北海道 化石としての時刻表 の商品レビュー
古い時刻表をもとにした記載は大変興味深く読めた。最後の北海道の駅紹介は、読みやすさの点で普通に書いてもらった方が、個人的にはよかったと思います。
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1985年生まれの大学院生が書いたこの本。単なる時刻表マニアではない、若いが正確な歴史認識と想像力を兼ね備えた人物による、北海道の鉄道史。 本人が八戸出身で大学が札幌であったことから、本の最初の章が「津軽海峡越境」で始まるのも嬉しい。文中で触れられるエピソードがまた面白い ・...
1985年生まれの大学院生が書いたこの本。単なる時刻表マニアではない、若いが正確な歴史認識と想像力を兼ね備えた人物による、北海道の鉄道史。 本人が八戸出身で大学が札幌であったことから、本の最初の章が「津軽海峡越境」で始まるのも嬉しい。文中で触れられるエピソードがまた面白い ・最初の北海道:本州の鉄道連絡船が、実は室蘭・青森間に始まったこと。 明治37年頃にはまだ札幌からの鉄道は室蘭停まり。函館本線の開通までは、鉄道連絡船は室蘭:青森(途中で函館にも寄航)であった。 ・太平洋戦争中は、軍事機密となった連絡船の運行時刻が時刻表から消えた。 函館山は明治以降、全山軍事要塞だったので、立ち入りはおろか、詳細の地形図作成も禁じられていた。戦時中は連絡船も「爆撃」の恐れありで、時刻表は掲載不可。著者は東北線・函館線の列車の連絡から、幻の「連絡船」時刻表を推理しているが。 ・函館始発の超長距離鈍行列車が大正12年、函館・根室間に存在。運行時間なんと29時間! などなど、鉄道フリークならずとも楽しくなるような、貴重な話題が満載。
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