「嫌消費」世代の研究 の商品レビュー
若者の「買わない心理」を、日本における世代論の概念の整理からかなり丁寧に切り込んだ一冊。 …ちょっと丁寧過ぎたかもしれない。 ハイパーアカデミックです。 そもそも世代とは、世代論とは、それぞれの考え方とは、 などなど。かなりのそもそも論から全部載せの一冊なので、 手っ取り早くネ...
若者の「買わない心理」を、日本における世代論の概念の整理からかなり丁寧に切り込んだ一冊。 …ちょっと丁寧過ぎたかもしれない。 ハイパーアカデミックです。 そもそも世代とは、世代論とは、それぞれの考え方とは、 などなど。かなりのそもそも論から全部載せの一冊なので、 手っ取り早くネタ探し、という目的にはそぐわない。 一度、このくらいのそもそも論も読んでおいた方がいいと、 個人的には思ったのでそこはよかったんですけど、 最終的に、嫌消費世代ってどんな人たちなのか、 ぼんやりとした考察と、ちょびっとの打ち手の紹介に終わっているのが、 評論的というかアカデミックというか。 考える出発点としての知識の地肩はついたかな。 読了までかなりの労力を要しましたけど・・・
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「クルマ・家電・海外旅行」を買わない今時の若者、の話を聞くけどそれホント?というギモンに、一定の解釈をしてくれる。世代の共通体験に基づく感覚と消費性向のつながりは、?と言う気もするけど、世代の傾向が未来の市場予測になる、というのは納得。
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「クルマ買うなんてバカじゃないの?」のオビコメントが強烈な1冊。 本書が書かれた2009年11月時点での20歳後半の世代を「嫌消費世代」と定義して、 その特徴について論じられている。 また、経済だけではなく、人文学的な観点からの「世代論」についても歴史を遡って解説されてお...
「クルマ買うなんてバカじゃないの?」のオビコメントが強烈な1冊。 本書が書かれた2009年11月時点での20歳後半の世代を「嫌消費世代」と定義して、 その特徴について論じられている。 また、経済だけではなく、人文学的な観点からの「世代論」についても歴史を遡って解説されており、 共通した年齢のときに共通の体験をしていることが、その世代に共通する価値観を生み出すとしている。 共通の体験とは、嫌消費世代でいえば、年少期のバブル崩壊であり、少年期のオウム事件であり、阪神大震災であり、青年期の9.11である。 消費には顕示性が伴う、と本書では書かれている。 しかも、この「嫌消費世代」は、特に顕示性が強い、と分析されている。 それにも関わらず、消費をしないのは、 ・将来への不安 ・所得の低迷 などに加え、 「消費することが、周囲へマイナスのアピールとなる」からだ、とされている。 それを端的に表したのが、「クルマ買うなんてバカじゃないの?」というオビのコメントだ。 実際のところ、バブル崩壊以降、「節約しなさい」「モノは大事にしなさい」「環境を大切にしなさい」と言われ続けて育っているのだ。 なんでもかんでも買ってホイホイ捨てる人間は、「嫌消費世代」においては評価されない。 また、例えば、 「家を買って30年のローンが残っているけれど、大企業に勤めている」 という男性にプロポーズされたとする。 バブル以前であれば「魅力的」と映ったかもしれない。 しかし今では、 「大企業とはいえ将来は安泰ではない。なのに30年分も借金を背負っている男性と結婚なんてできない」 と感じる女性だって少なくないのではないだろうか。 このように、世代観というのは、数十年をかけて形成されていく。 今の子供たちには、どのような世代観が育っているのだろうか。
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若者の消費行動が減っている要因を分析。 1)終身雇用が崩壊 →将来の収入の見通しが立たない。 2)「ゆとり教育」で育ち、「就職氷河期」を経験。 →自信喪失&他人の評価を気にする&その裏返しの上昇志向 結果、 収入の減少リスクに備えて明確な目的のない貯蓄を行い、 高額の耐...
若者の消費行動が減っている要因を分析。 1)終身雇用が崩壊 →将来の収入の見通しが立たない。 2)「ゆとり教育」で育ち、「就職氷河期」を経験。 →自信喪失&他人の評価を気にする&その裏返しの上昇志向 結果、 収入の減少リスクに備えて明確な目的のない貯蓄を行い、 高額の耐久消費財の購入は①そもそも高額耐久消費財自体が「かっこいい」ものではなくなった、②耐久消費財を買って周りにバカにされたくない。というような心理的な問題から行われなくなってきていると分析。 全部がその通りと素直に受け入れられない感じはありますが、 別ソースで聞いている話と部分的にはつながるところがあるので、 データー集として面白い本でした。
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マーケティング会社社長の松田久一さんの本。 著者は56年生まれだから、今年で55歳になられる方。 バブル後世代と名付けられた80年前後の世代の消費思考が「嫌消費」と名付けられ、様々な世代的な環境から消費意向が低い事を解説。 マーケティング要素ももちろん強いが、どちらかと言うと比...
マーケティング会社社長の松田久一さんの本。 著者は56年生まれだから、今年で55歳になられる方。 バブル後世代と名付けられた80年前後の世代の消費思考が「嫌消費」と名付けられ、様々な世代的な環境から消費意向が低い事を解説。 マーケティング要素ももちろん強いが、どちらかと言うと比較文化論の様に思った。 「売って行くために、この世代を攻略するぞ」という意気込みよりも、「読み物として面白い、世代論」という読後感でした。 将来的な賃金見通しの低さや将来の社会への不安感から消費意向が弱まるという趣旨でしたが、何故そのマインドになるのかの説明が弱く感じたために、ストーリーでの説得に感じました。 僕自身がその世代に完全に該当するため、ターゲットの気持ちには賛同できるのですが、小峰先生の人口オーナスのようなその状態がなされたロジックがあると活かしやすいと思います。 細分化されきったマーケットにはメリットは無いという言い切りも素晴らしいと思いましたが、ぜひ佐々木俊尚さんなどと対談していただきたいな、と思います。 非常におm
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ネットのレビューを見て、読んでみる。昔の話だから、詳細な内容は覚えていないけど、何ゆえ若者が消費をしないかを、論理的に説明をしていたと思いました。
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以前読んだ本で引用されていたので読んでみました。 恐らく「嫌消費」世代という名前を提出した最初期の書物ではないかと思います。バックデータを統計学的に処理した結果を元に、現在の事象に傾向付けを行っていますが、一般向けの書物なので生データは掲載されていません。そこら辺の分析が正しい...
以前読んだ本で引用されていたので読んでみました。 恐らく「嫌消費」世代という名前を提出した最初期の書物ではないかと思います。バックデータを統計学的に処理した結果を元に、現在の事象に傾向付けを行っていますが、一般向けの書物なので生データは掲載されていません。そこら辺の分析が正しいか間違っているかは検証する術が無いので、まあ自分の実感と比較して判断するしかないのかな?と思います。 それよりはむしろ「世代論」にまつわる文章のほうに興味を持ちました。個人的にはずっと「世代論」なるものを、論者の都合のよいところで区切って特徴づけをした、多分に便宜的なもの、と考えていましたので、そうではないよというところから組み立てられた世代論ついての文章にはそれなりの説得力を感じました。これから何冊か「世代論」に関する本を読んでみようと思います。 で、最後に本書は「嫌消費」世代をどう攻略するか、というマーケティング上の戦略を指南する訳です。まあ物を買ってもらわないと経済が回らない、税収が上がらず日本は大変、というのは良く分かりますが、一方でエコロジーとか成熟市場とか言われている今後の日本では、世代論を超えて「必要なものしか要らないよ」というるライフスタイルの傾向が強まるんではないの?と自分なんかは感じるのだがどうなんでしょうか。データの分析方法次第では、世代による価値観の違いもさることながら、世代を超えた新しい価値観の形成、なんてものも見えてくるのではという気がします。そんなことを考えるキッカケの1冊。
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時代の変化で、人はこうも変わるのかと、思いを新たにしました。人はつねに変化します。となると、自分も変化していかねば対応できない。
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自分はドンピシャ世代。嫌消費ではなく嫌浪費と言ってほしい。一昔前の中身のない浪費思考が異常だっただけで、身の丈に合った消費行動のほうが余程理に適ってると思うのは私だけ? さらに、昔の浪費のツケを払わされるのは私達なんだから。近頃の若者は消費しないなんて上の世代に言われても「そりゃ...
自分はドンピシャ世代。嫌消費ではなく嫌浪費と言ってほしい。一昔前の中身のない浪費思考が異常だっただけで、身の丈に合った消費行動のほうが余程理に適ってると思うのは私だけ? さらに、昔の浪費のツケを払わされるのは私達なんだから。近頃の若者は消費しないなんて上の世代に言われても「そりゃ誰のせいだよ」ってことになるんですが。 もちろん著者はそれをわかっているのだと思うけど、タイトルのネーミングが少し引っかかった。書いてあることは実感通りで、綿密なリサーチのもとに理論を展開されていることも伺えます。
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消費をしない世代が台頭している理由を世代論に沿って解説している。印象論に依らず、また世代論を盲信せず、世代論を説いてきた内外古今の思想家や、世代論登場の時代背景も慎重に踏まえながら、現代社会に世代論を援用している点で、非常に参考になった。嫌消費の問題のみならず、社会学的な研究方...
消費をしない世代が台頭している理由を世代論に沿って解説している。印象論に依らず、また世代論を盲信せず、世代論を説いてきた内外古今の思想家や、世代論登場の時代背景も慎重に踏まえながら、現代社会に世代論を援用している点で、非常に参考になった。嫌消費の問題のみならず、社会学的な研究方法を学ぶ者にとっては有益だと思われる。
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