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棟居刑事の荒野の証明 の商品レビュー

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2013/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

森村誠一といえば、私が若い頃、証明シリーズで大人気の作家さんでした。 その「証明」をうたった作品、いささか期待が大きすぎたのかと反省です。 登場する町がご縁で、この本を読み始めたのですが、読み進むにつれて、少し「推理」とは別の興味から、最後まで読みたいと思えるようになりました。 全体の世界を喩えれば、まさしく2時間ドラマ。途中で、犯人の目星はつき、また、主人公たちと「悪」の一味?との攻防もあり、と来て、さあ、ここから我らが棟居刑事が活躍するのか、と思ったら、肩透かし。 全くもって、期待を裏切られる展開に終始するのです。それでも、読み終える牽引力がどこにあるのか、考えると、主人公は、一体、両手に花でどうなるのだろう、という全く別の興味なのかと思えます。 結局、夢?やぶれた主人公の山名は、「荒野」に身を乗り出すのですが、全篇にわたって、「あり得ない」と思えることの連続。そういう「受け」を狙って書かれているのだとすれば、森村誠一という作家は、やはりスゴイ人だったんだと思える、そんな読後感をおぼえています。

Posted byブクログ