愛でもない青春でもない旅立たない の商品レビュー
大学時代は誰ひとりとして、自分が何者でどこに向かうべきか教えてはくれない。 そういう中で手に負えない大きな自己と、それでは生きていけないという現実の狭間でさまよう。 その刹那的な思いの断片がこの小説からは溢れてくる。 愛も青春も旅立ちもここにはない。
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何年ぶりかで読み直したけれどやっぱりおもしろい。 私が主人公と同じ大学生だったのは遥か昔だけれど、彼の世界をみつめるちょっと意地悪な視線には共感してしまうし、それをとらえる作者の自意識の記述にはうならされる。 『恋愛の解体…』の方がまとまりは良い。でもオススメ。
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なんだこれは 泣ける恋愛小説とか言ったの誰 意味のない本。 意味がないというのは、考えたらダメな本というのと。意味不明な世界観にそのまま浸からなきゃいけない、俺だってわからないんだよって言われてる感じ。 まぁとにかく ちんこ。 ちんこが何かの存在を物語っている ダリの美術館に...
なんだこれは 泣ける恋愛小説とか言ったの誰 意味のない本。 意味がないというのは、考えたらダメな本というのと。意味不明な世界観にそのまま浸からなきゃいけない、俺だってわからないんだよって言われてる感じ。 まぁとにかく ちんこ。 ちんこが何かの存在を物語っている ダリの美術館に行ったの思い出した
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いつだったか 表紙とタイトルに魅せられて購入。 自分の読書力がないだけなのか、特に引き込まれることもなし、面白いとは思わなかった。
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感情の表現が生々しい。 現実の延長線上のような夢が出てきたり、夢みたいな少し不思議な現実があったりする。 それでも(それだから?)感情はそういう不安定な不思議さを含めて生々しくて繊細だった。背伸びしない姿勢を感じて、それが素直でよかった。
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大学に行って、彼女と会って、 バイトに行って、友達とやって。 不満はないけど満足でもないうっすらと広がる"何してんだろ"って気持ち。 その日その日の数珠繋ぎの先で「僕」が辿り着く場所とは。
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大学生が読んで感銘を受けるのか? モラトリアムを過ぎ去って久しい大人が読んで思い出す程度じゃないのか? それは定かではありませんが、読んでいるあいだに、大学の友人たちが瞬く間に目の前を通り過ぎていったような気がします。ぐにゃりぐにゃりと泳ぐ魚たち。 大学1,2年生くらいの人たち...
大学生が読んで感銘を受けるのか? モラトリアムを過ぎ去って久しい大人が読んで思い出す程度じゃないのか? それは定かではありませんが、読んでいるあいだに、大学の友人たちが瞬く間に目の前を通り過ぎていったような気がします。ぐにゃりぐにゃりと泳ぐ魚たち。 大学1,2年生くらいの人たちに読ませて、「ねぇ、自分たちてこんな感じ?どう?」と聞いてはみたい。でも、言葉にされて「えぐられた!」と思うには、いまひとつパンチ不足のような。
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夢もなく目標もなく確固たる趣味も主張もない。そんなとっても「今風」な大学生の独白。いわゆる「意識の流れ」で読ませる小説。 内面描写はとても上手。実に臨場感がある。 主人公が見た、感じたとおり、読み手にも感じさせる文章力には感嘆させられる。 ふと目にしたものから、考えが飛びに飛ん...
夢もなく目標もなく確固たる趣味も主張もない。そんなとっても「今風」な大学生の独白。いわゆる「意識の流れ」で読ませる小説。 内面描写はとても上手。実に臨場感がある。 主人公が見た、感じたとおり、読み手にも感じさせる文章力には感嘆させられる。 ふと目にしたものから、考えが飛びに飛んでいつの間にか妙に壮大なことを考えていたり、結局結論が出なかったりするような物思いって、よくあるよなあ。と同感できる。 さてじゃあ、話が面白かったかというと微妙。 これは年代が近い自分からすると、実に「ふつう」な日常すぎて・・・。 いや、最後の美術館のくだりはあり得ないけど、それ以外は実にふつう。 ふつう、ふつうで来て、最後に美術館は意味がよく分からないし、夢に出てくる少女にも答えはない。 何か隠されているのかどうか。ただ読書体験としては面白かった。
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「僕は変わる。僕を貫いている確固たるものはなんだ。刹那刹那の僕を数珠のようにつなぐ糸はなんだ。記憶だろうか。人格なんてものが便宜上の言葉に過ぎないことはとうの昔に知っている。(略)僕はあの時元宮ユキとセックスをした自分と、今こうしてセックスをしたときのことを考えている自分が同じ人...
「僕は変わる。僕を貫いている確固たるものはなんだ。刹那刹那の僕を数珠のようにつなぐ糸はなんだ。記憶だろうか。人格なんてものが便宜上の言葉に過ぎないことはとうの昔に知っている。(略)僕はあの時元宮ユキとセックスをした自分と、今こうしてセックスをしたときのことを考えている自分が同じ人間だとは思えない。単に数珠をつないでいた糸がぶつぶつと切れて、刹那刹那の僕がころころと分離したにすぎないのかもしれない、いやもとから数珠をつなぐ糸などないのだ。きっと。」 みずからの無意識の世界までさらけ出して、自我の同一性や存在理由についての懊悩とそんな思弁を圧倒してしまう身体的な欲動とのたたかいが生々しく言語化されている。 そして、おのれ自身は変わっていなくても、世界のほうはすっかり変わっていたり、自分が思い描いていたものとは異なっていたりするかもしれない、という無気味さ。 「清潔で落ち着ける場所だと思っていた部屋のじゅうたんをめくって見たら裏にびっしり小さい虫がいたような、それまで何も気付かずに暮らしていただけで、この世界のじゅうたんの下にはびっしり小さな虫がいて、それを知る前も知った後も状況にはなんら変化がないのに、世界は無気味に変わってしまったように見える。」 ビジュアルイメージをまざまざと追体験させる描写力と、そのイメージと欲望との連想がすばらしく、圧巻のラストまで一挙に読み切ってしまった。
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鳩々って言い方は真似していきたい。 斜に構えることが前提となっちゃったような世の中で、自意識のいざこざをちゃんと書こうとすると幽玄になるのかな。幽玄っぷりに美化と憧れが無いところが素敵でした。
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