ふるこんたくと!(3) の商品レビュー
短編集的構成で“一路ハーレム”の膨張と次展開の伏線を描く
手に取っての第一印象は「うす~っ」。全223頁。増量傾向にある最近のラノベ作品において久方振りに感じた薄さである。しかも短いセンテンスで改行を繰り返す手法なのですぐ読み終える。別にこれが悪いとは思わず、むしろ手軽で良いのだが、頁数が約2/3でも価格は2/3にならないのネ、製本の手...
手に取っての第一印象は「うす~っ」。全223頁。増量傾向にある最近のラノベ作品において久方振りに感じた薄さである。しかも短いセンテンスで改行を繰り返す手法なのですぐ読み終える。別にこれが悪いとは思わず、むしろ手軽で良いのだが、頁数が約2/3でも価格は2/3にならないのネ、製本の手間は一緒だもんなー、などとどーでもいいことを思ってしまった。面白い内容だったのでホントどーでもいいのだが。 本巻はプロローグ「序」+4話+エピローグ「終」という構成だが、『ザ・スニーカー』2009年4月号に掲載した短編を改稿して【第二話】としたことによって、他の話も短編的作風でその前後を繋ぎ合せたような形になっている。続いてはいるが、それぞれが独立もしている感じである。 今回も登場人物が豊富で、新キャラも3人(以上)いる。百合展開があったり、久美恋が狙われたり一路をボコボコにしたり、“一路ハ-レム”が拡充したりと相変わらずの展開があり、ピンチに陥った一路がどう切り抜けるかの馬鹿馬鹿しい展開もいつも通りである。しかし、点穴が通用しない理由がある意味凄いなと。さすが作者だなと。この路線を追求し続ける(?)作者ならではのおバカさん振りには笑うしかない。ただ、可憐ばかりの強さと活躍が目立ってきているので、そろそろ静の「武」の方面での活躍が見たい。最近は一路の“お相手”要員に成り下がっている感がある。あと、一路の“活躍”の後は久美恋のタコ殴りがお決まりだが、そろそろ違った展開、というか、久美恋ももう少し一路の話に耳を傾けたら?と言いたくなってきたので、この辺りの変化も欲しいところだと思った。本来ならアリカの役どころこそ久美恋だと思うのだが……アリカのツンデレはホント可愛らしくて面白いから。 最後には何だかいわく付きの人物が登場しており、次の展開への予兆が見られる。重要な設定があるっぽいとはいえ、いろいろな意味で人気者な久美恋である。
DSK
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