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生活保障 の商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

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2012/03/23

社会のありようを働くという視点から捉えた本。 男性中心の終身雇用など企業に頼った雇用保障やそれに合わせた社会保険制度が崩れている。 筆者は「4つの橋」論を提唱し、 性別や年齢関係なく、 働いたり学んだり休んだりを選択できる社会を提唱している。 内容でいちばんひっかかったのは ...

社会のありようを働くという視点から捉えた本。 男性中心の終身雇用など企業に頼った雇用保障やそれに合わせた社会保険制度が崩れている。 筆者は「4つの橋」論を提唱し、 性別や年齢関係なく、 働いたり学んだり休んだりを選択できる社会を提唱している。 内容でいちばんひっかかったのは 不安定で満足な収入を得られない仕事が 貧困だけでなく 人の承認される場や生きる意欲を奪っているということ。 働くことと生きていくことの切り離せない繋がりを考えさせられた。

Posted byブクログ

2012/02/26

アクティベーションの視点に立った生活保障が必要。Ⅰ参加支援Ⅱ働く見返り強化Ⅲ持続可能な雇用創出Ⅳ雇用労働の時間短縮・一時休職。スウェーデン型かモデル。

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2012/01/14

雇用の問題と社会保障の問題は結び付けて考慮されるべきとの主張。男性の正社員安定雇用が前提となってきた日本の社会保障は、その前提が崩れた今、機能を失っている…そうなんだろうなぁ。足元の「一体改革」とやらは十分な議論を国民に問うているのでしょうか。

Posted byブクログ

2011/09/18

どうやれば、みんなが幸せになることができるのでしょうか。 そういえば管元首相が「最小不幸社会」なんて言っていましたね。 で、「最大幸福社会にすべきだ」とか、「今の首相は自信を無くしている」なんて言われていましたね。 この本が発行された2009年秋は、総理が麻生さんから鳩山さんに...

どうやれば、みんなが幸せになることができるのでしょうか。 そういえば管元首相が「最小不幸社会」なんて言っていましたね。 で、「最大幸福社会にすべきだ」とか、「今の首相は自信を無くしている」なんて言われていましたね。 この本が発行された2009年秋は、総理が麻生さんから鳩山さんに変わったころでした。 「いま政治が熱い!」と、みながニュースに噛り付いていた時期でした。 2008年のリーマンショックで景気が後退して、だれが世界の、あるいは国のリーダーシップをとっていくんだろう。どうすれば国がよくなるんだろうかと。 話は逸れまくりましたが。 6pの、母子世帯の貧困率が66%で、就労しているひとり親の母親のうち43.6%が非正規雇用、というデータにはびっくり。 男女共同参画とかいいつつ、ジェンダーで不平等があるのが現状なんですね。 それから、10pの保育の話。 行政サービスの地域格差は前々から知っていたのですが、たとえば保育料。 東京都渋谷区が月額1.13万円、北海道夕張市が5.35万円。 改めて数字で見直してみると、かなり差がありますね。 何度も繰り返し書かれていたことで、政治への不安から、人々は「大きな政府」がいいけれども、「負担増は嫌」という態度をとっています。 低所得者にばっかり給付されて自分たちには回ってこない、タダ乗りがいる、などで中産階級が税金引き下げを訴えるという話。 正社員が優遇されすぎ、保証を受けている人は甘やかされているなど、諸悪根を誰かに押し付けようとする話。 どうすればいいんんでしょうかね。 セーフティネットが意味をなしていない、そもそも綱渡りの縄(=雇用)が不安定だったり、途中で切れていたり(=契約社員、リストラ)、細かったり(=給与が乏しい)。 給与もさみしい、人とのつながりも弱い、そして孤独へ陥り、生きる気力を失う若者たち。 現代の若者の一人である私にとっても、明日はわが身の話です。 北欧モデルは、よく絶賛される。 でも、リーマンショックで失業者が増え、就労支援をしても雇ってくれる企業が少なく(だってそもそも首を切っているから)、「どーすればいいの、オレ?!」な状況に陥っていることも事実です。 それから、年金・就労支援・育児支援・税制をトータルコーディネイトしてあの体制が成り立っているのであって、いいとこどりでそのまま日本に流用するというのは土台不可能であるということも、この本は指摘しています。 ヨーロッパでは、一度社会に出て、自分の適性を見極めてから大学に行くという人々もいる。 生涯を通じて学習する人もいる。 すっごくうらやましい。 でも、日本でそれをやるのはなかなか難しい。 中途採用はイレギュラーだし、高等教育に対する試験は薄くてほとんど自腹だし、日本社会が長らく男性の稼ぎ手が家族を扶養し妻が育児や介護を担うという社会だったから、なかなか世間の認識や仕組みは変わらない。 結局、社会について考えるとき、ある一面からだけで考えるのは無理なんですよね。 広い視野と、「こんなのどうかな」と新しいアイディアを生み出す発想力、それが必要なんじゃないかなと思います。 今も、これからも、ずっと、いろんなことを勉強したい、視野を広げたい、考えるだけでなく行動できる大人になりたい、そう思いました。

Posted byブクログ

2011/07/14

生活保障や社会保障を雇用と結び付けていく必要があるというのが筆者の主な主張であるように思える。 そのための例としてスウェーデンやデンマークなどの政策を取り上げているが、これらの国と日本とでは税制度も違えば国民の意思も違うから政策をそのまま採り入れればよいと言うものではない。なによ...

生活保障や社会保障を雇用と結び付けていく必要があるというのが筆者の主な主張であるように思える。 そのための例としてスウェーデンやデンマークなどの政策を取り上げているが、これらの国と日本とでは税制度も違えば国民の意思も違うから政策をそのまま採り入れればよいと言うものではない。なにより近年は環境の変化によりその政策も効果を無くしてきている。 日本国民の意思の多くは福祉国会を望むのに増税は望まないのは国民の行政への信用が薄いためであるというのが筆者の見解のような気がする。 日本はまず国民の信頼を取り戻すことから始めるべきなのだろう。

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2011/06/05
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 雇用と社会保障の結び付けによって国民の生活を守る「生活保障」についての構想を述べた本。「社会的包摂」の観点から雇用と社会保障の新たな連携を作ることで、「生活資源から排除され誰にも顧みられないという、もっとも耐え難い不幸をできるだけ抑制しつつ、人々がそれぞれの多様なプロジェクトを追求することを支え合う社会」が著者の目指すべき社会である。  日本の昨今の社会保障が貧弱だと言われるのは、旧来のそれが男性の稼ぎ手の安定した雇用を前提に作られてきたことに端を発する。つまり、自民党の石橋湛山、岸信介両首相の時代から高度経済成長期にかけて確立した企業による年功序列賃金制と終身雇用制度が労働者のセーフティネットだった。  そのため、非正規労働者(労働時間が正規労働者の3/4以下)は厚生年金や健康保険の対象外になっていたり、国民健康保険の低所得者の負担が大きくなっていたりするという問題がある。  著者は福祉国家のモデルとしてスウェーデンを挙げる。同国には柔軟な雇用制度、長期的失業手当、積極的労働市場政策という「黄金のトライアングル」と呼ばれる生活保障が充実している。  だが、グローバル化や脱工業化の影響もあり、同国の生活保障制度も見直しを迫られているため、日本ではこれを参考程度にして、 1.労働社会への参加支援 2.働く見返りの強化 3.持続可能な雇用創出 4.労働時間の短縮・一時的な休職制度の整備 という方向を取った政策をとることが望まれる。  理性を万能と考えず、極端な政策をとらない保守主義への理解もあり、今後の国民生活の保障制度を考えていく上で大変有効な一冊であると思う。

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2011/05/10
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[ 内容 ] 不安定な雇用、機能不全に陥った社会保障。今、生活の不安を取り除くための「生活保障」の再構築が求められている。 日本社会の状況を振り返るとともに、北欧の福祉国家の意義と限界を考察。 ベーシックインカムなどの諸議論にも触れながら、雇用と社会保障の望ましい連携のあり方を示し、人々を包み込む新しい社会像を打ち出す。 [ 目次 ] はじめに-生活保障とは何か? 第1章 断層の拡がり、連帯の困難 第2章 日本型生活保障とその解体 第3章 スウェーデン型生活保障のゆくえ 第4章 新しい生活保障とアクティベーション 第5章 排除しない社会のかたち おわりに-排除しない社会へ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2011/02/14

ダイヤモンドで紹介されていていたので読んでみた。 各国の状況と日本を対比させながら生活保障について論じている。 日本の生活保障を充実させていくには、政治・行政への信頼を高めてからでないと始まらないと思う。 

Posted byブクログ

2010/12/31
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週刊ダイヤモンドで今年の経済書の一つとして取り上げられていたので購入。分かりやすい内容。日本の体制は男性稼ぎ主の安定した雇用が前提、というのは全くその通りだと思った。

Posted byブクログ

2010/12/27

社会福祉というと、面白くもない議論と思っていたが、 この本に関しては論点がすっきりしていて 文章と理論も筋が通っていて読みやすかった。 そして、分析に終始するのではなく、著者なりの提案もなされていて 新書として100点に近いと思う。 蛇足だが、この本は北大での宮本太郎先生の授...

社会福祉というと、面白くもない議論と思っていたが、 この本に関しては論点がすっきりしていて 文章と理論も筋が通っていて読みやすかった。 そして、分析に終始するのではなく、著者なりの提案もなされていて 新書として100点に近いと思う。 蛇足だが、この本は北大での宮本太郎先生の授業の副教材に指定されているが、 内容は授業の濃縮エッセンスである。 他方、指定教科書は同先生の「福祉政治」で、これは授業の一部にしか触れていない。 なぜ「生活保障」のほうを教科書に指定しなかったのか不思議である。

Posted byブクログ