物語批評序説 の商品レビュー
最後のバルトのところで諦めた。 構造化された論のそれぞれに結論を明瞭に持たせるというようなことを蓮實は意図的に拒んでいて、それは説話論的な磁場から脱却するための方法論の実践なんだろう。 ......ということではなく、自分にそれを読み取る力が足りてないだけなんでしょう。つらい...
最後のバルトのところで諦めた。 構造化された論のそれぞれに結論を明瞭に持たせるというようなことを蓮實は意図的に拒んでいて、それは説話論的な磁場から脱却するための方法論の実践なんだろう。 ......ということではなく、自分にそれを読み取る力が足りてないだけなんでしょう。つらい。 フローベールの「紋切型辞典」、失われた時を求めて、サルトルの『大戦の終末』をめぐる読解のディテールは鋭利で面白い。
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物語批判というよりは物語ることへの批判。前半は「私には語るべき言葉を持ち得ない」という論調。後半は「論説からの解放」という結論に着地、自由に語ることへの肯定。だいぶ希望に満ちた「終わり」でとても嬉しくなった。 完全に理解するにはレベルが足りなかったのでフロベールを読もうと思います...
物語批判というよりは物語ることへの批判。前半は「私には語るべき言葉を持ち得ない」という論調。後半は「論説からの解放」という結論に着地、自由に語ることへの肯定。だいぶ希望に満ちた「終わり」でとても嬉しくなった。 完全に理解するにはレベルが足りなかったのでフロベールを読もうと思います。
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I部ではフローベールの「紋切型辞典」を引きつつ、物語ることが一部の知的階級の特権から解き放たれて流行語の時代から問題の時代へと回遊する説話論的磁場を変えていく歴史的な経緯から、II部ではロラン・バルトの「作者は死んだ」という言葉をめぐって作者とエクリチュールの関係性を考えることで...
I部ではフローベールの「紋切型辞典」を引きつつ、物語ることが一部の知的階級の特権から解き放たれて流行語の時代から問題の時代へと回遊する説話論的磁場を変えていく歴史的な経緯から、II部ではロラン・バルトの「作者は死んだ」という言葉をめぐって作者とエクリチュールの関係性を考えることで、現代に残された物語の可能性を探る──と書きながらも断片の理解がバラバラとこぼれ落ちていく感覚。やっぱりダメだな、一回流し読みした程度じゃ。とはいえ、本書と向き合いながら何度となく感じたのは、現代の話者に残された限りなく八方ふさがりな状況をこれ見よがしに提示して見せつつ、さあ、ではあなたはどう次の一歩を出すか、と挑発するかのような、蓮實氏一流の(といっても同氏の著作は今回初めて読んだのだが)発破なのでは、ということ。どの道を辿っても紋切り型に辿り着いてしまう言葉の迷路としての説話論的磁場には、エンデが「モモ」の中でモモに後ろ向きで歩かせてマイスター・ホラの部屋へ辿り着かせたような倒錯的な抜け道があるんだろうか。知恵熱が下がったらもう一度読んでみたい。
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