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ぼくたちが聖書について知りたかったこと の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2011/05/01

 旧約、そして新約聖書へ。ユダヤ教からいかにしてキリスト教がうまれ、どのようにして拡がっていったのかということ。聖書を綴るヘブライ語、この言葉がもつ「過去形がない」という独特の性質のこと。その背景になったと思われる、砂漠の気候について。あるいは、聖書の不変性がどこからやってきたの...

 旧約、そして新約聖書へ。ユダヤ教からいかにしてキリスト教がうまれ、どのようにして拡がっていったのかということ。聖書を綴るヘブライ語、この言葉がもつ「過去形がない」という独特の性質のこと。その背景になったと思われる、砂漠の気候について。あるいは、聖書の不変性がどこからやってきたのかということ。朗誦によって、一言一句たがわず語られることこそが肝心であるとされた聖典、祭祀のありかた。イスラムにおける厳格な食事の既定、安息日にしてはならないとされること。あるいはユダヤ人とはどういう存在なのかということ。  聖書学の秋吉輝雄教授と池澤夏樹氏の対談をまとめた一冊。宗教や信仰についての本ではなく、聖書という書物とそれをめぐる歴史、文化についての本です。  まったく聖書に関する知識のないところから読み始めるとして、丁寧に読み解いていこうとすると、やや難解かも。けれど、じっくり読むと、とても興味深いです。  わたしの場合は、聖書そのものについての関心を満たすというよりも、どうしてこういう書物が生まれて、ほとんど内容のかわらないまま、何千年ものあいだずっと読み継がれてきたのかということ、その背景や、あるいは根源にあるものに、思いをめぐらせることそのものが、とても面白かった。  その土地の、気候や風土が、その民族の言葉を育む。その言葉の性質や暮らしのあり方が、聖典や信仰のあり方を形作る。世界を、人々を形作る、数え切れない要素。気候、風土、生態系、食文化、信仰、言語、文字、伝承、規範、技術、発明、歴史。民族のメンタリティと、そのメンタリティを作った土台、環境。  世界のつくりというものは、とても緻密で、複雑で、多様で、因果の糸が絡まりあっていて、一人の人間の頭では、とても理解しきれるものではない。ないのだけれど、その一端を垣間みたと思うときの、その感覚が好きです。

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2010/10/30

聖書とはいったいなんなのか、何がかかれているのか、どんな書だったのか、そんな僕たち日本人の疑問に正面から取り組んだ秀作。

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2010/08/13

聖書がなんなのか、いつかきちんと向き合いたいと思った。 ユダヤの歴史、そしてキリスト教のひろがり それを伝え広める人々の軌跡が聖書なのではないかと。 キリストの中に、人々の息遣いを感じる世界のベストセラーは 一生のテーマです。

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2010/07/11

芥川賞作家である著者と、旧約聖書、ヘブライ語、古代イスラエル宗教思想史の研究者である秋吉輝雄氏の対談集です。 歴史・民族・文化・言語・思想・思考法など、いろいろな切り口から、聖書の成り立ちを語り、イスラエルとは何か?ユダヤ人とは何か?を解き明かしてくれます。旧約聖書とユダヤ教が話...

芥川賞作家である著者と、旧約聖書、ヘブライ語、古代イスラエル宗教思想史の研究者である秋吉輝雄氏の対談集です。 歴史・民族・文化・言語・思想・思考法など、いろいろな切り口から、聖書の成り立ちを語り、イスラエルとは何か?ユダヤ人とは何か?を解き明かしてくれます。旧約聖書とユダヤ教が話題の中心で、かなり専門的なお話もあって、理解しにくい部分も多々ありましたが、これまで読んできた入門書の類とはまた違った視点で、聖書の奥深さを知ることができました。 ヘブライ的なものの考え方とヘレニズム的なもの、その思考法がかなり異なるということには驚かされましたし、国を持たないユダヤ人が、何千年ものあいだユダヤ人であることのアイデンティティーを保ってこられたのはどうしてなのか?そのあたりのことが、ちょっとわかったような気がします。

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2010/04/13

八百万の神とフレンドリーな日本人にとっては、欧米人の信ずるキリスト教、ましてや、ユダヤのことに関しては、想像を絶する世界である。 そんな素人が読む入門書として相応しい一冊である。 素人の役回りが池澤夏樹氏、日本人にとってミステリアスな世界の疑問点について比較宗教学の権威である秋吉...

八百万の神とフレンドリーな日本人にとっては、欧米人の信ずるキリスト教、ましてや、ユダヤのことに関しては、想像を絶する世界である。 そんな素人が読む入門書として相応しい一冊である。 素人の役回りが池澤夏樹氏、日本人にとってミステリアスな世界の疑問点について比較宗教学の権威である秋吉輝雄氏に聞きながらその答えを綴ったものがこの書物なのである。 池澤氏はギリシャ、フランスに定住するなどヨーロッパ社会に対する造詣も深い、片や、秋吉氏は、ヘブライ大学に留学、旧約聖書、ヘブライ語、古代イスラエル宗教思想史の研究者だ。 そして、親戚関係があり、池澤氏が兄と仰ぐ秋吉氏に聞きだすという形式がいい。 入門書として爽やかに読み続けられる一冊であった。

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2010/04/03

第1部 聖書とは何か? 第2部 ユダヤ人とは何者か? 第3部 聖書と現代社会 ヘブライの特徴とユダヤがつながり、それはイスラムにも通じるというのが、興味深かった。

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2010/03/19

知っているようで知らないのが、キリスト教であり、聖書です(アメリカやヨーロッパもそうですね)。聖書やキリスト教に興味をお持ちの方、それだけでなく、欧米を深いところから理解したいという方にお薦めしたいのが本書です。

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