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般若経 の商品レビュー

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2010/08/13

鈴木大拙の本を読んだついでに、浄土系・禅系の経典、「般若経」を読んでみた。 原始仏教の経典ともまたちょっと違う。インドっぽいような感じがする。 パラドックスみたいな否定-肯定論法が連発する「金剛般若経」や、仏僧の超人的な修練が描かれた場面が印象的な「大品般若経」など、やはり日本に...

鈴木大拙の本を読んだついでに、浄土系・禅系の経典、「般若経」を読んでみた。 原始仏教の経典ともまたちょっと違う。インドっぽいような感じがする。 パラドックスみたいな否定-肯定論法が連発する「金剛般若経」や、仏僧の超人的な修練が描かれた場面が印象的な「大品般若経」など、やはり日本において変容された仏教とは、根本的に何かちがっていて面白かった。 要するに「すべては空である」という看破をもとに、いろいろ書かれているようだが、そこから始まっても、大衆化された日本仏教等では「(修行しなくても)信じる(念仏する)者は救われる」といった、プロテスタントの信仰にも似た自己弁護的思想に結局落ち着いてしまうのは、世界共通の「自己防衛機制」の欲動のなせるわざだろうか。 宗教観、人間観もまた、巨大な時代のうねりとともに、一定の方向性をもって変移してきたように思える。

Posted byブクログ