ロマネ・コンティ・一九三五年 の商品レビュー
官能と退廃と冒険と腐敗の短編集。 表題作が読みたくて買ったが、『貝塚をつくる』がよかったな。たゆたい、逸れ、出会い、最後の最後にそこに行くのか。すごいスケール。
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少ないボリュームに反し、内容は濃密。 川端康成賞を受賞した『玉、砕ける』、表題作を筆頭に、上質でビターな大人の文学を摘む様に楽しめる。 彼の食と性に対する拘りと、表現の巧さは読んでいて楽しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
開高健の6編からなる短編集。 これまで読んだ氏の作品と比べると、いずれも退廃的な雰囲気をより強く感じさせるように思えましたが、特に釣りや料理に関する、精緻で力強い文章表現は相変わらず切れ味の鋭いものだったと思います。
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最近見た昔のテレビで、開高健氏のことを「話す言葉がすべて小説になっている」という趣旨の紹介をしていたので、興味を持った。 短篇集ならば、と手に取った。 偶然、昔読んだがどの本に掲載されていたものか思い出せなかった短篇に再会した。 『貝塚をつくる』という短篇である。 カンボジア...
最近見た昔のテレビで、開高健氏のことを「話す言葉がすべて小説になっている」という趣旨の紹介をしていたので、興味を持った。 短篇集ならば、と手に取った。 偶然、昔読んだがどの本に掲載されていたものか思い出せなかった短篇に再会した。 『貝塚をつくる』という短篇である。 カンボジアとの国境線近くにあるヴェトナム領の島を訪れた時の話と思われる。 ラストがなんとも言えない雰囲気で、開放感がある。 ちなみに六篇のうち、巻頭の『玉、砕ける』は川端康成文学賞受賞作品とのことである。
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開高健らしさ満開。 どの短編を読んでいても、部屋中いっぱいに広がって泡だらけの水槽に沈んでいくようだ。まったく。 下記の台詞がシュール過ぎた: 「紀州の御坊は飯がうまいですな」 「・・・・・・・・」 「あれは日本一ですな」 「・・・・・・・・」 「御坊じゃエッと食べたです」 ...
開高健らしさ満開。 どの短編を読んでいても、部屋中いっぱいに広がって泡だらけの水槽に沈んでいくようだ。まったく。 下記の台詞がシュール過ぎた: 「紀州の御坊は飯がうまいですな」 「・・・・・・・・」 「あれは日本一ですな」 「・・・・・・・・」 「御坊じゃエッと食べたです」 「・・・・・・・・」 「紀州の御坊が日本一ですな」 「・・・・・・・・」
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飽くなき好奇心と求道的探究心によって彩られた六つの短編から成る短編集。小説、というよりは体裁としてはノンフィクションに近い話ではあるのだが、異国の風景や美食、釣りの描写の写実性が素晴らしく、文章が文字通り五感へと突き刺さってくる。「読む」というよりは「味わう」文章であり、ここに描...
飽くなき好奇心と求道的探究心によって彩られた六つの短編から成る短編集。小説、というよりは体裁としてはノンフィクションに近い話ではあるのだが、異国の風景や美食、釣りの描写の写実性が素晴らしく、文章が文字通り五感へと突き刺さってくる。「読む」というよりは「味わう」文章であり、ここに描かれた男の世界は痺れるぐらい格好いい。どことなく退廃的な空気もあり、特にお気に入りなのはナマズ釣りの物語から無人島で隠れて暮らし、貝塚を築く青年の物語である「貝塚を作る」が個人的には一番面白かった。釣りの水しぶきや、ねっとりとした暑さ、ドリアンの香りが行間から漂ってきそうな圧倒的な描写力は一度読んだら焼き付いて離れない。他の作品も楽しみである。
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取り上げているテーマは、食、酒、阿片、釣り など。かなり猥雑な話や描写も出てくる。 けれども、それを超える文章の美しさがある。 ザラついた表面を、上質なカンナで削ったような 感じ。 在りし日の、見るからにワイルドそうな風貌とは 反対に、美しく、繊細な文章から成る短...
取り上げているテーマは、食、酒、阿片、釣り など。かなり猥雑な話や描写も出てくる。 けれども、それを超える文章の美しさがある。 ザラついた表面を、上質なカンナで削ったような 感じ。 在りし日の、見るからにワイルドそうな風貌とは 反対に、美しく、繊細な文章から成る短編は、 流れるように入ってきた。
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うんちくっぽい感じもしたが良かった。食慾も徹していくと精神になるとの言葉があったがその通りだと思う。全ての欲は精神から出て肉体を通るが、突き詰めて純度が上がればまた精神に行き着くだろうと思う。
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東南アジアの湿気を含んだ暑さを感じる短編集。「飽満の種子」アヘンでの酩酊に憧れ到達することができない主人公になんともいえぬ寂しさを感じる。
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222p 0917 表題作含む短編6編。1973〜1978年。タイトル買いだったためこか、意外にも、短編を読み進めるのに時間がかかった。テーマが阿片や酒など多岐に渡り、哲学的な記述も多い気がした。味わうにはまだまだ未熟だったか。
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