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フィッシュストーリー の商品レビュー

3.7

846件のお客様レビュー

  1. 5つ

    129

  2. 4つ

    340

  3. 3つ

    268

  4. 2つ

    32

  5. 1つ

    4

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2022/11/11

★不都合なことを別のことでカモフラージュする、という手法はありえると感じた。特に、性であったり死であったり、そういった事柄は隠蔽されやすい。(p.79-80) ★世代を跨いで伝達される慣習が存在しているのは、決してマイナスではないと思えた。今の日本では、代々受け継がれていく思想...

★不都合なことを別のことでカモフラージュする、という手法はありえると感じた。特に、性であったり死であったり、そういった事柄は隠蔽されやすい。(p.79-80) ★世代を跨いで伝達される慣習が存在しているのは、決してマイナスではないと思えた。今の日本では、代々受け継がれていく思想はほとんどない。思想や常識ですら使い捨てで、知恵や知識を蓄積しようという意識が低い。(p.104) ★「金はいくらでも必要だ。集落の施設を直す金もない。ただ、それ以上に、この村が存在する意味が必要なんだ。存在価値がないものはいずれ消える。」(p.135-136) ---------------------------------------------------------------------- 久しぶりの伊坂さん。 やっぱり難しいけど、伊坂さんの話に出てくる人たちって皆なんかいろんな意味ではっきりしてて、人間性に憧れる人がいっぱいいるんだよな~ でもしっかり読まないとどれがどの人の言動なのかわからなくなる。難しさもある。

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2022/11/10

フィッシュストーリーとゆうタイトルに惹かれて読んだ。好きな声優さんの曲と同じだったから。 短編集だと思わなかったけど、それぞれ違った魅力があって楽しめた。 フィッシュストーリーとポテチが好きかな。 今度同じ登場人物が出てくるらしい他の作品も読んでみようと思った。

Posted byブクログ

2022/11/09

伊坂幸太郎節全開の中編4つを収録。 表題にもなっているフィッシュストーリーを始め、 心地よい物語に読後感はとても良い気分になる。 個人的にはポテチがまたいい味を出していてよかった。

Posted byブクログ

2022/11/04

伊坂さんのこれまでの作品に登場した人物にもう1度会える、伊坂さんらしい短編集。 ■動物園のエンジン クスッと笑ってしまうお話。 好きです、こういうの。 「オーデュポンの祈り」の伊藤くんがチラリと出てきます。 ■サクリファイス 「ラッシュライフ」の黒澤氏が登場。 「魔王」を読ん...

伊坂さんのこれまでの作品に登場した人物にもう1度会える、伊坂さんらしい短編集。 ■動物園のエンジン クスッと笑ってしまうお話。 好きです、こういうの。 「オーデュポンの祈り」の伊藤くんがチラリと出てきます。 ■サクリファイス 「ラッシュライフ」の黒澤氏が登場。 「魔王」を読んだ直後だったので、色々と考えました。 ■フィッシュストーリー 時間の組み立てが、伊坂さんらしく絶妙。 “大事なのは、職業や肩書きではなくて、準備だ” という一言が、今の自分には響きました。 あの黒澤さんを襲った老夫婦がさりげなく登場しています。 ■ポテチ ちょっと粗いかな、と感じました。 登場人物の会話のセンスの良さは相変わらず光っています。 キリンを見るまでは、私も死ねない。 伊坂さんの作品は何度も何度も読み返してみたくなります。 手元に全作揃ったのでもう1度、デビュー作から順に読んでみたい。 読むタイミングによって、心に残る台詞が違うはず。様々な受け止め方ができる作品ばかりです。

Posted byブクログ

2022/10/12

空き巣を稼業としている今村は、空き巣先でかかってきた自殺しようとしている女、大西と暮らすようになった。ある日、大西とともに野球選手の尾崎の家に忍び込んだところ、「助けてほしい」と女から電話がかかってきた。女の指定した駐車場には、車に乗った怪しい男がいたが、女は逃走し、男の乗った車...

空き巣を稼業としている今村は、空き巣先でかかってきた自殺しようとしている女、大西と暮らすようになった。ある日、大西とともに野球選手の尾崎の家に忍び込んだところ、「助けてほしい」と女から電話がかかってきた。女の指定した駐車場には、車に乗った怪しい男がいたが、女は逃走し、男の乗った車もどこかに走り去ってしまう…『ポテチ』。 アメリカンジョーク的なノリの4作の短編集。表題作は「ほら話」という意味だが、とある小説の一節をめぐる男、その父、息子、その小説の一節を使った曲をリリースしたバンドのそれぞれの独立しつつ、ちょっとだけ接点のある話。映画化してるみたいだけど、時間があっちこっちに飛ぶことをネタにした作品なので、映像化して意味有るのかねえ。マンガっぽい作品だった。 ボリューム的にも整合性からも、『ポテチ』が印象に残るが、タイトルとアメリカンジョーク的な『動物園のエンジン』、なんだかわからない村の風習を描く『サクリファイス』も良かった。 ただ、伊坂幸太郎らしいといえばそうだが、『ポテチ』『サクリファイス』は空き巣が主人公、『動物園のエンジン』は、無職で動物園に忍び込む人や、その周りのよくわからない人たちという、まともな人には受け入れられにくそうな主人公ばかりで、どうなんだろうかと思うところはある。 短編ということもあり、ハードボイルド的にガチガチに固める書き方や、ビートルズが犬にしか聞こえない音で録音しているなどの横道にそれる表現が少なめである。その分引っかかる部分が少なくて、読みやすいのではないか。 斜に構えるというほど斜でもない、純文学的な後味があるが、主人公がそういうのを読む人には受け入れられないだろうなあ。面白いのに。

Posted byブクログ

2022/10/10

解説を読んで伏線の張り方に気がつくという己の鈍感さにガッカリした。 本当にどの方向に物語が進んでいくのか全く読めないのが心地良く、ミステリーでもSFでもないのに、気持ち悪さがある。この相反する感情を彼の思いのまま練りくりまわされることこそ、伊坂幸太郎作品を読む醍醐味だと思ってしま...

解説を読んで伏線の張り方に気がつくという己の鈍感さにガッカリした。 本当にどの方向に物語が進んでいくのか全く読めないのが心地良く、ミステリーでもSFでもないのに、気持ち悪さがある。この相反する感情を彼の思いのまま練りくりまわされることこそ、伊坂幸太郎作品を読む醍醐味だと思ってしまう。 今回は短編集でありながら、どれも短さなんて感じさせない満足感を得られる作品でエンタメとしてとても楽しかった。

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2022/09/15

「伊坂幸太郎」の中~短篇集『フィッシュストーリー(英題:a story)』を読みました。 「伊坂幸太郎」作品は、1月に読んだ『終末のフール』以来なので3ヵ月振りですね。 -----story------------- 「届けよ、誰かに。頼むから」最後の声が、時空を超えて、奇蹟...

「伊坂幸太郎」の中~短篇集『フィッシュストーリー(英題:a story)』を読みました。 「伊坂幸太郎」作品は、1月に読んだ『終末のフール』以来なので3ヵ月振りですね。 -----story------------- 「届けよ、誰かに。頼むから」最後の声が、時空を超えて、奇蹟を呼ぶ。 物語の醍醐味が炸裂する作品集。 最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。 「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。 時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、「伊坂」ワールドの人気者「黒澤」が大活躍の『サクリファイス』 『ポテチ』など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。 爽快感溢れる作品集。 ----------------------- 「伊坂幸太郎」がデビュー直後に書いた短篇や書下ろしの中篇等、以下の4つの物語が収録された作品です。  ■動物園のエンジン  ■サクリファイス  ■フィッシュストーリー  ■ポテチ  ■解説 佳多山大地 『動物園のエンジン』は、動物たちの雰囲気を変えることができる、動物園全体にエンジンがかかった感じにできる元動物園職員の「永沢」… 昼はマンション建設反対運動に参加し、夜はシンリンオオカミの檻の前で眠る彼の謎めいた行動について、夜の動物園見学に訪れた「私」と、「河原崎さん」、「恩田」の三人が推理する物語、、、 不思議な雰囲気を持ったファンタジー色の強い作品でしたね。 前市長殺しに関わったことを仄めかす心の声… 叙述トリックに、まんまと騙されてしまいました、、、 檻のマークが「シンリンオオカミ」の心の声だとは… 気持ちよく騙されました。 『サクリファイス』は、泥棒を本職としつつ副業の探偵業を営む「黒澤」は、ある人物からの依頼に基づき、「山田」という男を探すために小暮村を訪れるが、人里離れたその村で古い生贄の習慣に由来した、不気味な風習“こもり様”に接するうちに、村の秘密に気付き、そして、依頼を全うする物語、、、 地方の因習的な集落の権勢を二分する当主の対立という構図は、「横溝正史」作品を思わせるような、おどろおどろしい伝奇ミステリーっぽい雰囲気を持っていて、なかなか印象的な作品でした。 裁判で証人として証言をさせないことが目的(依頼内容)だったので、、、 理由はともあれ、結果的に「山田」が法廷に立てなかったことで、依頼された仕事を無事に全うしたってことですね。 『フィッシュストーリー』は、「僕の孤独が魚だとしたら、そのあまりの巨大さと獰猛さに、鯨でさえ逃げ出すに違いない… 」という40年前に死んだ作家の遺作の一節を、30年前に或るロックバンドがラストアルバムで引用して歌い、その曲を20年前に或る男がカーステレオで聴き、演奏途中に突然音が途切れる演出が、或る女性を助けることになり、それがきっかけで二人は結婚、、、 そして現在、二人の間に生まれた息子は正義の味方になるように育てられ、偶然乗り合わせた旅客機で遭遇したハイジャックから人々を救出し、その10年後に救出された女性のひとりがネットワークの欠陥による人類の危機を救う… という、50年もの年代を超えて繋がる不思議な感覚の「伊坂幸太郎」らしい作品。 ロックバンドの思いが、不思議な繋がりを持ちながら未来を変えて、世界を救うという壮大なおとぎ話でしたね、、、 以前、映画化作品を観たことがありますが、作品の世界観は巧く表現されていた気がします… ちなみに"フィッシュストーリー"とは、"法螺話"のことらしいです。 『ポテチ』は、空き巣を生業とする「今村」と、妙なきっかけから「今村」に命を救われて一緒に暮らすようになった「大西」、そして泥棒稼業の先輩として「今村」に慕われている「黒澤」の不思議な関係や、「今村」の出生に秘密に関する物語、、、 赤ん坊の取り違えという悲劇的な事件… エンディングに向かって仕掛けられた伏線、コミカルな「今村」と「大西」の会話、そして、取り違えられた相手でプロ野球選手「尾崎」の劇的な代打ホームランという幕の閉じ方と、なかなか爽やかな読後感のある作品でしたね。 映画化されているらしいので、機会があれば観てみたいな。 それぞれ個性がキラリと光る「伊坂」ワールドを愉しませてもらいました。

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2022/09/15

久しぶりに伊坂幸太郎さんの作品を読んだ。あまり手に取らない中編集作品だったが、伊坂さん作品に間違いはなかった。 見たことのある登場人物が複数の作品を跨ぐのも、伊坂さん作品の特徴であり知った顔を見て楽しみ安堵する。 今回は正義の味方が登場するが、この人物が最も印象的だった。この人物...

久しぶりに伊坂幸太郎さんの作品を読んだ。あまり手に取らない中編集作品だったが、伊坂さん作品に間違いはなかった。 見たことのある登場人物が複数の作品を跨ぐのも、伊坂さん作品の特徴であり知った顔を見て楽しみ安堵する。 今回は正義の味方が登場するが、この人物が最も印象的だった。この人物の父の言葉、大事なのは職業や肩書きではなくて準備だ、に心を押される気分になった。

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2022/09/06

短編で読みやすく、1日で読了。 ポテチで泣いてた意味が分からなくて、解説読んで言葉の真意が理解できました。 黒澤は読めば読むほど好きになっていく、不思議な魅力のキャラクターだなあ。千葉のような淡々とした雰囲気と通ずる部分があるけれど、黒澤は面倒見の良さから人との関係を求めてる感...

短編で読みやすく、1日で読了。 ポテチで泣いてた意味が分からなくて、解説読んで言葉の真意が理解できました。 黒澤は読めば読むほど好きになっていく、不思議な魅力のキャラクターだなあ。千葉のような淡々とした雰囲気と通ずる部分があるけれど、黒澤は面倒見の良さから人との関係を求めてる感じがして、根本に人間味を感じる。 あと伊坂幸太郎の話しはどれも家族愛が共感できて好き。

Posted byブクログ

2022/08/28

どこかで見たことあるな、と思ったら過去の伊坂シリーズの人物がちらほら。 物語としては表題作以外が若干力不足な感じがする。

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