夜をわたる月の船 の商品レビュー
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死にたいって程の気持ちは、 どんなに他人が止めようと思っても止められない事が往々にしてある。と言う事を思い起こされた。 どうして、この気持ちが伝わらないんだろう、と 生きてほしい、と言う気持ちを伝えたいけど伝わらないもどかしさが苦しかった。 限界を超えてしまった人にとっては押し付けでしかないのも、頭の隅で何となく分かる気もするけど やっぱり出会ってしまって、動いてしまった気持ちは止められないよね、、、。 題名がとても綺麗ですが、最後まで読むと より綺麗だなぁと染み入る。 跪いて足に口付けをするシーンも、とても綺麗だと私は思っていてお気に入り。
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題名からつい、池田聡さんのあの美しいメロディラインを想起してしまったために、読み進めて即刻のけぞるハメに。 …魔性の白髪おじさん、こわい。
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重くて暗い内容で、ストーリーがどう進むのかヒヤヒヤしながら読みました。主人公の男に対して抱く感情が変化していく過程に不自然さも強引さも全くなく、木原先生凄い…と改めて思いました。
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木原先生の作品はこの、あまりにも人間臭すぎる男が出てくる話が好きなところなのですが、今回も攻めの河瀬もまた然り。殺したいほど憎んでるはずなのに情がわいて柴岡を手放せなくなってしまったり、自分のことは棚にあげる、他人の目を気にする、見栄っ張りなど柴岡もなんども言うように彼は「普通」...
木原先生の作品はこの、あまりにも人間臭すぎる男が出てくる話が好きなところなのですが、今回も攻めの河瀬もまた然り。殺したいほど憎んでるはずなのに情がわいて柴岡を手放せなくなってしまったり、自分のことは棚にあげる、他人の目を気にする、見栄っ張りなど柴岡もなんども言うように彼は「普通」なんですよね。柴岡と出会わなければ「普通」のまま人生を過ごせたのに、柴岡というプッツン系リーマンに捕まってしまってかわいそうだが、読者はたのしい!これからも柴岡のことを憎みながらも可愛がるんだろうな。
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この作品で何より印象的だったのはそつがなく穏やかな雰囲気のおじさまという外面からは想像も出来ない底知れない黒さを持つ柴岡の存在です、実際にいたら面倒臭いことこの上ないですがこの話の中ではそれがとても面白いです。 心理が読めず不可解で不気味さも感じられる・・・それは読者も主人公も同...
この作品で何より印象的だったのはそつがなく穏やかな雰囲気のおじさまという外面からは想像も出来ない底知れない黒さを持つ柴岡の存在です、実際にいたら面倒臭いことこの上ないですがこの話の中ではそれがとても面白いです。 心理が読めず不可解で不気味さも感じられる・・・それは読者も主人公も同じで、まるで2人を少し遠目から傍観しているかのようなリアリティがありました。 救いはありそうで無いようなモヤモヤが残るけど、今後彼らが辿るのは本編よりは距離が縮まった展開なんだろうなと漠然と感じられる終わり方でした。脳内妄想が美味しいです。 かなり柴岡が特殊なので人を選ぶかもしれませんが私は割と気に入っています、ただ少しスピード展開な気がしたので星三つにしました。 この作品に限った事ではないですが木原さんの作品はヒトの抱える闇というか、物語なのに妙にリアリティがある人間描写が怖くもあり、かといってページをめくる手は止められない・・・そんな読み進めるうちにどんどん深みにハマっていく魅力があります。 あと憎しみから愛情に変化する決定的な分岐点がない描写の仕方が好きです・・・別の色を少しずつ垂らして色を変えていくようなじわじわ侵食していく感じが好きです。
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半世紀近く生きたおじさまがまぁ素直な子で!!! 嬉しくて目が治っちゃって、それに落胆してまた死のうとしてるのが面白かった。 自分の単純さに辟易してるんだろうなーww 不幸しか知らないから未来が怖くて仕方ないって思考形態は可愛いとは思うけど、めんどくさいよ!!!
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ごく普通の会社員と、できる風に見えて、かなり真っ黒なおじさまのお話。 木原さんの作品は萌えとかその以前に人間の怖さや弱さを強く感じてしまい、大好きなのに読み進めるにつれ胸や胃が重くなっていくような印象があります。 これはまさにその代表であるように感じます。 裏表紙のあらすじからだ...
ごく普通の会社員と、できる風に見えて、かなり真っ黒なおじさまのお話。 木原さんの作品は萌えとかその以前に人間の怖さや弱さを強く感じてしまい、大好きなのに読み進めるにつれ胸や胃が重くなっていくような印象があります。 これはまさにその代表であるように感じます。 裏表紙のあらすじからだけでは分からないことが沢山あるのでぜひ読んでいただきたいですが、かなり読む人を選ぶと思います。 ストーリーは面白かったのですが、冒頭から中盤にかけて丁寧に進んでいた話が、後半から読者の追いつけないスピードで展開したように感じます。ある意味これも異常性? 最後の最後まで、良くも悪くも誰にも感情移入できない作品でした。
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「つまらない」ことはなかったけれど、 どこにも共感できる部分がなかったというか・・・心を動かされるものがなかった。 最初に関係を結ぶに至る経過も、後半、男を世話していく経緯も無理がありすぎ。 そして、受けも攻めも相手に気持ちを傾けていく流れが不自然というか、全く理解不能。 私...
「つまらない」ことはなかったけれど、 どこにも共感できる部分がなかったというか・・・心を動かされるものがなかった。 最初に関係を結ぶに至る経過も、後半、男を世話していく経緯も無理がありすぎ。 そして、受けも攻めも相手に気持ちを傾けていく流れが不自然というか、全く理解不能。 私にはハードルが高すぎたんかね。
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魔性のおじさま、すげぇ。一筋縄じゃいかない。心の闇はない、と言う柴岡の言葉が奈落の底を思わせる。平常時から闇の中にいれば、それがその人の普通になるわけだ。その闇を纏って生きている人間のオーラに読んでいる間、引きずられそうになった。そして、柴岡の台詞の抑揚が頭の中で再生されてしまう...
魔性のおじさま、すげぇ。一筋縄じゃいかない。心の闇はない、と言う柴岡の言葉が奈落の底を思わせる。平常時から闇の中にいれば、それがその人の普通になるわけだ。その闇を纏って生きている人間のオーラに読んでいる間、引きずられそうになった。そして、柴岡の台詞の抑揚が頭の中で再生されてしまうのが止められなかった。 柴岡の得体の知れなさが際立っている。名前ではなく「男」として書かれる彼の行動の先の読めなさ感、何を考えているのか台詞を読んでも読み取れない感じ、不気味でしょうがない。柴岡の言動全てがミステリアスと言うよりホラーだ。 風呂に入れてやる、とか、食事の世話をしてやる、と言う「まるで何も出来ない子供を世話するような」状況が必然となってしまう関係性って…そそるんだよなぁ、それがホントお上手なんだよ、木原さん!!世話している方は義務感で、それを楽しめてない、と言うのが凄い萌えるんだよ…そこからの逆転が予想されるのと、人間関係はギブ・アンド・テイクで平等であるとか、片一方ばかりが搾取されるのはいけないとか、そう言う理想論派どうでもいい、私のように自己中心的な人間は、一方的に与えられないと相手を心底信用できないし、そこまでして貰えてやっと、相手に少しくらいは返そうと言う気になる。こう言う幼稚な精神構造をしている人間にとって、木原さんが描く二人の関係性はある意味でりそうなのだ。 日高さんの挿絵じゃなかったら、かなりキツいんじゃないかこれ、とも思う。骨格から皮膚の感じから年齢を描き分けられる作家さんってそう多くはないから。柴岡の年齢を妥当に表現出来てなければ、不気味さ通り越して気持ち悪くなるかもしれないのだ、それを柴岡に相応な絵柄で描かれていたので素晴らしかった。木原作品は挿絵の選択肢が絶妙だな、って思う。木原さんの方からオファーを出しているのか、出版社からオファーを出して決まるのかその辺不明だが、どちらにしても作品を邪魔しない最適な絵師さんが選ばれている。
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殺してくれないか …あとは、海でも山でも適当に捨てればいい。 帯にそんなことが書いてあるBL小説はあまりないと思います。 どの場面でこんな台詞が……と思いながら読み進めました。 木原先生の作品だからまあ重かろう痛かろうとは思っていたんですが、今作はなかなかどぎつかったです。 読むのが辛くて何度か本を閉じそうになりました。 さすがに今回はバッドエンドかもしれん、などと思いながら、それでも最後まで一息に読みました。 小さな救いはありました。 だけどこの先どうしようもないだろうな……とも思いました。 読了後の余韻が重たくて上手く寝付けず、翌日もページをぱらぱらめくりながら二人のことを考えていました。 これだから木原先生はやめられねえぜって感じです。
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