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増大派に告ぐ の商品レビュー

3.4

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/05/07

残月記と禍を読んだ後で読みました。序盤はなかなか難解やったけど中盤から分かってきて、おもしろくなっていきました。やはり独特の世界観、不思議な感覚があります。

Posted byブクログ

2022/02/20

ろくでもない親を持ち、逆に不良にもならずにマジメ君を目指すもやはり血は争えず、というか周りの環境もあって朱に交われば赤くなり、、という、ありがちといえばありがちな、世の中でも普通にありそうな、小説でもよくありそうな。 言ってしまえばそうだけど、後はどういう風に面白いかですわな、小...

ろくでもない親を持ち、逆に不良にもならずにマジメ君を目指すもやはり血は争えず、というか周りの環境もあって朱に交われば赤くなり、、という、ありがちといえばありがちな、世の中でも普通にありそうな、小説でもよくありそうな。 言ってしまえばそうだけど、後はどういう風に面白いかですわな、小説なんだし。 というわけで、わしゃ結構好きでしたわ、こういうなんかうまく行かねーな的な展開に、やっぱ現実はこうだよな、という安心感を持てるのか、それとも舜くんの父親が言うように、下には下がいるわという意味で安心するのかもしれんけど。 なにしろどうにも中二病としか言いようのない舜くんだけど、しかし男子たるものここを乗り越えねばならぬのだ、他人事ながら頑張って欲しい。

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2021/12/22

42頁で挫折。図書館で借りた。もうちょっと読み進めればおもしろくなるのかもしれないが、返却期限が来たのでここで終了。

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2019/07/30

ファンタジー大賞受賞作ってことで。あまりファンタジーっぽくはないけど、妄想世界を見事に描き上げた、ってところが評価されたのかな。現実とのつなげ方も秀逸で、確かな文章力のおかげもあって、読み心地は良かった。最後のやるせなさも、アリかな、と。

Posted byブクログ

2015/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ファンタジーノベル大賞ということで読んでみた。 面白い! が明るい気持ちにはなれない本。ただただ陰鬱。狂気の妄想と現実が交錯して進んでいく見事な物語。 登場人物のホームレス、彼の妄想を見てみると明らかに精神を患っている(統合失調症?)ように思えるのだが、精神病の一言で片づけてしまうのは味気ない。 妄想が邪魔をして現実がねじ曲がって見えているけれども、そのぐにゃぐにゃの世界の中に僅かだけ、彼にしか見ることのできないリアルがあるのだと思った。顕著なのが「増大派」と「減少派」を見分けること。 さてこの話はよくあるファンタジーとは程遠いので、読者の大半は「何故これがファンタジーノベル大賞?」と首を捻ることになるのではないだろうか。確かにファンタジーというカテゴリだけにおさまる作品ではない。が、まぎれもないファンタジー作品であることは間違いない。 何故ならこの作品世界は妄想と現実が癒着し不可分なものとなって、ある種幻想的と言っていい感じに織り上げられているからである。マジックリアリズム的、と言おうか。仮にこのホームレスが見ている世界をイチ、ニ、サン、ハイ! で体験できたなら、そこには今までの現実とは何かがずれている奇妙でファンタジーな異世界が広がっているのではないだろうか。 ちなみにファンタジーノベル大賞の講評を何年分か読んでみると、選考委員さえ「ファンタジーとは何か」と考え込んでいるのが見て取れる。確かにこの問い、簡単には答えがでない。突き詰めて考えると物語とはすべからくファンタジーである、とさえ言えるのだから。

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2016/01/29

ファンタジーノベル大賞とのことですが、どこまでも現実的な話です。 面白いし、読みやすい。けど、ラストがなぁ…。 救いようがなさ過ぎて、読み終わって呆然としました。 最後のページまで、それが例え欺瞞でも、希望のある終わり方をすると思っていたのに。 14歳は、脆く、残酷ですね。 ラ...

ファンタジーノベル大賞とのことですが、どこまでも現実的な話です。 面白いし、読みやすい。けど、ラストがなぁ…。 救いようがなさ過ぎて、読み終わって呆然としました。 最後のページまで、それが例え欺瞞でも、希望のある終わり方をすると思っていたのに。 14歳は、脆く、残酷ですね。 ラストシーンから後の、果てしない絶望感。少年の今後を思うと胸が痛いです。

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2015/01/26

全く知らない作品でしたが、大賞受賞ということで読んで見ました。が、私には合わない小説でした。この国には増大派と減少派が有りまして、その対立の話なのかと思っておりました。まぁ間違いではないのですが、話はとある団地とその周辺に限られております。ただ減少派は本当に少ないのです。作者は人...

全く知らない作品でしたが、大賞受賞ということで読んで見ました。が、私には合わない小説でした。この国には増大派と減少派が有りまして、その対立の話なのかと思っておりました。まぁ間違いではないのですが、話はとある団地とその周辺に限られております。ただ減少派は本当に少ないのです。作者は人間の内にあるどろどろしたものを書きたかったのでしょうか。私には良くわからない作品でした。

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2014/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

陰鬱なエンディング。救いがあるように見せかけて一切ない、非常な現実が恐ろしい。 「本にだって雄と雌があります」はとてもファンタジーな作品だったのに対して、一般的なファンタジーという言葉で考えるなら、この作品はそうではない。でも、こんな救いのない世界ならファンタジーであってくれと願うばかりです。 団地の中学生・舜太とホームレス・大熊のそれぞれのストーリーが代わる代わる展開され、全く別々の二つの物語が途中で絡み合っていき…という構図なのだけど、のっけからホームレスの妄想が怒濤の如く展開されるので、そこを乗りきるのに私はちょっと頑張りが必要だった。でも、のってきちゃうと頭のなかに団地や堤防や松林の絵が溢れだして、ものすごくはっきりした脳内イメージを作り上げることができた。ひとえに筆者の筆の勢いのなせる技かなと思いました! いつも思うけど、この作者さんの本は文字が多い(改行が少なくてひとつの文章が長い?)という印象です。直前に読んでいる本がゆるくて文字が大きい感じだったりすると、本開いて「うわっ」って思っちゃう。入り込めたら、あっという間なんだけど… -- 誇大妄想にとりつかれたホームレス、どうしようもなく狂気に惹かれる14歳。さびれた巨大団地の隙間で、二つの孤独な魂が暗い光を放つ。第21回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

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2013/08/10

奇をてらった表現ではないのに、 描写がパワフル。 ファンタジーだがファンタジーではないところに オチを持って行ったところにまんまと引き込まれた。

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2013/07/02

すごい作品だと思った。感動。面白い。 過去と妄想に取りつかれている浮浪者と、父親の暴力という逃げ場のない苦しみの中にいる少年が出会う話。 実際あったのではと思えるほど生々しく感覚に訴えてくるような描写。うねる物語。それでいて丁寧に伏線は回収される。 『本にだって雄と雌があります』...

すごい作品だと思った。感動。面白い。 過去と妄想に取りつかれている浮浪者と、父親の暴力という逃げ場のない苦しみの中にいる少年が出会う話。 実際あったのではと思えるほど生々しく感覚に訴えてくるような描写。うねる物語。それでいて丁寧に伏線は回収される。 『本にだって雄と雌があります』が素晴らしく面白かったからこの作品も読んだけど、『本に~』の読後感が陽性だったに対し、これはめちゃめちゃ暗い。 教室や公園の隅っこに居るアウトサイダー達の話。 それでいて「孤独なアウトサイダーのための小説だ!」と共感しようとすると突き放される構成になっている。そう言う自分の弱さ、すけべ根性、ナルシズムを突かれる。 誰得?と思ってしまうw人生を謳歌してる人はそもそも暗い小説なんて読まないだろう。で、謳歌してない人が読んでも共感を拒まれる。 でもそれが作者の表現に対する誠実さなのだと思う。

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