資本主義はニヒリズムか の商品レビュー
良くも悪くも対談本です。 噛み合わない箇所もありますし、これはちょっとという箇所 もございます。要は、捕手と革新の対立にあり、革新勢力が どうにもおかしいだろうと。日本人故のおかしさもあるでしょうし。
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佐伯啓思氏の文章から引用 ミクロ的な投資主体のリスク管理は合理的になされる。 金融市場の効率性は合理的に提案できる。 市場経済の効率性は達成できる、としよう。 しかしそれですべてうまくいくかというとそうではない。 問題は、それらをすべて統合する「社会全体」を見る視点がま...
佐伯啓思氏の文章から引用 ミクロ的な投資主体のリスク管理は合理的になされる。 金融市場の効率性は合理的に提案できる。 市場経済の効率性は達成できる、としよう。 しかしそれですべてうまくいくかというとそうではない。 問題は、それらをすべて統合する「社会全体」を見る視点がまったく欠如している点にある。 そして、社会全体を合理的に管理できる科学は存在しない。 社会とは、政治・経済・宗教・地域共同体・歴史的構造などの複合以外の何ものでもないからだ。 だから、社会を一定の方向に導くには、全体を統合する「価値」が必要となるのである。 ニーチェはそれを「パースペクティブ」といった。 社会について論じるとは、常に、一定の視点(パースペクティブ)から論じることにほかならない。 つまり、ある「価値」を選択するほかない。 としている。 この著作は、佐伯啓思と三浦雅士という智慧・知識の巨頭が人間社会が歴史的に希求してきた「価値」について縦横無尽に語り合ったものがたりなのである。
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