英語教育が亡びるとき の商品レビュー
英語に興味がある人の必読書です。いかに英語教育が、金儲けが目的の底の浅い素人に振り回されているかが、よくわかります。数ある言語の中の一つである英語を、日本で学ぶとはどういうことか、きちんと考えるきっかけを与えてくれます。 惜しむらくは、もう少し丁寧に文章を見直してもよかったか...
英語に興味がある人の必読書です。いかに英語教育が、金儲けが目的の底の浅い素人に振り回されているかが、よくわかります。数ある言語の中の一つである英語を、日本で学ぶとはどういうことか、きちんと考えるきっかけを与えてくれます。 惜しむらくは、もう少し丁寧に文章を見直してもよかったかと思う部分がありました。例えば、結構目に付いた「だとすれば」という表現。英語教育界に一刻も早く警鐘を鳴らさなければという著者の思いと受け止めましたが、仮定の話で論を進めている印象を与えてしまい、揚げ足を取ろうと待ち構えている御用学者、御用教員にそのきっかけを与えかねない気がしました。 ともかく、誠実であろうとする英語教師に勇気を与えてくれる、誠実な本です。多少なりとも英語に興味のある方は是非一読を。
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小学校高学年の英語学習についてはかなり議論されたが、2009年3月に正式に発表された高校の外国語科目の新学習指導要領については、どうだろう。施行されれば、少なからず混乱を招くのではないか。
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今小学校からの英語導入、中高、大学でも「英語で授業」ということが叫ばれている。はたして、英語で授業してどれだけ学生がわかるのだろう。もちろん、相手が英語話者だけのときは、英語でせざるをえないだろう。しかし、相手が日本人だけのときに教師が英語だけで授業をやってどれだけの学生がわかる...
今小学校からの英語導入、中高、大学でも「英語で授業」ということが叫ばれている。はたして、英語で授業してどれだけ学生がわかるのだろう。もちろん、相手が英語話者だけのときは、英語でせざるをえないだろう。しかし、相手が日本人だけのときに教師が英語だけで授業をやってどれだけの学生がわかるだろうか。著者の寺島さんはそんな疑問を投げかける。寺島さんにとって、英語を使うときは日本にきてまもない留学生たちだけの授業とか、英語で情報を得たいときだけだという。それ以外は日本語でやったほうが理解は深まる。寺島さんはノーベル賞をとった益川さんを例にあげ、日本は日本語だけでもノーベル賞を取れる国であり、もっと日本語を鍛えるべきだという。ぼくは中国語を教えているが、学会などでもほとんど日本人しかいなときに、中国語で研究発表をする人がいるが、ほんとに内容があるのか疑ってしまうものがある。また、昔中国語の授業は中国語でしないといけないと叫んだ先生もいたが、ぼくはなぜかしらっと見ていた。 英語教育というのは政治、イデオロギーから独立して語れないとは思うし、言語学者のチョムスキーが多くの政治的発言をしているのも知っているが、本書ではときにそちらが強すぎるかなあと思ってしまうところがある。にもかかわらず本書は日本の英語教育を考える上でとても刺激的な本である。
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