僕たちは歩かない の商品レビュー
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正直この作家とは合わないのかもしれない。 一日が26時間とか挿絵とか、ページ数が少なかったり読み易いため1回目は何も考えず軽く読み、二度目を読んでみたが益々分からなくなった。何の狙いがあったのだろうと考えたが趣旨が自分には伝わらなかった
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熱くてクールなファンタジー作品。 夢と情熱に満ちあふれた若き料理人たち。 独創的なレシピを考えだそうと励み集う彼らの厨房は26時間制の東京にある。 24時間制の東京から見たら、あっちの世界だ。 夢だけが繋ぐ、あっちの世界での彼らの、冒険譚。 そんな彼らに訪れる仲間の...
熱くてクールなファンタジー作品。 夢と情熱に満ちあふれた若き料理人たち。 独創的なレシピを考えだそうと励み集う彼らの厨房は26時間制の東京にある。 24時間制の東京から見たら、あっちの世界だ。 夢だけが繋ぐ、あっちの世界での彼らの、冒険譚。 そんな彼らに訪れる仲間の死。 死んだ仲間に会いにいくため、更なるあっちの世界。 何だか訳が分からないまま、クールにテンションが上がる、初めての感触のファンタジー小説だ。 最後はサバイバルゲーム。 風雲たけし城を思い出したのはオイラだけかな?笑
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えーと、今まで読んだ古川 日出男作品のなかでは、1番地味です。ふんわりとした感じ。 そして、これもやっぱり「偽史」です。でもこれは、ものすごく狭い感じの人たちに向けて書かれている感じがする。 「僕」が語る物語で、「僕」も物語の当事者であるはずだけれども、「僕」って誰という感じで...
えーと、今まで読んだ古川 日出男作品のなかでは、1番地味です。ふんわりとした感じ。 そして、これもやっぱり「偽史」です。でもこれは、ものすごく狭い感じの人たちに向けて書かれている感じがする。 「僕」が語る物語で、「僕」も物語の当事者であるはずだけれども、「僕」って誰という感じでわざと希薄にしてあります。 そこを希薄にすることで、誰でも「僕」に入り込める仕組みになっている。 にもかかわらず、なぜかこれって、個人(小さなグループ)に向けてなお話に感じられるんですよねぇ。 物語を書く動機が、ものすごく個人的なもののような気が。わからないけど。
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装丁からして、ページ数からしても、本文中の内容をとってみてもどれもとても読みやすい作品。山手線内において、「24時間制の東京」から、「26時間制の東京」へと、ある物理的方程式によって異次元空間へとワープするという、ある種のパラレル・ワールドが構築されている。また本文中の挿絵も綺麗...
装丁からして、ページ数からしても、本文中の内容をとってみてもどれもとても読みやすい作品。山手線内において、「24時間制の東京」から、「26時間制の東京」へと、ある物理的方程式によって異次元空間へとワープするという、ある種のパラレル・ワールドが構築されている。また本文中の挿絵も綺麗で、作中文に織り交ぜられており、絵本感覚でサクサク読めた。著者の作品をまだ読んでない人には個人的に、この本書をお薦めしたい。
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あちこちの都市伝説を混ぜて、古川日出男の味付けをした物語。 この物語では、読者は徹底的に傍観者で、好きなのに、過剰に没入したりできない。舞台を観ている感じ。 冬の夜に電車のなかで読みましょう。お腹が空いているコンディションだと尚よし。
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薄い文庫なのですぐに読める本。物語というよりなんだか詩を読んだかんじ。いかにも、です。明るいものでなく、暗い。一定としたリズムというか、たん、たん、と暗い。あっち側、こっち側、と表現していいものかはよく分からないけれど、あっち側のにおいがぷんぷんするというか。まあなんとも不思議なお話です。息抜きというか、本当に軽く読めるもの。(長さの話)
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画家は言う。「でもね、それまでは、君たちは歩けない。けっして……けっして」。そして僕たちの冥界への旅が始まる。 冬の夜、贈り物にぴったりの優しく愛らしい本だ。そんなに長くないし、星野勝之氏による繊細なイラストも美しい。単行本時のイラストを、文庫版である本書でもそのまま収録...
画家は言う。「でもね、それまでは、君たちは歩けない。けっして……けっして」。そして僕たちの冥界への旅が始まる。 冬の夜、贈り物にぴったりの優しく愛らしい本だ。そんなに長くないし、星野勝之氏による繊細なイラストも美しい。単行本時のイラストを、文庫版である本書でもそのまま収録している。 1日が26時間あるもう一つの東京。偶然そこに迷い込んだ料理人たちは、お互いに最初は戸惑いながら、少しずつかけがえのない絆を育んでいく。やがて料理人たち以外の仲間もあらわれ、イブには画家に特別のクリスマス・メニューをふるまった。 雪の中、幸せに、ストイックに過ぎていく僕らの日々。しかしある日悲劇が訪れ、そして僕らは仲間を救うために冥界へ旅立つのだが。 古川日出男のことだから、いくらでも濃密にできそうなストーリーだが、意外にもというか軽い読み応えで、普段あまり本を読まない人にもおススメ。古川日出男の入門編としても最適かも知れない。 真冬の都市を舞台に山手線など東京には必須のアイテムが重要な役割で登場する点など、『LOVE』から続く都市小説としての要素も色濃い。 現実から浮揚した物語であるにも関わらず、現実から地続きなのも特徴的。この物語は何もかもが幻惑的で輪郭がぼやけており、登場人物が何人いるのかすらはっきりしない。そんな幻想の物語なのだが現実と地続きのファンタジーなのである。 また冥界に仲間を救いにゆくのだがそれには制約があって、というストーリーはどっかで聞いたことあるなあと思って調べてみたところ、ギリシャ神話のオルフェウスの物語だった。ネット上でこの本のレビューを調べてみたところ、やはり他の人もその類似性を指摘していた。古川氏は恐らくこのオルフェウスの物語を下敷きにして本書の物語を紡いでいるのだろう。そうか、この本は現代の東京を舞台とした神話なのだ。 ラスト、冥界で待ち受けるラストは生と死の意味を考えさせる。大切な人を失ったことのある人ならたまらない気持になるだろう。死が大いなる別れであることはギリシャ神話の時代だろうが現代だろうが変わらない。 でも僕たちは…、彼らは後悔しない。そしてまた、冬の街に戻って行く。雪の降る街に。 無謀な冒険に挑む仲間たち。1日が2時間多いもう一つの東京で、料理人たちは研究に励む。 都市と時間の間に隠された美しい物語。
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とても面白い。 草稿にみたいにシンプルなのはわざとかな。 やろうと思えばもっと肉付けして、もっとボリュームを出して、もっとパワフルに進んでいけたし、他の著作だとそういうスピードとステップだけど、 これは違う。しゃべりすぎないで良いみたい。 着想と展開の面白さが爆発的だからもっと読みたい気持ちになる。 でもあれが適量みたい。 面白かった。
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集中のためだよ。私にとっては、あちら側をめざすため、だ。カンバスのあちら側。 もうひとつの東京があるならば、あと2つや3つの東京はあるだろう。そして死者の世界の東京も。それが冥界だ。地面の下の世界だ。いいかい、あちら側の東京、いや、この瞬間にはこちら側だね。この2時間多い東京は...
集中のためだよ。私にとっては、あちら側をめざすため、だ。カンバスのあちら側。 もうひとつの東京があるならば、あと2つや3つの東京はあるだろう。そして死者の世界の東京も。それが冥界だ。地面の下の世界だ。いいかい、あちら側の東京、いや、この瞬間にはこちら側だね。この2時間多い東京はここに実際にある。だとすれば。あらゆる人間の生きる寿命というものは、たぶん1日に二時間は実際は四分にある、あったのだ。
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