ピコラエヴィッチ紙幣 の商品レビュー
2013/10 どちらかという悲惨な物語でラストも悲しい内容。事実には基づいているんだろうけど。。。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
実際にあったシベリア極東アムール河口の港に、日本の商社島田商会と日本人街があり ロシアのルーブルの価値が下落し 周辺の人々は島田商会が発行したルーブル紙幣を生活紙幣として使っていた。その時代ロシア革命が勃発し革命の御旗のもと赤軍がロシア民、日本人を虐殺した。その事実を背景に、紙幣印刷技師、島田商会の人々、島田商会で働くロシア女性たちが時代に波に翻弄されながら賢明に生きる姿が感動的であった。ついには最悪の結末かと思ったが、生き残ったロシア情勢が北海道で日本人外交官と結婚し記録が残されていることにホットした気持ちになった。
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尼港事件の舞台で実際に流通していたピコラエヴィッチ紙幣をめぐる小説。 実際の背景にある第一次大戦、シベリア出兵、ロシア革命などの国際政治の情勢にはあまり触れず、一年の半分以上が氷に閉ざされるニコライエフスクという街において、ピコラエヴィッチ紙幣の流通による、経済の活性化がもたらす...
尼港事件の舞台で実際に流通していたピコラエヴィッチ紙幣をめぐる小説。 実際の背景にある第一次大戦、シベリア出兵、ロシア革命などの国際政治の情勢にはあまり触れず、一年の半分以上が氷に閉ざされるニコライエフスクという街において、ピコラエヴィッチ紙幣の流通による、経済の活性化がもたらす成功者と敗者、その感情の対立を革命の波が巻き込みながら街に押し寄せる様が描かれている。 ピコラエヴィッチ紙幣に依存しきった歪な形での経済発展も悲劇を呼んだ一因になったのか・・・
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1920年に起きた尼港事件を題材としている。赤軍過激派により日本人730名、ロシア人7000人が殺害された。ロシア革命は1917年に起きていたが広い国土の統制は一朝一夕には進まず、その混乱の中で起きた悲劇であろう。終戦末期のソ連による不当参戦シベリア抑留の悲劇に隠れて忘れ去られて...
1920年に起きた尼港事件を題材としている。赤軍過激派により日本人730名、ロシア人7000人が殺害された。ロシア革命は1917年に起きていたが広い国土の統制は一朝一夕には進まず、その混乱の中で起きた悲劇であろう。終戦末期のソ連による不当参戦シベリア抑留の悲劇に隠れて忘れ去られているが、本書によって教えられた。本書では、当時尼港で成功した島田商会が発行したルーブル紙幣ピコラエビッチ紙幣の謎に絡め、悲劇に巻き込まれた罪のない日本人たちとロシア人悲劇を描く。面白かった。書き出しの筆者自信の抱える謎が最後の最後に物語と絡み合うとことろに打たれた。
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経済小説らしいというべきなのか、人物造形にはあまり惹かれるものがなく、型通りに感じた。 特に女性の登場人物は都合の良いキャラクターといった印象。 ただ、貨幣というものの仕組み、価値、意味を考える上では非常にスリリングな設定と展開で、その点はとても楽しく読めた。
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小説、ではあったのですが内容の濃さや示唆の深さから言うと変な本を読むよりも色々と考えさせられ、また勉強になりました。そしてものすごく面白い。気になる点、こういう世界観・こういう危機意識で当時の人が生きていたのかと目から鱗の点、そして経済を回す仕組みやそこに介在する人の心理も含めて...
小説、ではあったのですが内容の濃さや示唆の深さから言うと変な本を読むよりも色々と考えさせられ、また勉強になりました。そしてものすごく面白い。気になる点、こういう世界観・こういう危機意識で当時の人が生きていたのかと目から鱗の点、そして経済を回す仕組みやそこに介在する人の心理も含めて付箋がまだいっぱいはっております。是非読んで。
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