片耳うさぎ の商品レビュー
家庭の事情で、父親の実家である旧家に身を寄せることになった小学六年生の少女が、同級生のお姉さんと共に、旧家にまつわる謎を解明しようと奮闘する物語。 往年のミステリを彷彿とさせる、数多くの道具立てを用いることで、屋敷内の探索に緊迫感と不気味さを煽る効果を与えているところが面白いで...
家庭の事情で、父親の実家である旧家に身を寄せることになった小学六年生の少女が、同級生のお姉さんと共に、旧家にまつわる謎を解明しようと奮闘する物語。 往年のミステリを彷彿とさせる、数多くの道具立てを用いることで、屋敷内の探索に緊迫感と不気味さを煽る効果を与えているところが面白いですね。 ミステリと少女の冒険譚、成長譚を併せ持つ作品だと思います。
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古くて大きな屋敷が、訳もないのに幼心には怖いものに感じる。この感覚のわかる人は結構多いのではないか。屋根裏部屋や隠し部屋を巡るワクワク感がまた可愛らしい。そして、いざと言う時の強さも光る。
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’21年3月22日、読了。 面白かったです。大崎梢さんの小説は、書店員を主人公にしたシリーズが大好きで、他も何冊か読みましたが…今度のも、素敵なお話しでした。気軽さと、暖かさに満ちた小説。楽しんで読みました。
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本にまつわる物語が主体と思っていますが、基本的にはミステリー作家なんですよね。 古い屋敷、長年続いた旧家、因習や因縁や言い伝え。これらミステリーにふさわしい舞台装置に挑むのは小学生と中学生の女の子たち。思ったよりもほっこり系ではなく、本格推理を目指した作品です。 屋敷の見取り図が...
本にまつわる物語が主体と思っていますが、基本的にはミステリー作家なんですよね。 古い屋敷、長年続いた旧家、因習や因縁や言い伝え。これらミステリーにふさわしい舞台装置に挑むのは小学生と中学生の女の子たち。思ったよりもほっこり系ではなく、本格推理を目指した作品です。 屋敷の見取り図が最初に載っているので「あ、僕の嫌いなめんどくさい系だ」と思いましたが、気にしなければそんなにめんどくさい事はありませんでした。
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エピローグのワンシーンで雪子叔母さまの懐かしい思い出語りに落涙しました。解説にあるとおり「サザエさん風味の横溝正史作品」はよりリアリティを増す分怖さも楽しめました。
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結末もなんとなく予想できるし、後半にドタバタと展開していて特に謎解きという感じでもない しかし小学生の頃に知らない場所に行った時の不安とかワクワクなんかがうまく描かれていると思う ミステリーではなく、青春小説として読めば十分楽しい
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大崎梢さんの「片耳うさぎ」読了。主人公は小学6年生の奈都、都会を離れ、父の実家で過ごすことに。しかも、とんでもなく大きくて古い屋敷、気難しい祖父、口うるさい伯母と一緒に。「片耳うさぎ」をめぐる不吉な言い伝えが残る屋敷で、奈都の新生活は。。これまで読んできた書店員の探偵シリーズとは...
大崎梢さんの「片耳うさぎ」読了。主人公は小学6年生の奈都、都会を離れ、父の実家で過ごすことに。しかも、とんでもなく大きくて古い屋敷、気難しい祖父、口うるさい伯母と一緒に。「片耳うさぎ」をめぐる不吉な言い伝えが残る屋敷で、奈都の新生活は。。これまで読んできた書店員の探偵シリーズとは、ちょっと異なる「お屋敷ミステリー」でしたが、一緒に協力してくれるお姉さんのさゆりとのやり取りが面白く、楽しく読めました。忍者屋敷みたいでワクワクしながら子供の時の隠れ家作ったのを思い出しました。気になる方は是非♪
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小学生の奈都が好奇心旺盛な美人中学生さゆりとお屋敷とそこに住む人の謎に迫るお屋敷ミステリー。古い日本家屋に屋根裏への秘密の階段、いわくのありそうな兎のぬいぐるみに大伯母の出生の謎など最高の舞台装置が揃っている。ミステリお約束の呪いを教えてくれる近所のおばあさんも(笑。 ちょっと設...
小学生の奈都が好奇心旺盛な美人中学生さゆりとお屋敷とそこに住む人の謎に迫るお屋敷ミステリー。古い日本家屋に屋根裏への秘密の階段、いわくのありそうな兎のぬいぐるみに大伯母の出生の謎など最高の舞台装置が揃っている。ミステリお約束の呪いを教えてくれる近所のおばあさんも(笑。 ちょっと設定に無理があるんじゃないのかと思う部分もあったが読後感はよかった。お屋敷のからくりの説明なんかは説明がよくわからない部分があったかな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
父の事業が失敗し,父の実家に居候することになった小学六年生の奈都。父の実家は,「蔵波邸」と言われ,田舎では随一の大屋敷。奈都の父は,職探しのために実家にはいない。母親も,母方の祖母の具合が悪くなり,蔵波邸を離れてしまい,週末まで戻らないという。 奈都が蔵波邸で寂しい思いをしないように,友人の「ねえちゃん」である「さゆりさん」が週末まで一緒に過ごすことになった。 田舎が舞台であり,謎のおばあさんである「みやさん」が登場したり,蔵波家に不幸をもたらすという「うさぎ」の伝説があったり,うさぎについての童謡が存在したり,子供が主人公であるにもかかわらず,古き良き時代の日本の本格ミステリである横溝正史っぽさを演出している。 しかし,ストーリーがあまり頭に入ってこない。家族構成がややこしいのも原因だが,結局のところ,蔵波邸でどのような問題が起こっているのかが分かりにくい。火曜日の夜に,奈都とさゆりが屋根裏に忍び込み,屋根裏で謎の人物と鉢合わせになる。この謎の人物が誰かを捜査するという話があるが,この話に併せ,蔵波家に誰かが入り込み,悪さをしようとしていると,謎の老婆,みやさんが言ってくる。この部分が,あまりピンとこない。なぜか,大叔母である雪子がジャージ姿で探しものをしていたりするのだが…。 真相は,蔵波家に選挙で敵に回ってほしくない陣営が,過去の蔵波家のスキャンダルとなる手紙を探しており,蔵波家の人々も手紙を探していたというもの。その手紙は,奈都が昔,屋敷で手に入れたうさぎのぬいぐるみの中に隠されており,蔵波家の長男と八重子さんが結婚するのを恨んだ蔵波家の当時の次男である潔が当時の蔵波家の長男達を殺害したという告白が書かれた手紙だったという。ところが,真相は,潔は殺人をしたというよりは,見て見ぬふりをしていた程度と無理やりいい話にもっていき,奈都と一緒に過ごしていた一基といういとこは偽物 さゆりさんは,実は八重子さんのひ孫だったという展開。意外性を突こうとしたのかもしれないが,あまり伏線が生かされておらず,まとまりがない話という印象になってしまった。 大崎梢らしく,奈都,さゆりをはじめとしたキャラクターはそこそこ魅力的なので,もう少し話全体をうまくまとめればなかなかの秀作になっていたと思うのだが…。 ★3かな。
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最後の最後に主人公のキャラクターも急に変わるし、新事実がいくつもいくつも明らかにされてしまうし、勿体つけたような展開。 お屋敷の描写があまり現実感を伴わず、ミステリーの舞台としてはおぼろげ。 可もなく不可もなく、惹きこまれもせず。
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