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ロスト・トレイン の商品レビュー

3.7

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2022/09/11

少しだけ不思議なファンタジー。 居場所に疑問を抱いていた人たちの、自問自答の旅と言ってもいいか。 主人公がラストにヘタレっぷりをみせてしまったので、少し評価は低め。それでも、話自体は面白く、読みやすいので星は3つとした。

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2017/03/02

たまたま手に取った雑誌の記事を読んで廃線跡に興味を持った牧村。そんな彼は廃線跡を見にいった先で出会った鉄道マニアの平間老人と、世代を超えて友情で結ばれることとなります。ところが平間は、始発駅から終着駅までたどれば奇跡が起こると廃線マニアのあいだでまことしやかに語りつがれている「ま...

たまたま手に取った雑誌の記事を読んで廃線跡に興味を持った牧村。そんな彼は廃線跡を見にいった先で出会った鉄道マニアの平間老人と、世代を超えて友情で結ばれることとなります。ところが平間は、始発駅から終着駅までたどれば奇跡が起こると廃線マニアのあいだでまことしやかに語りつがれている「まぼろしの廃線跡」のことを牧村に話してから間もなく、消息を絶ってしまいます。彼はどこへいってしまったのか?彼の手がかりを追って、テツ仲間だという菜月とともに東北へ向かうのですが…。

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2016/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

廃線跡を巡るちょっとした冒険譚。 パートナーである倉本さんが、無邪気なようでいて狂気を秘めており、それが終盤なんだか唐突に姿を現すので、前半の話が全部吹っ飛んでしまった。 なんだろう、もうちょっと伏線というか、予兆のようなものが欲しい。 何かを手に入れようとする「ぼく」と、何かを捨てにきた倉本さんの対比というか。 捨てることをひとまず先送りにした倉本さんに対して、「ぼく」の方にそれに対応する何かが足りない。 お互いに何かを先送りをしてバランスが取れるんじゃなかろうか。上手く言葉にできないけれど。

Posted byブクログ

2014/08/17

「平間さん、今、幸せですか? 」 小河内線の廃線跡でたまたま知り合った平間さんは「ぼく」にとって鉄道を通じ、年齢差を超えて語り合える人となったが、その平間さんがあるとき突然失踪する。平間さんがかつてネットで話題になった「まぼろしの廃線跡」を訪ねて消えたという確信を得た「ぼく」は...

「平間さん、今、幸せですか? 」 小河内線の廃線跡でたまたま知り合った平間さんは「ぼく」にとって鉄道を通じ、年齢差を超えて語り合える人となったが、その平間さんがあるとき突然失踪する。平間さんがかつてネットで話題になった「まぼろしの廃線跡」を訪ねて消えたという確信を得た「ぼく」は、旅行代理店に勤め同じように平間さんと鉄道を通じて友情を結んだ「鉄女」の菜月とともに、かつて東北に存在したという草笛線の廃線跡に平間さんの行方を追う。だが、そこで二人が見たものとは…。  廃線マニアは「禁断のテツ」だ。廃線はたとえそこにレールが残っていようとも、基本的には廃線だからいくら待っても現実にはそこに列車は来ない。だが「来ない故に待つ」というレールに寄せる熱い思いは逆にそのまぼろしの列車を呼んでしまうということがあるのではないか。  仮にそんな列車が目の前に着いたとして、現実の世界で自分の居場所を失った者が自分を「ここではないどこか」へ運んでくれる鉄道に自身の人生を委ね、ここではない場所を求めてその列車に乗ってしまうことは確かに考えられる。鉄道に特別な想いを抱くものならばなおさらのこと。平間さん然り。菜月然り。それが二度と戻っては来れない旅とわかってはいても。  同時にだからこそ、草笛線の駅伝言板に残された平間さんの言葉に絶句し、ロストトレインに乗ったまま自分の本当の居場所を求めてとうとう最後まで降りることをしなかった平間さんの覚悟を想う。自らの意思で列車に乗り戻らなかった人たちは果たして何処へ向かったのか?物語はミステリアスなファンタジーの様相を呈して意外な結末へ進んでいく。このクライマックスはちょっとジブリ的だ。  廃線に列車は来ない。いくら待っても。でも来ないからこそそこにはロマンがある。ロマンはロマンのままに。廃線跡で仮に列車を呼び寄せてしまっても、決して乗ってはならない、と自分は思う。それはやはり現実逃避でしかない。「居場所がなければつくればいい」という「ぼく」の言葉は現実的だがまっとうなのだ。 平間さん、今、幸せですか?

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2014/03/09

不思議な気分になるお話。 日常にありそうで、でも非日常。もしかしたら本当に実際その辺に転がっていそうな不思議な話。 別世界への憧れは、誰しも少なからず持っているであろう気持ちだけれど、そこへ行くか行かざるか、それに焦がれて焦がれてそれでも大事なものはなんなのか。漠然と、でも確かに...

不思議な気分になるお話。 日常にありそうで、でも非日常。もしかしたら本当に実際その辺に転がっていそうな不思議な話。 別世界への憧れは、誰しも少なからず持っているであろう気持ちだけれど、そこへ行くか行かざるか、それに焦がれて焦がれてそれでも大事なものはなんなのか。漠然と、でも確かに、私たちの心の中に草笛線は存在している。

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2014/02/17

読み終わって思い出したのは栗本薫の『時の石』と『魔都』、まあ構成的には逆バージョンではあるんだけど。 とりあえず作者の意図はわからんでもないんだがヒロインの関係性が微妙すぎてラストのアレはちょっと唐突だったよなあと、ま完全にハッピーエンドと言い難いラストは嫌いじゃないんだけど。

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2014/09/07

 多くのことが下調べしてあるのに、それが物語の邪魔になっていないのがすごい(鉄道の知識がなくても楽しめる)。  影響関係が正確にわからないのに比べるのもアレだが、話の雰囲気としては恒川光太郎に似ていると思う。異界ものだけど、ラノベっぽくないところとか(すいませんラノベ殆ど読んだ...

 多くのことが下調べしてあるのに、それが物語の邪魔になっていないのがすごい(鉄道の知識がなくても楽しめる)。  影響関係が正確にわからないのに比べるのもアレだが、話の雰囲気としては恒川光太郎に似ていると思う。異界ものだけど、ラノベっぽくないところとか(すいませんラノベ殆ど読んだことないのでイメージです)。  恒川光太郎の作品は、(同じような下調べや自然知識、民俗学的な知識がありつつ)人間の不気味さみたいなものが読後に残るけど、『ロスト・トレイン』は自然の底知れなさみたいなものが心に残った。  その底知れなさとか不思議さと、「(森に続く)鉄道のレール」というモチーフ、賢治作品への言及などが上手く合っていた。私はそこが面白かった。  ラストは賛否が分かれる気がする(現実世界に居場所があると感じる/感じないは本人の捉え方、思い出の解釈にも拠るし…)。  『天使の歩廊』も読んでみよう。 (13/10/2~4)

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2013/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本のどこかに、誰も知らない廃線跡がある。それだけでもロマンチックな物語りです。主人公の牧村と平間という父親に近い年齢の男性との出会いから、2人が会う吉祥寺の居酒屋「プラットフォーム」の名称がまた魅力的です。昔、門前仲町に「寄港地」という喫茶があり、「憩う場所として」素晴らしい雰囲気でした。それを懐かしく思い出しました。そして平間から鉄道について詳しく教えられ、平間の失踪後、その謎を解き明かしていく過程、そしていよいよ草笛線への旅・・・。非常に幻想的なファンタジーとも言うべき内容なのですがリアリティがあり、絵空事には感じません。平間の紹介で会う若くて明るいテツの菜月のキャラクターもまた魅力的でした。ぜひ映画化して欲しい作品です。

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2013/07/07

特に後半にかけて、とても不思議な話だなぁと思いました。 出てくる登場人物ほとんどが好い人だったのが良かったです。 ただ、最後は少しあっさりしすぎと思いました。

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2013/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 謎の残し方がいい感じでした。廃線の謎は明かされるものの、その後の新たな謎とのバランスが好き。  背表紙の返しに書いてあったけど、影のある文体(だったかな)がとても心地よい文章でした。  「奇跡」がちょっと唐突だったかなぁ。

Posted byブクログ