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偽書「東日流外三郡誌」事件 の商品レビュー

4.4

25件のお客様レビュー

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2013/01/06

青森の新聞記者である筆者がたまたまかかわることになった事件が「東日流外三郡誌」に関する民事訴訟だった。取材を重ねて記事にするうちに筆者自身が当時者の一人として深くかかわることになる。 歴史を金と名声の手段として偽書を作り続ける和田喜八郎という人物がいて、それを地元の自尊心や観光...

青森の新聞記者である筆者がたまたまかかわることになった事件が「東日流外三郡誌」に関する民事訴訟だった。取材を重ねて記事にするうちに筆者自身が当時者の一人として深くかかわることになる。 歴史を金と名声の手段として偽書を作り続ける和田喜八郎という人物がいて、それを地元の自尊心や観光のために安易に利用する自治体があり、また彼を支援する一部の学者がいる。一方で「うその歴史が広まるのが許せない」という理由で益の少ない論争に加わる人々がいる。 最終的には和田氏の死去により、本人からの説明は永久にないままで終わる。その後に「東日流外三郡誌」が「発見」された部屋を初めて取材し、あらためてそれらは偽造されたものであるとの記事を掲載することで、この件に関する記者の新聞記事も終わる。 「東日流外三郡誌」事件のあらましと問題点が非常にわかりやすく理解でき、登場人物それぞれの考え方がよくわかっておもしろい。

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2012/08/01

おそらく戦後最大規模の偽書事件である「東日流外三郡誌」事件に深く関わった著者によるルポ。躍動感あふれる叙述であり、事件当時の青森にいるかのように文章を楽しめる。この偽書事件についてある程度前提知識を持っているとスムーズに読めると思う。

Posted byブクログ

2012/07/14

詐欺師が「学者」と「政府・自治体」を味方に着けてしまえば、無知な一般人は騙されるよりない。原発問題も似た側面がある様に思う。 単純に読み物としても面白く、歴史の不安定さや和田喜八郎という人物、東北のコンプレックスなどについて考えさせられた。

Posted byブクログ

2012/06/30

推理小説のような、追求シーンにはどきどき しました 人間は不思議を信じたくあり、公的な立場の時は ソコを踏み越えてはイケナイ最終ラインがある しかし、欲を捨てきれないために戦後最大の歴史 詐欺に多くの自治体が巻き込まれるのだ

Posted byブクログ

2012/01/23

まさにオカルト雑誌『月刊ムー』のようだ。 私が『月刊ムー』の定期購読を止めて以降に、大きな動きがあったようです。 真偽論争に決着がつけらた渾身のルポ。 『月刊ムー』でさんざんっぱら取り上げられたのになぁ~…偽書かぁ~…やっぱりね。 間接情報でしか知らなかったけど、実物を見ると...

まさにオカルト雑誌『月刊ムー』のようだ。 私が『月刊ムー』の定期購読を止めて以降に、大きな動きがあったようです。 真偽論争に決着がつけらた渾身のルポ。 『月刊ムー』でさんざんっぱら取り上げられたのになぁ~…偽書かぁ~…やっぱりね。 間接情報でしか知らなかったけど、実物を見ると、いかにも怪しげだったのかもね。 どうしてみんな騙されたのかな…村興し・町興しのためとか、好奇心とか、功名心とか…弱いところを突かれちゃったんだね。 最初は仲間内でやってたことが、自治体を巻き込んで…日本中、世界中に広まっちゃった。 折りしも、ポストモダン思潮に乗って、裏歴史みたいなものが、流行った。 実物はこんなに怪しげなものだけれども、みんなが惹きつけられたのは、ロマンを投影したからだろうね。 ”まつろわぬ民”から見た歴史というものに。正史以外の歴史というものに。 最初から、創作だと発表したら、こんなに話題にならなかっただろうね。盗用・盗作・継ぎ接ぎで出来上がったものだったんだからな。 ネットがない時代に、出し惜しみと小出しという演出というか、求めに応じて創るという状況が、ブレイクさせたんだな…。ある意味スゲー。 ネットがない時代に、青森の片田舎から大ブレイクしたなんて、超スゲーよwww 「竹内文献」キター(・∀・)ー! これも偽書かぁ~…まぁ、当然だな…これも絡んでくるとは、オカルト業界凄まじき。 オカルト雑誌からまでもネタを拾ってくるとは、まさにマッチポンプですな。 その昔は、『エニグマ』とか、『ムー』と同時代的には、『トワイライトゾーン』とか、版元の新人物往来社なら『AZ』とかありましたが、今は『ムー』が唯一生き残っていますね。だって、面白いんだもん。 偽書とわかっていても、偽書のネタ元に事実が含まれていれば、いつまでもネタになりますよね。

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2011/11/19

なぜ偽書作成なんていうハイリスク・ローリターンなことをするのか。なぜ一般人だけでなく、専門の研究者までもが偽書を真書だと信じて、それに固執してしまうのか。そのあたりの心の動きが知りたくて、いま読書中。

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2011/08/01

読むまでは、中央に虐げられた東北。  青森のアマチュア歴史家(和田喜八朗)がその怨念を晴らすために でっちあげた偽書と思っていたが、ことはそう単純ではなかった。 和田喜八朗氏はまず青森を東北を騙した。 「はんかくさい」文書やレプリカで。 本書、今年私が読んだものの中ではBest!

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2011/07/17

東日流外三郡誌を執念で追いかけて偽書告発していく記者のルポ。 世の中が必要とするから偽書がでるという視点は面白かった。 偽書だと判っているものを延々と追及されて飽きがきた。 現実はドラマティックではなく地味な努力の積み重ねと良くわかり、筆者に敬服。

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2011/06/19

え?ここまで実名だして大丈夫?って心配になるくらい生々しい描写が続く。なんでこんなオッサンにみんな騙されちゃうんだろ?って最後まで疑問が残る。津軽の抑圧された深層心理とか自治体の村おこし的な希求とか本の中でも色々要因探しはされてるものの、やっぱり第三者としては疑問が残ってしまう。...

え?ここまで実名だして大丈夫?って心配になるくらい生々しい描写が続く。なんでこんなオッサンにみんな騙されちゃうんだろ?って最後まで疑問が残る。津軽の抑圧された深層心理とか自治体の村おこし的な希求とか本の中でも色々要因探しはされてるものの、やっぱり第三者としては疑問が残ってしまう。でも本としては、登場人物のリアルな情景が描かれていてワイドショー的な要素がありかなり面白い。少々、著者(元新聞記者)の自己顕示が鼻につくとこはあるけど。

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2011/04/29

東日流外三郡誌が全くの偽書だとは知りませんでした。私たちのころは教科書にも出てたような・・・?キリストのお墓とかはまあ、男のロマンと思えば楽しめますが、自治体のお金なんかが絡んできてしまうともう笑い話じゃすまないですね。それにしても地方新聞って面白いですね。

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