耳で考える の商品レビュー
私は対談とは「イマイチ論理が深まらないもの」だと感じています。 この本もイマイチ論理が深まっていないと感じました。 でも久石譲が大好きな私には面白い一冊でした。
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Vol.42 時間が経っても色あせないものとは? http://www.shirayu.com/letter/2009/000087.html
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食わず嫌いで、対談モノはあまり読んでこなかったのですが、久石さんとの対談とのことで手に取った。 久石さんご自身があとがきで言われているとおり、彼は聞き役。 養老さんの話力はさすがで、学者の明晰なところと、文化人としての面白いところが混ざっていて凄いなと。が、もっと久石さんの話も...
食わず嫌いで、対談モノはあまり読んでこなかったのですが、久石さんとの対談とのことで手に取った。 久石さんご自身があとがきで言われているとおり、彼は聞き役。 養老さんの話力はさすがで、学者の明晰なところと、文化人としての面白いところが混ざっていて凄いなと。が、もっと久石さんの話も聞きたかった、というのが正直なところ。 久石さんの気持ちを知って、自分の演奏に生かせたらと思ってたのですが、なんと言語学的なパートも相当の頁を割いて出てきている。思わぬ収穫でした。
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脳に関する多数の著作を持つ解剖学者、養老氏と宮崎アニメなどの映画音楽を中心として知られる作曲家、久石氏の対談。 音楽が人々をとらえる仕組みを、人類や生物の起源までさかのぼる。視覚や触覚と比較しながら聴覚が脳に対して優位に働く様子が説明される。 お互いの立場で「いい音楽とは何...
脳に関する多数の著作を持つ解剖学者、養老氏と宮崎アニメなどの映画音楽を中心として知られる作曲家、久石氏の対談。 音楽が人々をとらえる仕組みを、人類や生物の起源までさかのぼる。視覚や触覚と比較しながら聴覚が脳に対して優位に働く様子が説明される。 お互いの立場で「いい音楽とは何か」に言及される。バッハやモーツァルトが多作だった理由。「意識」を取り巻く情報化と情報処理に、言葉の働き。 作曲にはオリジナリティだけでなく、根本に共感性が必要だという。多々あるロックやジャズの名演即興はそうなのかと、フッと理解したような気になるのである。
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物事の真理というものは、言葉だけでは説明しきれない。 芸術も言葉にできないものがあるからこそ、芸術として表現する。 オリジナルティとは、新しい共感を発見すること。 そして、良い音楽とは長く聴かれ、色褪せない。
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音楽について…というより人生についてっていう感じがします。 養老孟司さんの「情報化」と「情報処理」のお話が面白かったです。内容の薄い考えにならないためにはどうすればいいかということがわかりました。あとはどう実行&継続していくか…
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2015/12/27図書館から借りた。 人間と動物の大きな違いは、相手に合わせることができるところだと聞いたことがあります。 自分の一生は作品である!の言葉には非常に共感します。 自分の一生というのは、たとえ汚い安いキャンバスと絵の具しかなかったとしても、それで描ける最大限の作品...
2015/12/27図書館から借りた。 人間と動物の大きな違いは、相手に合わせることができるところだと聞いたことがあります。 自分の一生は作品である!の言葉には非常に共感します。 自分の一生というのは、たとえ汚い安いキャンバスと絵の具しかなかったとしても、それで描ける最大限の作品なんです。そういう課題を自分が与えられているという感覚が、昔の人は暗黙のうちにあったような気がする。それが、修行のようなところに出ていたんだと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「バカの壁」の作者 養老孟司さんと、 ご存知、宮崎アニメや「おくりびと」の作曲をした 久石譲さんが 耳、音、聴覚をキーワードに、語り合う対談です。 考えただけで、わくわくする方同士の対談! いや~、一気に読んでしまいました。 「なぜ人は音楽で感動するのか」など 人間が音楽を美しいと感じるメカニズムについて徹底的に語り合っています。 久石さんが音楽について感じていることを語ると、それは人間の脳がこんな風に働くから 音に対してそう感じるんだね~と養老さんがメカニズムを解説する。 そして、最終的には聴覚の持つ神秘の力を問い正す。 面白くないわけがない!というのが感想です(笑) 例えば、映画音楽の第一人者、久石さんが素朴な疑問としてあげているのが、 =========================== 映画に音楽をのせる際、厳密に映像に合わせて音楽をつけると、映像より音楽の方が先に聞こえてくるという現象が起きるということ。 映像は光だから、普通に考えると音速より早いはずなのになぜ?? =========================== それに対し、養老さんが =========================== ある見たもの、聞いたものに対して 脳の神経細胞が伝達して意識が発生するまでの時間が、視覚系と聴覚系では違う。 だからズレて聞こえる。 =========================== という説明をします。 そして、 =========================== その2つの神経は元来別々のものだから、根本的にはそれは当然こと。 それを一緒に組み合わせて考えているのは人間だけだ。 =========================== などと、脳のメカニズムを解説するのです。 他には、久石さんが =========================== 今の時代、目から入ってくる情報にものすごく依存度が高くなっている気がする。 =========================== と言えば、 養老さんが =========================== 意識を失った人が意識を取り戻す時も、最初に耳が回復し、次に目が開くのを考えると、 生きていくときに基本となるのは、目よりもむしろ耳ではないか。 =========================== という意見を述べる。 音好きとしては、音についての対話というだけで興味わくものですが、 それプラス「へ~~、そうなのか~」ということも多い。 音への感覚(それも久石さんの研ぎ澄まされた感覚)に養老さんのメスが入るという感じでしょうか。 音好きな方に(特に理系の方 笑) オススメな本です。 ちなみに、養老さんは音楽は基本「ながら聞き」らしいです。 仕事の邪魔にならないものが名曲らしいですよ(笑) 本当に集中しているときは聞こえない。 それでも思考の途中で、ふっと気持ちがよそへ行く、そういう時に聞こえてくる音楽が気持ちのいいものだといい。 「聴きなさい!」とばかりに何かを強く訴えかけてくるようなものだと 具合が悪い。 なーんて書いてありました。
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非常にインテリジェンス溢れる二人の対談。どちらかというと養老先生の方のウエイトが大きい。 対談だけに、もうちょっと説明が欲しいかなーってところが、さらりと流されていたりして理解がしにくい部分がある。 やや年寄りの説教じみた所が目につくが 、普段教授として学生に接していることで感...
非常にインテリジェンス溢れる二人の対談。どちらかというと養老先生の方のウエイトが大きい。 対談だけに、もうちょっと説明が欲しいかなーってところが、さらりと流されていたりして理解がしにくい部分がある。 やや年寄りの説教じみた所が目につくが 、普段教授として学生に接していることで感じている憤りが根底にあるのだろう。まぁ、自分は納得いくことばかりだったけど。 それにしても、知的な人の話は面白い。
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久石さんのことはジブリの映画音楽を作曲されている方というところからスタートしています。さらに、最近では「坂の上の雲」のドラマの曲も作曲されていて、とてもいい曲だなあと感心していました。ところが、本書を読むと、どうもそういう方面の曲だけではなく、現代音楽も作曲されているとのこと。1...
久石さんのことはジブリの映画音楽を作曲されている方というところからスタートしています。さらに、最近では「坂の上の雲」のドラマの曲も作曲されていて、とてもいい曲だなあと感心していました。ところが、本書を読むと、どうもそういう方面の曲だけではなく、現代音楽も作曲されているとのこと。11拍子だとか、17拍子だとか、いったいそれがどんなものなのか見当もつかないのですが、一度ぜひ聞いてみたいものです。さて本書は養老先生がいつも通り言いたい放題言っているわけですが、それを常に久石さんが感心して聞いているというかっこうになっています。(多分にいい加減な話も混ざっていると思いますが。)さて、視覚に比して聴覚の方は脳の古い部分(大脳辺縁系)で処理をしているということ、それから見ることより聞くことの方に早く反応するということ、そのあたりにおもしろい話題がありました。音楽を作るのに感性でいくのか論理から入っていくのかその辺もおもしろい。ブラームスが最も論理と感性の間で引き裂かれた作曲家であるという話も。ところで、最後の方でレヴィ=ストロースの「神話論理」の話をされているが久石さんはあの大著を読まれたのだろうか。
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