政策論争のデタラメ の商品レビュー
本書は証券会社勤務の著者が、環境、医療、教育、郵政、政治について表面的で情緒的な政策論争の間違いをデータを駆使して明らかにした本である。著者の提言の全てに賛同する訳ではないが、一般論と一線を画しており興味深い内容である。 著者は「メディアという一種の権威が間違った情報を社会に流...
本書は証券会社勤務の著者が、環境、医療、教育、郵政、政治について表面的で情緒的な政策論争の間違いをデータを駆使して明らかにした本である。著者の提言の全てに賛同する訳ではないが、一般論と一線を画しており興味深い内容である。 著者は「メディアという一種の権威が間違った情報を社会に流している」危険性について、警鐘を鳴らしている。特に有名キャスターのコメントは危険で「真剣な眼差し、分かり易い言葉に思わず共感しそうになるが、分かり易いことが、正しいことを担保してはいない」という。 まことに同感である。報道を自称するとある番組のキャスターの上っ面の情緒的なコメントはまことに有害であるし、某番組の司会者も、庶民の味方ヅラをして無責任なコメントを垂れ流している。 両者とも視聴率がとれる優秀な方ではあるのだろうが受け手としてはマスコミも商売である事を忘れてはなるまい。
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①環境とエネルギー ②医師不足 ③教育 ④郵政改革 ⑤官僚叩き それぞれに政府の政策を批評しているが目新しいものはない。ただ、郵便貯金と簡保はこの本のように段階てきに無くすべき。無秩序に国債を買い続けるのはもうやめるベキ。
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[ 内容 ] デタラメな言説は、ときに国を滅ぼす。 医療問題の本質は、医師不足ではなく開業医優遇の制度設計にある。 エコ精神とクールビズでは温暖化対策にならない。 …環境・エネルギー、医療、教育、郵政改革、政治・行政の五つの分野にはびこる表面的で情緒的な政策論争の間違いを、データ...
[ 内容 ] デタラメな言説は、ときに国を滅ぼす。 医療問題の本質は、医師不足ではなく開業医優遇の制度設計にある。 エコ精神とクールビズでは温暖化対策にならない。 …環境・エネルギー、医療、教育、郵政改革、政治・行政の五つの分野にはびこる表面的で情緒的な政策論争の間違いを、データを駆使して様々な角度から明らかにすることで、これまで表に出てこなかった問題の本質をあぶり出し、本当に必要な政策を提言する。 [ 目次 ] 第1章 一人ひとりのエコで解決できるのか―環境・エネルギー(環境立国を阻む美しき精神論;外交でひとり負けだった京都会議;現実逃避の「チームマイナス6%」とクールビズ;世帯数の増加で家電の絶対数が増加;出遅れている次世代エネルギー戦争;環境・エネルギー問題を解決する三つの処方箋) 第2章 医師不足は本当か―医療(ただの風邪も診る大学病院;医師の偏在と患者のフリーアクセス;勤務医の過酷な労働と開業医の税制特典;質より量が優先される点数制;財政を圧迫する団塊の世代;医療問題を解決する四つの処方箋) 第3章 結果を問わない学習は、本当に教育か―教育(親の所得に左右される教育水準;改革を妨げる文部科学省という障壁;目標はあっても、達成は求められない現場;責任回避の組織としての「中教審」;教育問題を解決する三つの処方箋) 第4章 誰のための完全民営化か―郵政改革(「総論賛成、各論反対」の罠;第二の予算・財政投融資の行き詰まり;公的金融の縮小に巻き込まれた郵便;総務省下から財務省・金融庁下へ移った日本最大の金融機関;郵政改革を達成するための四つの処方箋) 第5章 官僚叩きで日本はよくなるのか―政治・行政(官僚を悪の代名詞にするメディアと政治家;大臣が自分の部下と闘う不思議;退職後に「天国」を渡り歩いて二億七〇〇〇万;お上が議会をくれた、二権分立の国・日本;政治制度を改革するための三つの処方箋) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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『政策論争のデタラメ』(市川眞一、2009年、新潮新書) 環境・エネルギー、医療、教育、郵政改革、行政改革の5つの政策分野の現状を分析し、筆者が唱える改革案を述べている。 政策の現状分析がわかる点で勉強になるが、それぞれの政策の専門家ではない筆者の提案がどこまで通用するの...
『政策論争のデタラメ』(市川眞一、2009年、新潮新書) 環境・エネルギー、医療、教育、郵政改革、行政改革の5つの政策分野の現状を分析し、筆者が唱える改革案を述べている。 政策の現状分析がわかる点で勉強になるが、それぞれの政策の専門家ではない筆者の提案がどこまで通用するのかについては割り引いて考える必要がありそうです。 (2010年8月21日・大学院生)
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