴的で子供のころから好きだった猿丸大夫と蝉丸は、正体不明の人物で実在も疑問視されているという点が驚きでした。 しかも蝉丸に至っては、坊主ではないのに坊主めくりに使われていると指摘されており、ハッとしました。 かるた絵で判断していたので、てっきり出家した人だと思っていましたが違ったんですね。 河原左大臣が源融のことだと知りました。 また、光孝天皇の「君がため春の野に出でて若菜摘む わが衣手に雪は降りつつ」は、実際に天皇が花を摘むことはない、と書かれていて、(そうか、そうよね)と、妙に納得しました。 これは「誠意」を表しているそうです。 僧正遍昭と素性法師が親子で、仁明天皇崩御時に一緒に出家したというのも初めて知りました。 菅家というのは菅原道真のことで、流人のまま死んだため、官職で残さなかったということも。 右大将道綱母が歌人でいるおかげで、藤原道綱は有名ですが、本人は無能だったそうです。 一番長くて悩ましい名前の法性寺入道前関白太政大臣の本名は藤原忠通だと知って、スッキリしました。 読む前よりもずいぶん歌人のことが頭に入り、歌を作った状況なども知ることができたため、ずいぶんなじめるようになりましたが、本名を知ってもなお、よくわからない人物が多いため、まだまだ勉強が必要な、奥の深い世界だと感じました。
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