オイディプス王 の商品レビュー
ギリシア3大悲劇作家のうちの1人として知られているソポクレスの有名な作品であるが、オイディプスが徐々に事実を知っていく展開に夢中になった。偶然の積み重ねで真実が究明され、オイディプスが精神的に追い詰められていく点、その悲劇が自分だけで終わらない点がこの悲劇作品を作り上げているのだ...
ギリシア3大悲劇作家のうちの1人として知られているソポクレスの有名な作品であるが、オイディプスが徐々に事実を知っていく展開に夢中になった。偶然の積み重ねで真実が究明され、オイディプスが精神的に追い詰められていく点、その悲劇が自分だけで終わらない点がこの悲劇作品を作り上げているのだと感じた。知力の秀でたオイディプスなら途中で結末はわかっただろうに、それでもなお自分の出自を知ろうと動き続けたのは自身について明確に知っておきたいという人間の性なのか考えさせられた。
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島田雅彦「小説作法」に取り上げられており読みたくなった。市立にも隣の市立にもなく県立図書館から借りてもらった。ちゃんと読んだことのないものだった。 この戯曲が紀元前に書かれたとは驚きだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
齋藤孝さんの、『読書する人だけがたどり着ける場所』で紹介されていた一冊です。 ソポクレスの書いた戯曲で最も代表的な作品らしく、大昔に書かれたものだったので読めるか不安でしたが、とても読みやすいものでした。 「生まれた子に父親は殺され、母親と結婚し、子が出来る」との予言から、生後すぐに捨てられたオイディプスが成人して間もなく、実の父親とは知らずして通りすがりの男を殺してしまい、予言通りの末路をたどる話は、悲劇と呼ばれているだけに、心打たれるものがありました。 オイディプスが自分のしたことを知った時の狂いようは、今のホラーやミステリーとは違う恐ろしさを感じました。 続編もあるようなので、また見たいです。
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