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ジミーの誕生日 の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2011/01/08

A級戦犯がなぜアキヒト天皇の誕生日に死刑執行されるに至ったのか、という話。日本は本質的には今でも米国の属国であることを痛感。終戦直前の軽井沢の様子や、東条英機が逮捕される前にどのような事を話していたかなど、周辺エピソードが興味深い。エンディングは今一つ。

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2011/03/16

ジミーとは現在の平成天皇明仁が、太平洋戦争が始まる前、学習院おいて外国人教師から英語の授業でつけられたニックネームだという。そして、ジミーこと明仁天皇の誕生日の12月23日は、所謂A級戦犯が絞首刑となった日でもあるのである。太平洋戦争の戦後処理にあたって、昭和天皇の戦争責任につい...

ジミーとは現在の平成天皇明仁が、太平洋戦争が始まる前、学習院おいて外国人教師から英語の授業でつけられたニックネームだという。そして、ジミーこと明仁天皇の誕生日の12月23日は、所謂A級戦犯が絞首刑となった日でもあるのである。太平洋戦争の戦後処理にあたって、昭和天皇の戦争責任についての取り扱いは、日本だけではなく戦勝国側、特にアメリカにとって非常に大きな問題だった。マッカーサーは、占領統治政策の中で、天皇が仮に戦犯として処刑となった場合に国民に与える衝撃を憂慮していた。その場合に起こりうる米軍側の負担は、局地的な軍事抵抗やテロ行為などにより、沖縄戦で経験した以上の犠牲を強いるものになる可能性があり、それだけは避けたいとマッカーサーは考えていた。彼の最大の目的は日本の軍装解除であり、そのため、彼は天皇が訴追されないための工作を様々な面で行う事となるのである。そしれ、マッカーサーの思惑通り、昭和天皇は戦争責任を免れ訴追されることなく東京裁判が閉廷する。東条英機他7名が絞首刑の宣告を受ける事となるが、A級戦犯の起訴は昭和天皇の誕生日である5月3日に行われている。そして、現在の明仁天皇の誕生日に、A級戦犯達の処刑が行われたのである。これは、天皇に対して、マッカーサーが仕込んだメッセージなのである。彼らが、天皇の戦争責任も一緒に背負って処刑されていったのだと。現在の天皇は、外遊において戦没者の慰霊を積極的に行っている。また、交戦した国において過去の日本の過ちを遺憾とする発言を度々行っている。天皇はこのメッセージを重く受け止め、定められた自らの役割を知っているのであろう。

Posted byブクログ

2010/12/18

手紙をきっかけに、紐解かれる戦争の歴史と、12月23日の処刑に込められた意図。私としては、主題の12月23日よりも、その時代を生きた人から見た戦中/戦後の様子の方に興味あり。

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2010/05/14

ある子爵夫人が日記に残した「ジミーの誕生日の件、心配です」という言葉から、GHQが東京裁判を通して天皇・皇太子(今上天皇)に刻みつけた戦争責任の暗号を解き明かしていく。ジミーは皇太子のこと。 昭和天皇の誕生日4.29(S21年)に東条らを起訴し、5.3に裁判開廷。翌年5.3に憲法...

ある子爵夫人が日記に残した「ジミーの誕生日の件、心配です」という言葉から、GHQが東京裁判を通して天皇・皇太子(今上天皇)に刻みつけた戦争責任の暗号を解き明かしていく。ジミーは皇太子のこと。 昭和天皇の誕生日4.29(S21年)に東条らを起訴し、5.3に裁判開廷。翌年5.3に憲法を施行し、皇太子の誕生日12.23(S23年)に東条らA級戦犯の死刑執行。これらの史実をみると、GHQは真綿で首を絞めるように天皇家に戦争責任を刻印し、国民には敗戦を刻印しようとしたと思わざるを得ない。 東京裁判の経緯や憲法誕生の話自体はよく知られたものだが、いろんな挿話が面白い。それから、著者に祖母の日記を渡した女性が、とっても魅力的に感じられる。

Posted byブクログ

2010/03/17

タイトルに惹かれて読み始めたが中盤までは当時の時代背景の説明が主だったので退屈だった。 後半のマッカーサーが何としても天皇の退位を防ごうとした経緯、4月29日の起訴に込められた意味、12月23日の刑の執行、そして即位されてからの今上天皇のご様子に関して深く考えさせられた。 ...

タイトルに惹かれて読み始めたが中盤までは当時の時代背景の説明が主だったので退屈だった。 後半のマッカーサーが何としても天皇の退位を防ごうとした経緯、4月29日の起訴に込められた意味、12月23日の刑の執行、そして即位されてからの今上天皇のご様子に関して深く考えさせられた。 戦犯のA級、B級、C級というのが罪の重さではなく、罪の分類を意味するものであることも初めて知った。 今まであまり詳しく知らなかったが、日本人として日本の歴史に関してもっと深く知る必要があると思う。

Posted byブクログ