加藤周一自選集(3) の商品レビュー
編者の鷲巣力氏は、この中の特に「三題噺」が加藤周一の大きな転換点だったと述べる。「研究者や文学者・思想家が自らの「核」をつくりあげるとき、研究対象に向かって没頭できる時間と空間が必要である」それが加藤にとってコロンビア大学だったらしい。「三題噺」にはひとつには、加藤のありえたかも...
編者の鷲巣力氏は、この中の特に「三題噺」が加藤周一の大きな転換点だったと述べる。「研究者や文学者・思想家が自らの「核」をつくりあげるとき、研究対象に向かって没頭できる時間と空間が必要である」それが加藤にとってコロンビア大学だったらしい。「三題噺」にはひとつには、加藤のありえたかもしれない自分の三つの側面が書かれている。それは「羊の歌」を準備しただろう。ひとつは、文学史研究の「定点」を築き上げる上で「橋頭堡」になったことで、それは「日本文学史序説」を準備した。そして最後にひとつは、ここにいたって、加藤の文体が完成するということだ。 2010年3月読了
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