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川のある街 の商品レビュー

4.3

5件のお客様レビュー

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2019/01/20

なんというか、すごく清水さんっぽい観点と語り口。 中編小説、くらいの分量で読みやすい。正直に言うとラスト付近はちょっと泣いた。 いい作品。

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2016/11/15

帯文: ”名古屋市中心部を流れる堀川を主な舞台に、庶民の暮らし、台風との格闘を描く”  ”〈作者の言葉〉あの台風のとき私は小6で西区に住んでいました。その体験を柱にして物語に膨らませてみます。私と同年代以上の人には強烈な記憶が残っているので、あのとき自分はどうだったとか、もっとひ...

帯文: ”名古屋市中心部を流れる堀川を主な舞台に、庶民の暮らし、台風との格闘を描く”  ”〈作者の言葉〉あの台風のとき私は小6で西区に住んでいました。その体験を柱にして物語に膨らませてみます。私と同年代以上の人には強烈な記憶が残っているので、あのとき自分はどうだったとか、もっとひどかったなどと思い出されるでしょう。若い世代にはあの台風が名古屋の変わり目になったことを知ってほしい・・・”

Posted byブクログ

2011/05/14

伊勢湾台風の影響で、私の生まれ育った街も、 "高潮によって壊滅的な被害を受け"たそうです(p.184)。 確かに、街のあちこちに「伊勢湾台風水位標識」がありました。 ですが、「ただあるだけ」の記念碑のようになっていて、 当時の状況やその後の対策について教えら...

伊勢湾台風の影響で、私の生まれ育った街も、 "高潮によって壊滅的な被害を受け"たそうです(p.184)。 確かに、街のあちこちに「伊勢湾台風水位標識」がありました。 ですが、「ただあるだけ」の記念碑のようになっていて、 当時の状況やその後の対策について教えられたことがありません。 小説の冒頭でも触れられていますが、 近年は台風の大型化ならびに危機意識の希薄化が心配されています。 小中学生でも読みやすい作品になっていますから、 小さいうちから「川(・海)のある街にいる」という意識を持つため、 ぜひとも読んでおきたい、読ませておきたい作品だと思います。

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2010/01/26

○45そういう人間もおることを知って、いやがらずに受け入れたる。それが大人というもんなんだ。 ★親の立場で、適切な時にこういう助言をしてあげたいな。 ○186人間はこんな時には自然と人を助けたなる。 ★この道徳観が廃れなければ、大丈夫、でも実際はどうなんだろう??疑問だ。

Posted byブクログ

2010/07/01

+++ 名古屋市出身の作家・清水義範氏が伊勢湾台風の体験を基に書いた、中日新聞好評連載小説を単行本化。 名古屋市中心部を流れる堀川を主な舞台に、庶民の暮らし、伊勢湾台風との闘いを人間味あふれるタッチで描いています。主人公は小学4年生の丹羽正太、同級生伊藤良一とそれぞれの家族、担任...

+++ 名古屋市出身の作家・清水義範氏が伊勢湾台風の体験を基に書いた、中日新聞好評連載小説を単行本化。 名古屋市中心部を流れる堀川を主な舞台に、庶民の暮らし、伊勢湾台風との闘いを人間味あふれるタッチで描いています。主人公は小学4年生の丹羽正太、同級生伊藤良一とそれぞれの家族、担任教師池上玲子、消防署員猪飼真一ら街に暮らす人々。名古屋市出身の清水さんの体験が基になっているだけに、当時の生活感や価値観がたくみに著されています。名古屋弁がふんだんに用いられているほか、名古屋空襲、名古屋城再建の話も盛り込まれています。 +++ 名古屋出身の写真家・浅井慎平氏が、名古屋開府四百年を記念して映画を作る際、タイトル案を考えたことで、原作も、と乞われて書いたという経緯があるそうである。 現在の堀川をなんとか綺麗にしようと市役所の職員が地元の老人たちに助言を求める冒頭の場面から、昭和34年の伊勢湾台風の前後まで一気に時を遡り、通りぬけた台風の凄まじさと人の温もりを描いて、最後にまた元の場面に戻ったときには、言い知れぬ感慨に包まれた。街を愛する心、その街に住む人々を愛する心があたたかい一冊である。

Posted byブクログ