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背中の記憶 の商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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2019/02/15

長島有里枝さん、1973年生まれの写真家、家族とのヌード写真(父・母・本人・弟)をどこかで見た記憶があります。本人は坊主頭だったでしょうか。「背中の記憶」(2009.11)を読みました。エッセイで、初めての文章作品とか。4年を費やして完成、老作ですね。家族のこと、自分のこと、表現...

長島有里枝さん、1973年生まれの写真家、家族とのヌード写真(父・母・本人・弟)をどこかで見た記憶があります。本人は坊主頭だったでしょうか。「背中の記憶」(2009.11)を読みました。エッセイで、初めての文章作品とか。4年を費やして完成、老作ですね。家族のこと、自分のこと、表現はとても丁寧で写実的です。でも文章表現は写真ほどのインパクトはなかったです。写真は、たった1枚でも、力強いメッセージを発信しますね!

Posted byブクログ

2019/02/10

好きな写真家さんのエッセイ。ちょうど展示を観に行ったので、今だ!と思い読み始めました。 子どもの頃のこと。家族のこと。 なんて瑞々しい感性。 SWISSの文章が印象に残っていてエッセイも気になっていたのだけど、こんなに素敵な文章を書ける方とは…写真家なのに、なのか、写真家だからこ...

好きな写真家さんのエッセイ。ちょうど展示を観に行ったので、今だ!と思い読み始めました。 子どもの頃のこと。家族のこと。 なんて瑞々しい感性。 SWISSの文章が印象に残っていてエッセイも気になっていたのだけど、こんなに素敵な文章を書ける方とは…写真家なのに、なのか、写真家だからこその感性の豊かさなのか。詳細によく覚えていすぎて、それも含めて驚き。 “表現”を大事にしている人なんだなと改めて。 あとがきの、“目線”という言葉や、写真の代わりにという話もすとんときた。 母親のところがなんだか自分のうちのことみたいだったり、みどり先生がほんっとに許せなくて同業として気をつけようと思ったり、 マーニーや子ども時代の団地でのことや、長女だからこそのこもごもや、楽しいのに寂しいという気持ちや。 情景や気持ちの手触りがくっきりと迫る文章たち。 生きている、みんな。一生懸命に。 最終章の、必然と感動。 前述の通り、あとがきもとてもとても良かったです。

Posted byブクログ

2018/05/03

あとがきを先に読んで本文を読み、また改めてあとがきを読みました。 あとがきの感触が大きく変わりました。交感神経を揺さぶった状態で読むあとがきに涙しました。 特に団地での思い出の描写は、自分も団地育ちなので、心を揺さぶられました。 誰に見せるわけでもない自分史を書きたいと妙齢になっ...

あとがきを先に読んで本文を読み、また改めてあとがきを読みました。 あとがきの感触が大きく変わりました。交感神経を揺さぶった状態で読むあとがきに涙しました。 特に団地での思い出の描写は、自分も団地育ちなので、心を揺さぶられました。 誰に見せるわけでもない自分史を書きたいと妙齢になってから思い始めたのですが、それは私が死んでから歳月重ねた後に、ほんの少しの人の琴線を触れ、砂のように消えてしまうのだろうなあと想像しました。 小説/映画の「小さいおうち」のように、老後にそんなことを綴ってみたいと思いました。 あまりに感動し過ぎたので、図書館で借りたけど、改めて購入します。

Posted byブクログ

2013/10/09

目の前に浮かび上がってくるような風景描写が美しい。普段はフィクションしか読まないせいか、はじめは身の置き場というか、自分の家族のことを考えよと強いられるような居心地の悪さで読み方がよくわからなかったけど、自分と切り離して読んだら、とても素敵な誰かの物語だった。他人の人生はフィクシ...

目の前に浮かび上がってくるような風景描写が美しい。普段はフィクションしか読まないせいか、はじめは身の置き場というか、自分の家族のことを考えよと強いられるような居心地の悪さで読み方がよくわからなかったけど、自分と切り離して読んだら、とても素敵な誰かの物語だった。他人の人生はフィクションだなぁ。

Posted byブクログ

2012/08/08

ここ数年で読んだエッセイの中で最も心えぐられた。とてつもない才能だと思う。ここまでえぐるのは。人に薦めたい一冊。どの話がどうの、というよりも、どれもいい。「マーニー」を読んだ時の終盤の鳥肌は今でも思い出せるし、何だろう、とてつもなく、冷静なその視線。眼差し。それは、この人自身がす...

ここ数年で読んだエッセイの中で最も心えぐられた。とてつもない才能だと思う。ここまでえぐるのは。人に薦めたい一冊。どの話がどうの、というよりも、どれもいい。「マーニー」を読んだ時の終盤の鳥肌は今でも思い出せるし、何だろう、とてつもなく、冷静なその視線。眼差し。それは、この人自身がすでに母親であるがゆえなのかもしれないなぁ、とか思いながら。恐るべき客観性。それがとてもとてもいい。(11/10/1)

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2011/01/03

ひとつひとつを丁寧に綴っているのはわかる。 文章はきれいだしまとまりもある。 ただ、家族との思い出、備忘録みたくなりすぎじゃ? ふーん、としか思えなくなってきてた。 途中で読むのをやめた。 長島有里枝だということで期待しすぎたのもあるかと。 フィクションすぎるフィクションを読んで...

ひとつひとつを丁寧に綴っているのはわかる。 文章はきれいだしまとまりもある。 ただ、家族との思い出、備忘録みたくなりすぎじゃ? ふーん、としか思えなくなってきてた。 途中で読むのをやめた。 長島有里枝だということで期待しすぎたのもあるかと。 フィクションすぎるフィクションを読んでみたいなあ。。

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2010/11/06

長島有里枝さんの「流行通信」での連載がとても好きだったので、初の文章でのまとまった表現作品ということで、とても期待して手に取ったら・・・期待をさらに上回る読書体験に! 「家族」というのは写真家としての彼女にはおなじみのテーマだし、決して小説として凝ったことをしているわけではないし...

長島有里枝さんの「流行通信」での連載がとても好きだったので、初の文章でのまとまった表現作品ということで、とても期待して手に取ったら・・・期待をさらに上回る読書体験に! 「家族」というのは写真家としての彼女にはおなじみのテーマだし、決して小説として凝ったことをしているわけではないし、なのにそんな、ある意味ありふれた家族の肖像が、なんと胸を打つこと。描かれている人々の人物像に魅せられ、かつ自分の周りの人のことも愛しくなるような、大切に読みたい連作だ。 それにしても、身体的な言葉を使っているのに、なおどこか抜け感があって爽快な印象が残った。主観よりもひたすらな観察に重心があるような、それがこの人の文章の持ち味なのかもしれない。 最近発表された写真集「SWISS」も、写真とテキストの二段構えで構成されているので、ゆっくり楽しんでみたいところ。

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2010/05/02

苦しかった。私にとって、文字にするのが一番嫌で難しいと思う家族のことだったから。1つ1つのシーンのディテールを、まるで現像するかのように、濃密な文章で描き出している。いつか忘れてしまうのだろうか。遠い昔の自分と家族に戻りたくなった。

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2011/07/16

このところ写真家の書く本を読み機会が多い。この本も、90年代にセルフヌードなどの「ガーリーフォト」で先駆者的存在となった写真家・長島有里枝の手になる。「群像」に連載された12編に、新たな書き下ろし1編が収められている。 意外と言ってはいけないのだろうが、発表するスキャンダラスな写...

このところ写真家の書く本を読み機会が多い。この本も、90年代にセルフヌードなどの「ガーリーフォト」で先駆者的存在となった写真家・長島有里枝の手になる。「群像」に連載された12編に、新たな書き下ろし1編が収められている。 意外と言ってはいけないのだろうが、発表するスキャンダラスな写真のイメージとは全く異質な物語世界だ。自身の子供時代を振り返りながら、記憶に残る細々した品々や人々の記憶を、まるで記念写真をなぞるかのように克明に、13編の自己内省的な物語に仕立てている。中でも惹かれたのは、好きだった祖母の記憶をたどった表題作の「背中の記憶」と、小さい頃の弟を語った「おとうと」。家族に対する辛口の批評が、どことなく佐野洋子さんのエッセイを読んだ時のような印象。それでいて、あふれるような愛情が行間ににじみ出ていて感動的だ。

Posted byブクログ

2010/01/31

4.5という評価があるとよいのに。 情景が目に浮かんでくる(自然に浮かぶというか浮かべたくなる)のがすごい。鴻巣さんの書評の影響もあるかと思いつつ,自分の生活も良いよと思わせてくれる。

Posted byブクログ