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オぺラ・シンドローム の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2013/08/17

島田雅彦が昨年のNHK「知るを楽しむ」の放送をベースに本になりました。ドンジョバンニが征服したと歌う女性の数がなぜスペインが圧倒的に多く、イギリス・オランダは皆無なのかの説明からして、モーツアルトが音楽のいろいろな場面に寓意を持ち込んでいるということで惹きこまれます。ロッシーニの...

島田雅彦が昨年のNHK「知るを楽しむ」の放送をベースに本になりました。ドンジョバンニが征服したと歌う女性の数がなぜスペインが圧倒的に多く、イギリス・オランダは皆無なのかの説明からして、モーツアルトが音楽のいろいろな場面に寓意を持ち込んでいるということで惹きこまれます。ロッシーニの軽さの魅力、ドニゼッティとベッリーニのプリマドンナの超絶技巧の魅力も興味深いです。そしてヴァーグナーの音楽がなぜ非論理的、だるく、眠くなり、怠惰になり、退廃的、情緒的になるのか、そしてその眠たくなることそのものがヴァーグナーを聴く快感であり、その象徴が「トリスタン」であるとの説明も全く同感です。「薔薇の騎士」の第1幕の寝室を覗き込む気恥ずかしさ、「蝶々夫人」の音楽の色彩にあふれた魅力など楽しさ満載の一冊です。

Posted byブクログ

2011/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] ド派手な舞台に華麗な衣裳、奇想天外な物語に魂をゆさぶる音楽、そして、湧き出す情念そのままに歌い上げる歌手たちの声-。 イタリアで生まれて四〇〇年、オペラは今なお世界で、「最強の総合芸術」「娯楽の王様」として君臨し続けている。 そこでは、王侯貴族のような豪華絢爛な気分を味わってもいいし、形式美を楽しんでもいいし、残酷な悲劇の結末に感涙してもいい。 オペラに正しい見方はない。 いや、あらゆる見方が正しいのだ。 「命をかけるべき最高の遊戯」とまで言い放つ偏愛主義者が説く、入名書でかつ極め付きのオペラ至上論である。 [ 目次 ] 第1章 ドン・ジョヴァンニの正体-モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』 第2章 楽壇のナポレオン-ロッシーニ『アルジェのイタリア女』『ランスへの旅』 第3章 歌姫たちの超絶技巧-ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』、ベッリーニ『ノルマ』 第4章 救いのないマッチョ・オペラ-ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』『運命の力』 第5章 主役を操る悪役-ヴェルディ『オテロ』 第6章 極上なる催眠-ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』 第7章 「蝶々夫人」と息子の物語-プッチーニ『蝶々夫人』 第8章 完璧なるマニエリスム-R.シュトラウス『ばらの騎士』 第9章 オペラではすべてが許される-ショスタコーヴィチ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ