批判的主体の形成 の商品レビュー
田川さんがおそろしく長大な文章をさくさく読ませる能力の持ち主であることにまったく疑いはないわけだが、それと同時にわりかし密度の高い小品もすぐれている。この本はそれがよく出てて、増補がかなりあるこの版では、見ための抽象度の高さがきわめて具体的な加筆によってフォローされている。それな...
田川さんがおそろしく長大な文章をさくさく読ませる能力の持ち主であることにまったく疑いはないわけだが、それと同時にわりかし密度の高い小品もすぐれている。この本はそれがよく出てて、増補がかなりあるこの版では、見ための抽象度の高さがきわめて具体的な加筆によってフォローされている。それなりにまともにテクストを読める人なら、彼の生きてきた時代を共有していなくとも、言っていることはそれなりによくわかるはず。 とりわけ最後の「授業拒否の前後」がよい。矛盾をかかえた、かかえざるをえない闘争というもののリアリティが伝わってくる。これを読んで「何言ってるか分からん」でおしまいになさる方の人生にはもはや書物は不要でしょうから、お宅にあるテクストなんて片っ端から売り飛ばしてしまいなさい。
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後半の全共闘については、正直まったく理解できなかった 彼らが何と戦ってたのか、まるで分からない。世界的な「時代」だったそうだが 当時(1967〜1970)の大学進学率からすると、世間の理解も得られなかっただろう 大学は義務教育ではないし、私学なら尚の事、教育方針に反対なら他所に行くべき、と思うだけだ そもそもが明治の国策で作られた日本の大学に「自治」などあるはずもない 彼らがやるべきだったのは「大学を辞めて働いた金で自分たちの教育機関を作って好きなように運営する」だったのでは? 作者含めて根本的に勘違いしてたとしか思えない。50年前の話だけど、以後学生運動なんてあったのかしらん。大学行ってないから分からんけど
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