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うらなり の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2013/09/21

『坊っちゃん』から百年、"うらなり"こと古賀を主人公に据えた物語 うらなりにとって坊っちゃんはどれほどの存在であったのか、『坊っちゃん』の読み方を考える作品だった。著者の創作ノートも興味深い

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2012/09/05

漱石の「坊ちゃん」に登場する同僚の英語教師“うらなり”。 ほんの少ししか登場しない、しかも登場しても影の薄い“うらなり”を主人公として彼の物語(「坊ちゃん」からそれ以後まで)を書こうという着想もさることながら、あくまでも「坊ちゃん」を尊重した(ゆえに読者にすんなりと受け入れられる...

漱石の「坊ちゃん」に登場する同僚の英語教師“うらなり”。 ほんの少ししか登場しない、しかも登場しても影の薄い“うらなり”を主人公として彼の物語(「坊ちゃん」からそれ以後まで)を書こうという着想もさることながら、あくまでも「坊ちゃん」を尊重した(ゆえに読者にすんなりと受け入れられる)ままで物語を描き切っているところがすごい。 本編も面白かったが、作者自らが解説をつける形で巻末に添えられた「創作ノート」も興味深かった。「坊ちゃん」をそう読むのかぁと思い、書棚へ「坊ちゃん」を探しに行ったが、実家に置いてきたようで見つけられず…残念。 ☆菊池寛賞

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2010/10/18

前日「坊っちゃん」を読んだのは、小林さんの「うらなり」を読むためだ。坊っちゃんの中でのうらなりは影が薄そうに見えるが、実は物語の後半で多々起きる事件のキーパーソンであることがわかる。うらなりの愚痴めいた邂逅が面白かった。

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2010/01/17

夏目漱石の坊ちゃんのその後。 薄くてすぐ読めるかなと手にとってみたものの、そういや坊ちゃんて読んだことなかったことに思いいたる。 それでも読めました。

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2009/12/09

「坊っちゃん」を「うらなり」の視点から描き、 その後の生活までも描いた良作。 その中でもやはり「坊っちゃん」と交差するシーンが凄い。 うらなりがまた脇役のうらなりに引っ込んで 主人公の「坊っちゃん」が一気に前に出る。 その瞬間の衝撃、背骨がびりびりする。 あの一瞬のために読み続...

「坊っちゃん」を「うらなり」の視点から描き、 その後の生活までも描いた良作。 その中でもやはり「坊っちゃん」と交差するシーンが凄い。 うらなりがまた脇役のうらなりに引っ込んで 主人公の「坊っちゃん」が一気に前に出る。 その瞬間の衝撃、背骨がびりびりする。 あの一瞬のために読み続ける価値がある。 蛇足だけれど私は著者を別の「信彦」氏だと思ってずっと読んでいて へー、あの信彦さんがこんな文章をかけるのか、と思っていた。 違う信彦さんのことだった。

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2011/07/18

30年以上も前にキネマ旬報に載るほんの1頁のコラムを毎月読んでいただけなのに、それだけで十分、小林信彦は私にとって最も信頼に足る批評家であり作家となった。帯に、『坊っちゃん』から100年、彼らのその後の人生は−とあるこの本、文春文庫、今月の新刊で手に取る。作者自身の創作ノートに「...

30年以上も前にキネマ旬報に載るほんの1頁のコラムを毎月読んでいただけなのに、それだけで十分、小林信彦は私にとって最も信頼に足る批評家であり作家となった。帯に、『坊っちゃん』から100年、彼らのその後の人生は−とあるこの本、文春文庫、今月の新刊で手に取る。作者自身の創作ノートに「愛すべき初期漱石作品へのぼくのオマージュ」とある通り、漱石の代表作『坊っちゃん』の世界と登場人物を借り、作者としての『坊っちゃん』の読み方を渋み溢れる文章で綴る。『坊っちゃん』は中学生の時に『猫』とともに読んだ記憶があるのだけれど、もはや後半の筋立ては怪しく、赤シャツだの野だいこだのマドンナなど登場人物の類型の鮮やかさだけが記憶の片隅に残る程度。「うらなり」もまた、その聞き慣れぬ響き故か赤シャツなどと同等に記憶されているが、創作ノートを読んで改めて知るのだけれど、その登場回数の少なさに驚く。そうしたところを押さえながら、漱石の雰囲気を壊さず、うらなりの視点から彼らのその後を描く着想には脱帽。創作ノートが非常に興味深かった。

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