「学び」の構造 の商品レビュー
学習科学について論じられているが、どちらかというとエッセイか論考に近い。ティーチングマシンなど、時代の変化により色褪せたトピックもあるが、研究や学び、科学についての重要な視点から再度見つめ直すことを助けてくれる本であった。
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PLATの吉川さんよりお借りした一冊。 タイトルからして重たい一冊だなぁと感じてしまったのですが、 そんな安直な反応をした自分を恥じた一冊。 学ぶということは、こうした考察ができるし、 わかるとできるは違うのね!などの気づきをもらえた一冊。 学び続けていく人に、 そして個人的...
PLATの吉川さんよりお借りした一冊。 タイトルからして重たい一冊だなぁと感じてしまったのですが、 そんな安直な反応をした自分を恥じた一冊。 学ぶということは、こうした考察ができるし、 わかるとできるは違うのね!などの気づきをもらえた一冊。 学び続けていく人に、 そして個人的には、自己啓発などが好きな人に、 ぜひ一度読んでこの視点を持ってみては?と提案したい一冊。
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今年読んだ本の中で最も示唆に富んだ本となった。お勉強の啓蒙書や自己啓発書を10冊読むのなら、本書1冊を読んだ方がきっと充実した時間となるはずだ。幼児期の「学び」から研究者による「科学」までを、平易な言葉で説明している。その論のダイナミズムにはただただ敬服するばかり。一部のビジネス...
今年読んだ本の中で最も示唆に富んだ本となった。お勉強の啓蒙書や自己啓発書を10冊読むのなら、本書1冊を読んだ方がきっと充実した時間となるはずだ。幼児期の「学び」から研究者による「科学」までを、平易な言葉で説明している。その論のダイナミズムにはただただ敬服するばかり。一部のビジネス書にある胡散臭さに辟易している方は、この本を読むとよい。 冒頭に著者は村井実からの進めで本書の執筆に入ったとある。村井といえば、「善さキン」を提唱した先生として有名だ。耳にした方もいるだろう。ちなみにそれは、人は本来「善くなろうとする」という性質を持っていることに立脚して捉える考え方だ。本書では善さ、道徳、マナーを同義として扱っている。 「わかる」ことについては、次の4つを説明している。わからないところがわかること、絶えざる問いかけを行うこと、無関係であったもの同士が関連づいてくること、自らが死に至るまでわかりつづけていくことである。日々の学習や生活の場面場面でわかることに対して邁進し続けるのが人間ということなのだと理解した。 肝心の「学び」とは、と思われるだろうが、ここに引用した言説以外にも重要な指摘がたくさんある。一言いえるとすれば、本書の未読者は先ず一読し、著者から「教わる」必要がある。たいへん分かりやすい本だから「学び」やすい。ゆえにすぐに読み終えられ、また「次の本に」移ることができる。これが「学び」のプロセスの一例ともいえる。 学びの段階メモ・学びの構え (3)知的好奇心:目標自体を探す→(4)他者からみても矛盾の無い形でより深く納得→(5)疑問を自らの「新しい一貫性」で解消→(6)あらゆる可能な他人の目を次々と自分で「想定」できるようになる段階。現象・問題から新しい視点を発見したり、自らも視点を生みだしたりして、現存する視点との矛盾を超え得る「新しい一貫性」をつくりだす。 問いなおしの方法 研究の構え (1)前提(2)当たり前(3)特定の科学内での名義や定義における意味を枠を超えて考える(4)関連(5)役割
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積んであって読めなかった本。 実にエキサイティング。いいこと書いてありますね。これが昭和50年の本かあ。ということは、それから日本の教育界とか科学観って本質的には全然進歩していないのですね。
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本書は人間の「学び」について、従来(とはいってもだいぶ昔)の研究をふまえながら全く新しい視点を提供し、それについて考察を重ねたものである。初版は昭和50年。なんと私が生まれる前である。しかしながら内容については色あせることなく、今を持ってなお輝き続けるものである。この人の研究には...
本書は人間の「学び」について、従来(とはいってもだいぶ昔)の研究をふまえながら全く新しい視点を提供し、それについて考察を重ねたものである。初版は昭和50年。なんと私が生まれる前である。しかしながら内容については色あせることなく、今を持ってなお輝き続けるものである。この人の研究には心がある。愛情がある。学術書を読んで涙が出るのは佐伯胖の著作だけだ。学ぶとは何か?なぜ学べないのか?学べなくしているのは誰か?素朴な疑問から展開される「学び」に関する哲学的・心理学的考察。このようなプロセスを経て人間とは?科学とは?と展開し、科学における「人間くささ」の必要性について論じる。目から鱗が落ちる思いがする一冊だった。内容は一般成人であれば理解できる。ほとんど専門知識は必要ない。なので、あらゆる人にお勧めできる一冊。
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わかることとおぼえることの違いや、「わかる」とは何かを分析しており、日本人の「わかる」とは?も言及している。時たま村井先生のお話もでてくるところが、村井先生の著作も読んでみたくなる。 わかるところと、わからないところがはっきりした気がする。時間が経ったらまた読み返したいかな
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息子さんへの素朴な観察が研究者としての著者を目覚めさせる.素朴だが,味わいのある一書.タイトルほど内容は難しくない. ・「おぼえる」ことと「わかる」こと.可逆と非可逆.忘れると忘れない. ・1.わかるとはわからないことがわかること.2.わかるとは絶えざる問いかけを行うこと.3....
息子さんへの素朴な観察が研究者としての著者を目覚めさせる.素朴だが,味わいのある一書.タイトルほど内容は難しくない. ・「おぼえる」ことと「わかる」こと.可逆と非可逆.忘れると忘れない. ・1.わかるとはわからないことがわかること.2.わかるとは絶えざる問いかけを行うこと.3.わかるとは,無関係であったもの同士が関連づいてくること.4.わかるとは死に至るまで分かり続けること ・入門書における,エピソード的記述と意味論的記述 ・こどもはおそれているのではなく,一つのルールを知ろうとしているのだ. ・一貫性を分かち合う. ・心情さえ引き起こせばよい,という道徳教育はいかがなものか. ・道徳はわかるべきもの ・自然科学的視点(AをBによって説明する)と教育的視点(AをB以上のものとして説明する) ・学び続ける存在としての人間・・・1.前提を問う.2.当たり前を問う.3.意味を問う.4.関連を問う.5.役割(価値?)を問う ・真理は苦労することで得られるのではなく,問うことで得られる
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※このレビューにはネタバレを含みます
◆◆第1章 ◆一 学べない人間の3つのタイプ ・無気力型人間(やる気のない人間) ・ガリ勉型人間(動作が勉強のすべてと考える。世の中はバラバラで物事を広い文脈から見ることはしない) ・ハウ・ツウ型人間(「何故?」「何?」という真理への問いかけがなく、世の中の出来事が何故起こり、一体世界は何であるかなど全く関心がない。彼にとって世の中は、薄ぼんやりもハッキリも見えない。もともと「見ていない」のだから。彼の見ているのは自分の輝かしい「成功」の幻想である。=自分とタイプが似ているような気がする。 ◆二 なぜ「学べない」のか ・作業主義的学習観と方法的学習観 ・権威主義的知識観 ・主観主義的知識観(日本の文化の伝統の中にある知識に対する主観主義的な見方。真理というものの実在感の欠如) ◆◆第2章 「おぼえること」と「わかること」 ◆一 「覚えた」ことは「わすれる」 (「わかる」は本来不可逆的なものであることが説明されている。「地球は丸い」ことがひとたびわかってしまうと、もはやそのことを「知らなかった」状態に戻ることはできない。主観主義的、手続き的「わかる」は忘れてしまう) ◆二 「わかる」における主観主義 ペトリー 人がある命題Xを理解する(to understand)ということは、次の3つの条件が満足していることである。 A その人は命題Xを経験を通じて知るに至る B 命題Xは真である C その人は命題Xが真であることを正当づけるにふさわしい理由を持つ =わかるとは、自分の経験を通じて真実であると認識することである。 ◆三 記憶の心理学 記憶の4段階 A 感覚登録器 B 短期記憶 C 中期記憶 D 長期記憶 ・感覚登録器 外部からのシゲキの特徴を抽出し、意味を持つ最小の単位にまとめあげていくもの。 ・短期記憶 感覚登録器を経過してでてきた纏まりとして貯蔵され、この段階でわれわれは「意識」できる。(頭の中でイメージしたり、「心の中で言ってみる」ことができる) ここでの重要な機能は「リハーサル」と呼ばれている。ch ・中期記憶 「現在およそ何事が起こりつつあるか」という文脈、あるいは一時的な「仮説」「期待」「予想」が入っている。 本の索引のような当面重要な「キーワード」が入っている。 ・長期記憶 1 エピソード的記憶(「いつ、どこで、誰が、何をした」というようなエピソードや事象の系列が記憶される、単語のリストならある程度頭の中で再構成されたまとまりがほぼ永久に貯蔵される) 2 意味論的記憶(事物の意味、世の中の常識、「真理」として受け入れられている様々な法則、(たとえば物理的な法則)、世界像、などが入っている) ・情報の流れ 感覚登録器→(長期記憶と照らし合わす)→短期記憶→中期記憶が関連項目を呼び出す→関連性があると長期記憶へ入る ・「知識」の構造 1 エピソード的記憶‥感覚近くの経験の痕跡との時間・空間的つながりのある一種の連合系列が入っている。生体の「リズム」がこの記憶の基調になっていると思われる。 2 意味論的記憶‥語句の意味や文の意味、世の中の法則、世界像、論理的命題間の関係。ネットワークとして入っている。 ・意味のネットワーク(網目) ・「記憶の公園」と思考の働き 四 「覚える」から「わかる」へ
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