見とれていたい の商品レビュー
ひさびさに興味を持って読める面白い本に出会った。 柴崎友香さんの作品は初めて読んだが、こんなに感覚が似ている人だとは思わなかった。 柴崎さんの好きな女優や歌手(主に海外)について、まったく主観的な熱い思いのたけを綴っているのだが、 真実とは、誰かの熱狂的な思いの中から生み出されて...
ひさびさに興味を持って読める面白い本に出会った。 柴崎友香さんの作品は初めて読んだが、こんなに感覚が似ている人だとは思わなかった。 柴崎さんの好きな女優や歌手(主に海外)について、まったく主観的な熱い思いのたけを綴っているのだが、 真実とは、誰かの熱狂的な思いの中から生み出されてくるのだな、と感心。 最近、やる気がでなかったが、パワーを与えてもらったように思う。
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「女が思う可愛い女」について書かせたら、この人の右に出る者はいないでしょう! 女子って、凄い生き物なんだよって、ほんとに思います。 著者の熱に脱帽。
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「わたしは「イノセンス」っていうのは、なんにも知らない「無垢さ」というよりは、どんな不幸や悪にまみれても汚れないで残る強さみたいなものなんじゃないかと思っている。だから、どんな濡れ場や悪女を演じてもかわいさが失われない松坂慶子が好き、というか、このかわいさこそが松坂慶子が持ってい...
「わたしは「イノセンス」っていうのは、なんにも知らない「無垢さ」というよりは、どんな不幸や悪にまみれても汚れないで残る強さみたいなものなんじゃないかと思っている。だから、どんな濡れ場や悪女を演じてもかわいさが失われない松坂慶子が好き、というか、このかわいさこそが松坂慶子が持っている才能なんだと思う。」-『美女・日本代表』 もう何度も言ってますが、柴崎友香の小説が好きだ。小説も好きなのだけれど実はエッセイで見せる彼女のミーハー的思考や、そんな自分自身の趣味や好悪さえも小説の文体の中で発揮される身体能力の高さでもって俯瞰してしまうことができる彼女の文章に出会うことも、同じくらい好き(集英社のWebで掲載されているエッセイも、オリジナル写真付きで、とてもよい。早く単行本になって欲しいなあ)。このタイプの文章を既に二冊柴崎友香は上梓しているけれど(ガールズファイルとワンダーワード)、この本でも印象は変わらない。つくづく柴崎友香は「見る」人なんだな、ということを思う。 普通のOLの女の子を取り上げた本が出た時には(もちろん、その文章が掲載されていた女性誌を読む習慣は持たないので)、えっなんでこんな本出すの?、と驚いたけれど、次の漫画家との対談集はもう自然に受け入れられたし、この「見とれていたい」をとある本屋の書架で見つけた時(なんでAmazonでお知らせされなかったの、と思っていたら今頃お知らせが来た)には、速攻手にとった(ちなみに、最近購入する本の90%以上はAmazonに頼らざるを得ない生活を送っているけれど、やっぱり本屋に行くのが好き。外国の街でもどこでも。最近、日本に帰って時間がある時に行くのは池袋南口界隈。ジュンク堂も好きだしLibroもいい。もし、ジュンク堂の書架の並びがネット上の本屋で再現されていたら、自分はもっと本を買ってしまうだろうなあ)。まあ、それはどうでもいいことなんだけど。 期待通りこの三冊目の柴崎友香の文章にもやっぱり同じ視線が存在しているのを確認して、なるほどねえ、と一人勝手に納得したりもする。言わずもがなだけれど、この視線は彼女の小説の中でも共通する視線だと思う。とにかく、柴崎友香は目にとまったものを「じっくり」見る人なのだ。そうして、見ている内に沸き上がる感情をていねいに掬い取ることのできる人でもある(そんなことを易々とやってのけるように見えてしまうので、柴崎友香は身体能力が高い、と自分は思うのだ)。だから、多くの人が彼女の小説の中では「何も起こらない」と表現するのに反して、恐らく柴崎友香の中ではぎっしりと「何か」が濃密に満ちている感覚なのだろうなあ、とも思う。そうして言葉にされたものを読み、満ちている感覚が自分の頭の中で再現されるのを実感する度、何か本当のことが立ち上がるように感じ、静かに共感が起こる。 「見とれていたい」と柴崎友香がつぶやくこのエッセイ集の中でも、その麻薬のような感覚はやはり自然と沸き上がる。特にスカーレット・ヨハンセンの魅力を語る柴崎友香に自分は100%共感する。好きになるポイントって本当に些細なことなんだ、そんな当たり前のようなことを改めて教えられた気になる。そして、それを見過ごさないっていうのも実は簡単じゃないんだよな、ということも。柴崎友香の本のレビューで「私には解らない」って言葉を見る度に、自分に彼女ほど好きなものを語る能力があったらなあ、と思う。ところで吉高由里子、自分も好きです。
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「素敵な女の子はこの世の宝」。女子好きの女子によるエッセイ。色んなタイプの女子が登場するので、読んでとやかく言うだけでもたのしい♡ 巻末の書き下ろし「美女観測日記2009」も、『33分探偵』の水川あさみとか『吉高由里子20歳、奈良着。』とか、セレクトが充実していていい。
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雑誌「ウフ. 」連載に加筆訂正、+書き下ろし「美女観測日記 2009」。カヴァー写真は松坂慶子。帯には「映画&テレビ好きの著者が、とびきりお気に入りの女優・タレント・ミュージシャンについて綴った、クールでちょっぴりミーハーな21章」。連載時から気になっていたので、まとめて読んでみ...
雑誌「ウフ. 」連載に加筆訂正、+書き下ろし「美女観測日記 2009」。カヴァー写真は松坂慶子。帯には「映画&テレビ好きの著者が、とびきりお気に入りの女優・タレント・ミュージシャンについて綴った、クールでちょっぴりミーハーな21章」。連載時から気になっていたので、まとめて読んでみよう、と。「はじめに」にあるように、「……誰がかわいい、誰が好き、誰が感じ悪い、あの役がよかったイマイチだったと」、友だち同士で(この場合やっぱりオンナ友だち同士だな)おしゃべりしている感じを味わえる。個人的には特に、クリスティーナ・リッチ(「外見のコンプレックス」)、マギー・チャン&チャン・ツィイー(「チャイナガール ねえさんVS小娘」)、ペネロペ・クルス(「ラテンのバンビちゃん」)の各章に、共感。観たことのある映画について「そうそう!」なんて思ったり、「このDVD探してきて観たいな」と思わされたり。ひさしぶりに、エマニュエル・ベアールやカトリーヌ・ドヌーブなども観たいような気分になっちゃいました。
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