うまや怪談 の商品レビュー

愛川晶【著】

2010/09/27

紅梅亭シリーズ３作目。３編が収録。殺人は出てこない。大きな事件も起こらない。でも、シリーズ３作目ともなると、脇役もよくわかるし、私のような初心者でも落語について知識がついてきたのかな？落語の解釈とかにもわくわくした。さらに！探偵役の交代（一時的に）の驚きもさることながら、ラストの展開にはびっくりしたわー（いえ、大きな事件は起こりませんが）。

2010/09/17

前にこのシリーズ読んで面白かったはずなのに、今回は落語部分が頭にはいらなくて飛ばし読みしてしまった。落語が好きな人にはおもしろいはず。

2010/02/02

落語ミステリ第三弾。あいかわらず、落語のストーリーにまつわる謎と現実に起こる事件の謎が絶妙に絡み合い、解き明かされる過程が絶品。キャラクターも魅力的です。ただし今作、探偵役にやや変化が見られましたが。その点に関する流れも面白いです。
お気に入りは表題作「うまや怪談」。この落語は元のネタもあまり知らなかったけれど。その後日談でなおかつ現実の事件の解決も織り込まれたこの物語、あまりに見事！
シリーズを通じての展開も目が離せません。いよいよ次回作では……！？　あまりに強引なやり口にはつい笑わされてしまいましたが。これは今後楽しみですよ。

2011/09/07

殺人も窃盗もおこらないけど面白かった。最後の宮戸川4丁目、さすが馬春師匠やるな。まあ私が奥さんならゆるさないけど...

2010/01/01

もはやミステリの縛りはなくても
ここまで楽しく、この世界に入り込める作品
に仕上げてしまった感があります。
それはむしろ歓迎すべき事かも！
落語ミステリというよりは、完全に落語を
メインとした人情噺小説ですよね。
作中の愛川さんの創作噺の面白さが一段と
面白さを増してます。

今回は馬春師匠の冴え渡る名推理はナリを
潜めた分、八ちゃん、そしてその嫁までもが
探偵っぷりを発揮します。
そしてその事が思わぬ方向へストーリーを
運んでくれます。いい噺やなー。

師匠の昔の芸人っぽいダメなところも今回で
しっかり暴露されちゃって(笑)。

さぁ、この分はしっかり次作以降で回収して
もらわなきゃね！　楽しみです！

2011/07/21

神田紅梅亭寄席物帳シリーズ第３弾相変わらず本格的な落語シリーズです。今回取り上げられた演目は「ねずみ」「厩火事」「宮川戸」の３つ。前巻の予告で次は怪談と書かれていたので圓朝の作が１つか２つは入るだろうと思っていたら…やられました。前回までアームチェアディテクティブとして美味しいところ取りをしていた馬春師匠が、今回に限ってはあまり登場しません。今回は福の助自らが探偵となり、また、落語を工夫して演じることで人助けをします。いや〜。このシリーズは落語の演目の勉強になります。著者の落語に対する造詣の深さに敬意を表します。次回作、第４弾ではいよいよ彼が始動します。ワクワクです。

2009/12/12

落語ミステリ、神田紅梅亭寄席物帳シリーズ第３弾。
謎解きもさることながら、このシリーズは福の助がアレンジする古典が見ものでありまして。
今回も楽しませていただきました。
文庫化したら、落語好きの友人に是非プレゼントしたい！

2011/11/01

待ってました！　
大好きな本格落語ミステリのシリーズ第3弾。3篇収録。

読んでみたら、落語オタク度がドンッとアップしていて驚いた。

古典落語を聴いたことのない方でも辛うじて楽しめる前2作に対して、本書は落語を聴いたことのない方にはちと厳しい内容。物語のそこかしこに古典落語を引き合いに出しているからだ。
物語の中に散らした「擽り（くすぐり）」にもたっぷりと古典落語を引っ張り出しているし……。
いずれも簡潔な説明はあるものの、お笑いというのは説明されるとシラけるもの。やはり、これらの古典落語を全く知らないとなれば、面白さは大きくスポイルされるに違いない。
そのかわり、ある程度古典落語を知る読者であるなら、興味を惹かれるところが多いし、薀蓄としてもとても愉しい。

たとえば、こんなところ。
・「厩火事」や「宮戸川」の続きがある？！
・「厩火事」で、髪結いのお崎の相談にのる『にいさん』って一体何者？
・圓朝、圓生、文楽、志ん生、志ん朝ら名人上手が実名で出てくるなどなど。

というわけで落語好きには愉しいのだが、もうひとつ問題がある。本書はミステリ好きにはダメだろうということ。絡まり合った謎と謎が、やがては同じ方向を向き、1点に収斂し、解きほぐされる。最後はストンと腑に落ちるというミステリの快感。それを本書に求めるのはきついかもしれないからだ。本書のミステリ部分はかなり強引である。無理やり感を拭いきれない。それから、芸人が「芸の肥やし」という行為に嫌悪感を抱く方もダメかもしれない。

2009/11/24

落語ネタを絡めたストーリー展開は前作よりもパワーアップしすぎているかも。余り伏線を張りすぎないほうが、落語と事件との関係がスッスリするような気がする

2011/09/17

落語家シリーズ第三弾。相変わらず落語への強い愛着とこだわりが感じられて読んでいて楽しかった。ミステリー色が少し薄れた感じだったかな…まだ聴いたことがない落語も出てきて、今度是非CDを借りて聴いてみたい。