医療崩壊の真犯人 の商品レビュー
厚労省に出向し医療政策に携わった経験のある元財務官僚の著者が、救急患者の「たらいまわし」や医師不足などの最近の「医療崩壊」の実情を解説した上で、この「医療崩壊」の要因は小泉内閣以降に推進されてきた医療費抑制政策にあると指摘し、今後の医療費再生に向けて医療費の増額が不可欠であると論...
厚労省に出向し医療政策に携わった経験のある元財務官僚の著者が、救急患者の「たらいまわし」や医師不足などの最近の「医療崩壊」の実情を解説した上で、この「医療崩壊」の要因は小泉内閣以降に推進されてきた医療費抑制政策にあると指摘し、今後の医療費再生に向けて医療費の増額が不可欠であると論じている。 実際に医療政策の政策決定過程に携わった元官僚の指摘ということで傾聴に値する問題提起だと思う。むやみな医療費抑制が医療崩壊をもたらしているという一面は確かにあるのだろう。 しかし、日本の厳しい財政状況を考えれば、単純に医療費を増やせばよいのかということには疑問がある。より効率的(安上がり)で質の高い医療を目指すべきであり、国民負担の増加にも真正面から向き合うべきではなかろうか。本書にも、それらの点は触れられていないことはないが、いかんせん今後の展望についての具体像の記述が薄いような気がした。
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財務相から厚生労働省に出向し、医療制度改革に携わり、医療費適正化計画の枠組みづくりを担当した村上正泰氏の書いた本だ。 政治屋の意向を受け、官僚として制度設計を行っていくのだが、急速に高齢化が進み、医療費がどうしても増えていかざるをえないなかで、その伸びをひたすら抑制しつづけるの...
財務相から厚生労働省に出向し、医療制度改革に携わり、医療費適正化計画の枠組みづくりを担当した村上正泰氏の書いた本だ。 政治屋の意向を受け、官僚として制度設計を行っていくのだが、急速に高齢化が進み、医療費がどうしても増えていかざるをえないなかで、その伸びをひたすら抑制しつづけるのはどだい無理な話である。 小泉政権時の経済財政諮問会議からの要求が如何に理不尽なものであったか、その時官僚として携わらざるを得なかった裏舞台が明らかにされている。 1983年に発表された所謂「医療費亡国論」の呪縛を引きずっているのは、厚生労働官僚は財務官僚ほどではないが、財政再建至上主義におちいり易い体質だとのこと。 2009年に書かれた本で、シロアリ退治なき消費増税とまでは書かれていないが、そのような主旨は述べられている。 民主党政権の誕生に期待する向きも書かれていたが、現在のテイタラク。 しかしながら、財務省を去り、どんどんリベラルな発現を期待するものである。
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医療制度改革に従事した元官僚さんの書だけあり、現実をとらえているのであろう。僕の予備知識がなさすぎで一読では、理解できないとこも多かったけど、2度3度と読んでみますねー。生活の安心に直接かかわることだけに、皆さんご一読を!
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今や国民の不安・不信の的となっている医療・福祉問題。 民主党は増税(消費税)によって社会福祉費に充てると言っているが、そもそもなぜこういった問題が現れたのか。基本所としてわかりやすくまとまっているので今の議論についていくためにも読むべき本である。
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元財務官僚から、厚生労働省に出向していた 著者が、医療崩壊の本当の理由の迫る著書。 深刻な医師偏在や、介護難民の生れる現在の 医療の問題を告発しています。
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