漂う書庫のヴェルテ・テラ(1) の商品レビュー
全5巻完結。 星導という力を使う世界のファンタジー。身に数万冊の本を有し、喋らない子が、辛辣です。良いです。 終盤にある司書だった子の本に対する考えを披露する場面が、実際にいる良書提供主義の司書の考え、そのままだと思った。そうして見ると作者が図書館への批判を述べているようにも読み...
全5巻完結。 星導という力を使う世界のファンタジー。身に数万冊の本を有し、喋らない子が、辛辣です。良いです。 終盤にある司書だった子の本に対する考えを披露する場面が、実際にいる良書提供主義の司書の考え、そのままだと思った。そうして見ると作者が図書館への批判を述べているようにも読み取れた。
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「――お前のようなものを、愚者という」 紫水晶の瞳に凍りつくような畏怖をこめて、レジィナは淡々と言葉を紡いだ。 「知識がない。品性がない。だから価値を理解できない。だから他者を理解できない。誰かにとっての大切なものを、ただやみくもに否定することしかできない。人間として生まれなが...
「――お前のようなものを、愚者という」 紫水晶の瞳に凍りつくような畏怖をこめて、レジィナは淡々と言葉を紡いだ。 「知識がない。品性がない。だから価値を理解できない。だから他者を理解できない。誰かにとっての大切なものを、ただやみくもに否定することしかできない。人間として生まれながら、人間としての意味を持たない愚者」 (P.194)
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本の好きなジグゥオルは、『万巻の書』と呼ばれる精霊レジィナを連れ、聖堂(シュテル)による焚書で多くの書物が失われる世界を舞台に『五賢七書』と呼ばれる星導(ストラ)の奥義書を求めて旅を続ける『外法星導師』 かつては聖堂(シュテル)に救われながらも、その後対立し・そして抜けることにな...
本の好きなジグゥオルは、『万巻の書』と呼ばれる精霊レジィナを連れ、聖堂(シュテル)による焚書で多くの書物が失われる世界を舞台に『五賢七書』と呼ばれる星導(ストラ)の奥義書を求めて旅を続ける『外法星導師』 かつては聖堂(シュテル)に救われながらも、その後対立し・そして抜けることになったジグゥオルは、かつて不得手だった星導(ストラ)を、聖堂(シュテル)が唱える『祈り』ではなく、『手繰り寄せる』ことで星導師(テラ)としての力をつける。 一仕事終えたジグゥオルに『五賢七書』の情報が舞い込んでくる。 しかし、その前に立ちはだかるのは、かつて聖堂(シュテル)に救われた際に子院学舎(スコール)で同室だった幼馴染たち。 中でも、ジグゥオルを助け、読書の楽しさを教えてくれたリシェルは、聖堂騎士(シュテルシオン)としてジグゥオルと対立することに。 ちなみに『万巻の書』たるレジィナ、可愛らしい顔をして結構毒舌かつ多少の嫉妬持ち? ジグゥオルに対する態度と、彼に近づく女性に対する態度が面白いほどはっきりしています。 当人たちが気付いているかは、はなはだ疑問ですが。 イラスト主体で買ったのは否定しませんが、雛祭さんの口絵イラストは線が細いからか、発色が若干薄く見づらいという欠点はあります。
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