悪霊の島(下) の商品レビュー

スティーヴンキング【著】,白石朗【訳】

2010/05/16

いつもながら、キングは序盤が長い。上巻はあまり緊張感がなく、盛り上がりがなく、ホラー的な雰囲気もさほどなく。面白くないわけではないけど、なかなか読み進めません。
ところが。下巻に入ると一気。急速に盛り上がるホラー的要素。恐怖と惨劇のオンパレード。さすが。そしてもちろんこの盛り上がりのためには、上巻の静かな物語が必要だったわけです。ラストに残るしんみり感も印象的でした。
この作品は、芸術の物語。作中に登場する数々の絵画にイメージが膨らみます。美しくて恐ろしい絵の数々、見てみたいなあ。

2010/05/06

上巻とはうってかわって、早く、そして濃い展開。後段での貼りまくった伏線の回収や、最後の最後での砂浜での出来事などは、とてもよい感じ。締めくくりも、陳腐でなくよかった。ただし、上下巻あわせてこのページ数は、良いのか悪いのか。手にとる人を相当選ぶよ。

2010/04/29

エドガーの絵は美術シーンに衝撃をもたらし、個展を開くことが決定した。それはエドガーの新たな人生の幕開けであり、崩壊していた家族との和解の場であり、最高の栄誉の瞬間であり―彼と彼の愛する者たちにとって最後の平穏な夜となった。ついに物語は臨界に達する。そっと時を待っていた死と破滅と邪悪が猛威をふるう。溺れ死んだ双子。黒い闇に沈む船。人形。赤いバスケット。そして邪悪なる“パーシー”。愛する者に迫る死を防がねばならない。邪悪なるものを斃さねばならない

2010/03/20

上巻レビューの続き。
下巻に入ると一気にホラー色が強まり、非現実的世界が現実世界を侵食していくスピードが速くなっていきます。
畳み掛けながらもなかなか姿を現さないところが、キングが書くホラー小説の怖さであり、逆にその姿が少しずつ見えていくところもまた怖さ。本領発揮の巻です。上巻以上に途中で読みやめるのが困難なため、また怖くて寝れなくなるので昼間に読みましょう。それでも怖いけど。
恐怖の描写に関しても「絵」というものが重要な媒体になっており、やはり実際に何かしらの絵から恐怖を感じたことがある人にとってはより伝わりやすくなっているでしょう。
当然、怖いだけではなくてラストはしっかり感動させてくれる心地よい余韻を残してくれます。

と、ここまで書いといてなぜ星4なのか。

完全に好みのレベルで理由をうまく言えませんが、個人的には同著者作品の回想のビュイック8のほうがなんかよくわからないけど怖かったから。です。
こっちのほうが読んでるワクワク感はあるんだけどなぁ。そのあたりは是非どっちも読んで確かめてみてください！

2010/03/05

下巻に入ると一気に世界の崩壊感が押し寄せてきてスピードアップした。
上巻はのんびり読んだけど下巻は一気に読んでしまった。
そういえばこの作品には一緒に崩壊に立ち向かうヒロイン役がいなかった。リーバとかエリザベスがその役割なのかな

2010/03/02

あまり、怖さを感じなかった
恐怖の対象が、しっかり形を伴ってない印象を
受けたからかもしれない
今まで読んだキングの小説の中では読みづらい方かも
読みきるのに時間がかかってしまった

それでも緊迫感はとても感じたし
登場人物はみんな個性的だった

2011/08/17

いかにもキング、といったホラー。すごく面白いのですが、キングだとそれが普通なので読者ってわがままですよね。