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独学のすすめ の商品レビュー

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32件のお客様レビュー

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2017/12/04

自主的に学ぶ姿勢があれば、十分に学べる環境が今は整っている。しかし、大学の増加や教育系書籍などの充実にも関わらず、学生の学習欲は低い。大学生である私自身、それは感じる。しかしみんな総じて良い企業への就職を望んでおり、就活への情報へは敏感だ。 問題は学生ではなく、このような環境を作...

自主的に学ぶ姿勢があれば、十分に学べる環境が今は整っている。しかし、大学の増加や教育系書籍などの充実にも関わらず、学生の学習欲は低い。大学生である私自身、それは感じる。しかしみんな総じて良い企業への就職を望んでおり、就活への情報へは敏感だ。 問題は学生ではなく、このような環境を作り出した社会であると思う。学問をしても、将来に繋がらない、評価されないという社会では、学生が学習のみに力を注ぐのは難しいというのは当然ではないだろうか。 日本が英語ばかりに夢中になって他の言語への分配がないが故に情報が遅いというのは日本社会の問題かなと思った。中国語はまだましだが、ロシアは北方領土問題などで日本にとって重要性の高い国にも関わらずロシア語は大学では極めてマイナー言語の位置付けである。 著者の意見は現在でも十分に通じる最もな指摘であると同時に、今になっても依然として変化のない残念な日本社会を浮き彫りにしている。

Posted byブクログ

2017/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私は高校を中退し、そのあとは浪人中と言いつつろくに受験勉強をせず、自分の興味のあることを自分で勉強している、他人から見たところの馬鹿者だ。 だからこそ本書を導かれるようにして手に取った。 本書は、私のような人間にはあたたかいエールのような存在である。 『かんがえようによっては、学校というものは、「独学」では勉強することのできない人たちを収容する場所なのだ、といえないこともあるまい(23ページ)』と、世間的には極論ともとれる意見を書いていらっしゃる。 しかしこの意見も、著者が『創造性というもの』という章で書いていらっしゃる、「常識を疑い、新しい観念を生み出すこと」の偉大なるお手本として私は受け取った。 学校へ行って、受動的になにかを教わって、成績や偏差値といった数値をラベルシールのようにはりつけられて、それによって今後の進路を決めることが、ほんとうに自分の人生にとって正しいことなのか。 さまざまのことを考えさせられる文章だった。 外国語の勉強に関する章だったり、創造性をはぐくむ教育についてだったり、1974年に書かれたことであるのに、今にもその主張が通じてしまうのには少しばかり胸が痛む。著者が声を上げてきたものの、実際の日本はあまり変わっていないということではなかろうか。とくに著者が批判する「英語優位」の風潮は近年高まりを見せている気がする。 著者の意見で、いいと思ったところは自分から取りいれていく。そうすることで、まずは自分の周囲から影響を広げていけたらいいなと思う。

Posted byブクログ

2016/09/06

みんな独学で勉強できる。でも独学がしにくい人々のために学校がある。なるほどと思いました。日本人の知識へのあこがれ、そして知的な人への思い入れ、半端ではないですねw。稽古ごと、各種スポーツなど月謝を払って学ぶ人口2~3000万人、たぶん2,3歳から90歳ぐらいまで~!そして、読書と...

みんな独学で勉強できる。でも独学がしにくい人々のために学校がある。なるほどと思いました。日本人の知識へのあこがれ、そして知的な人への思い入れ、半端ではないですねw。稽古ごと、各種スポーツなど月謝を払って学ぶ人口2~3000万人、たぶん2,3歳から90歳ぐらいまで~!そして、読書とは、他人の経験の共有、著者の経験を受け取ること、けだし名言だと思います。また、日本人共通の物語や落語の素養、いわば教養のようなものもありますね。これからも大切にしたいです。加藤秀俊 著「独学のすすめ」、1975.4刊行です。

Posted byブクログ

2016/08/06

学校制度ができる以前は、独学により知識を得ることが普通だった。またICTが発達した現代ほど、独学の環境に恵まれた時代はないことは疑いようがない。現代は、様々な媒体に登載されている文献やその他資料から、容易に他者の経験を自由に盗むことができる。また過去を歴史を紐解けば、庶民はそうし...

学校制度ができる以前は、独学により知識を得ることが普通だった。またICTが発達した現代ほど、独学の環境に恵まれた時代はないことは疑いようがない。現代は、様々な媒体に登載されている文献やその他資料から、容易に他者の経験を自由に盗むことができる。また過去を歴史を紐解けば、庶民はそうした環境に置かれてはいなかった。この意味に限っては、今ほど素晴らしい時代はないと感じる。本書の結論は、あまりにも当たり前過ぎることではあるが、あとは自分自身が独学を推し進める気を持ち、知的好奇心を持ち続けられるかどうか、ということだった。

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2016/07/22

大学や学生に嫌気がさしてる感じ、心からそうだなぁと思うのです。「官僚に面白い奴いない」「学校は自学できない人の救済措置」「主婦本読まない」とか、1974年に書かれたというのに今と全然変わらない。教育制度のルーツや実在する人物の事例なども興味深いです。

Posted byブクログ

2016/01/11

社会学者の加藤秀俊が、雑誌『ミセス』に1974年に「教育考」という通しタイトルで連載し、1975年に単行本で発刊、2009年にちくま文庫から復刊されたものである。 連載当時小学生だった私の母がこれを読んでいた可能性があるくらい昔のものであるが、書かれていることは不思議なほど古さを...

社会学者の加藤秀俊が、雑誌『ミセス』に1974年に「教育考」という通しタイトルで連載し、1975年に単行本で発刊、2009年にちくま文庫から復刊されたものである。 連載当時小学生だった私の母がこれを読んでいた可能性があるくらい昔のものであるが、書かれていることは不思議なほど古さを感じさせず、普遍性をもった考えが書き綴られている。 「「独学」とは、主体的に学ぼうとする姿勢のことのほかならない」 「教養だの知識だのを、高い価値をもつものとして尊敬する思想・・・日本という国、あるいは日本文化は「知性主義」によってつらぬかれているのである」 「意欲ある人生を送ることのできる人間~そういう人間をつくることが教育の使命」 「ひとは、理想をみずからつくり、その理想によって生きるのだ」 「じぶんで「問題」をつくり、かつ解くこと~それこそが精神の自律性というものである」 「学問といい、教育といい、そこで人間が目標とするのは、多面的な人間像であろう。・・・オーケストラの指揮のできる首相だの、考古学的発掘をみずからこころみる実業家だの、といった、はばの広い大きな人物のいる社会は、ほんとうに学問だの知識だのがたのしく生きている社会なのではないか」等 使われている言葉は比較的平易であるが、書かれてはいることは、P.G.ハマトンが『知的生活』に記した、知的生活を送るための方法と本質的に同じである。 そうした生き方をした先達として、明治時代の博覧強記の博物学者・南方熊楠、チンパンジー研究の第一人者の英国人ジェーン・グドール、トロイの遺跡を発掘したドイツの実業家シュリーマンらについても触れている。 (2012年3月了)

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2013/05/19

日本の大学における流動性のなさに対して、かなり多くのヒントを受けた。変えたほうがいいと思えるし、変わって行くべきだろう。 海外のやってることが全ていいわけではないし、日本の全てが悪い訳ではない。 いろんな面において、無理のない、冷静な、断定的でない主張に好感が持てた。 著者は書評...

日本の大学における流動性のなさに対して、かなり多くのヒントを受けた。変えたほうがいいと思えるし、変わって行くべきだろう。 海外のやってることが全ていいわけではないし、日本の全てが悪い訳ではない。 いろんな面において、無理のない、冷静な、断定的でない主張に好感が持てた。 著者は書評の有効性についても述べていた。そして、最も大事にすべき評論家は知人だとも述べていた。良き評論家として在りたいものだと思わされた。 読むべき本は他にもあった。でも、読み始めると、本書以外を読む気にはならなかった。そういう意味でも求心力のある本だと感じた。 近々まとめたいと思う。

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2013/04/28

・「問題解決」よりも「問題つくり」のほうがずっと大事 自分で、何が「問題」なのか、その「問題」点をはっきりさせると、いったいどういうことになるのか、と考えること。その後、どうように解決するか考える。 ・一般的な「思いこみ」を破った思考によって問題解決にいたることを「創造」という...

・「問題解決」よりも「問題つくり」のほうがずっと大事 自分で、何が「問題」なのか、その「問題」点をはっきりさせると、いったいどういうことになるのか、と考えること。その後、どうように解決するか考える。 ・一般的な「思いこみ」を破った思考によって問題解決にいたることを「創造」という。 「創造的」な人間というのは、既存の思考枠を、いったん白紙にもどして、はじめから考えなおしてみることのできる人間のことである。 ・要するに、彼女のチンパンジーに関する世界的な業績は、彼女じしんの努力のたまものであり、彼女は「独学」によってその栄光をかちとったのである。 ・「教育」とは、一生続くものであり、その大部分は「独学」によるものだ

Posted byブクログ

2012/09/20

偉人といわれる人の多くは独学で業績をあげてきた。自分で学んでいく(独学)という積極的な姿勢があると本人も面白いし道は開けてゆく。おしつけの教育ではけして人は育たない。だから教育の目的は、やる気のある人を育てること。そして専門バカでない統合力のある人を育てること。

Posted byブクログ

2012/09/16

●読書とは他人の経験を正々堂々と盗むということ ●情報を選ぶことが、人生を選ぶこと →いい情報だけをじょうずに汲み込んだ人の人生は充実している。 どっちみち、一度しかない人生なのだから、それは充実したものであるにこしたことはない。 出来るだけ、いい情報を選んで、上手に生きたい ●...

●読書とは他人の経験を正々堂々と盗むということ ●情報を選ぶことが、人生を選ぶこと →いい情報だけをじょうずに汲み込んだ人の人生は充実している。 どっちみち、一度しかない人生なのだから、それは充実したものであるにこしたことはない。 出来るだけ、いい情報を選んで、上手に生きたい ●平凡な事務社員のジェインのチンパンジーに関する世界的な業績は、努力と「独学」によって。

Posted byブクログ