隆慶一郎全集(1) の商品レビュー
全集の一巻、「吉原御免状」から読み始める。 小説の内容は省くが、隆氏の描く主人公達は、誰もが格好良いのだ。 男たる者、こうありたいと願う人物像ばかりなのである。 ハードボイルドの時代物と言えば良いのだろうか。 江戸の吉原の歴史や慣習、花柳界の起源、柳生一族との戦いなどが絡み、リア...
全集の一巻、「吉原御免状」から読み始める。 小説の内容は省くが、隆氏の描く主人公達は、誰もが格好良いのだ。 男たる者、こうありたいと願う人物像ばかりなのである。 ハードボイルドの時代物と言えば良いのだろうか。 江戸の吉原の歴史や慣習、花柳界の起源、柳生一族との戦いなどが絡み、リアルな歴史的事実を基に、驚くべき程の質の高い物語が展開され、飽きることなくページをめくってしまう。 この一冊のみならず、隆氏の小説総てが読む者を興奮させるのだ。
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大好きな作家の一人。きっかけは「影武者徳川家康」この作品に仰天して以降、ほぼ全作品を読んだ。 久しぶりに再読したくて、それならばということで全集を購入。またじっくり読んでいきたい。 ただ、面白いだけでなく作者の歴史観や人間観にも深い共鳴を覚える。ことにこの作品に見られる女性へ...
大好きな作家の一人。きっかけは「影武者徳川家康」この作品に仰天して以降、ほぼ全作品を読んだ。 久しぶりに再読したくて、それならばということで全集を購入。またじっくり読んでいきたい。 ただ、面白いだけでなく作者の歴史観や人間観にも深い共鳴を覚える。ことにこの作品に見られる女性への限りない優しさは、男としてかく有りたいと思える。 なんでこの作家が直木賞を取れなかったのかが不思議でならない。
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これがデビュー作とはすごいねえ。 一気に読ませる。 続編の「かくれさと苦界行」が早く読みたい。
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吉原とは、何だったのか。 そして、その吉原はどのようにしてでき、守られてきたのかー。 傀儡子一族を中心とした"道々の輩"をめぐる吉原の裏面史。 それに、家康影武者、柳生一族、八百比丘尼など様々なものが絡んでくる。 花魁について、傀儡子について、作中で詳しく...
吉原とは、何だったのか。 そして、その吉原はどのようにしてでき、守られてきたのかー。 傀儡子一族を中心とした"道々の輩"をめぐる吉原の裏面史。 それに、家康影武者、柳生一族、八百比丘尼など様々なものが絡んでくる。 花魁について、傀儡子について、作中で詳しく語られていて、それがすごく面白い。例えば、太夫とは、この頃は売女ではなく、時代の最高教育を受けたスーパーレディだったということ。吉原の遊女たちは、格段の媚術をもっていたと信じられており、その気の使いようには食べ物や、毛の手入れまで、ものすごいものがあった。彼女たちは、気貴い。美醜、身分、貧富のいかんにかかわらず、ありとあらゆる素人女を「地女」の一言で蔑称するだけの誇りと自信があった。 「汚濁の世に退屈な生を生きるより、何も彼も捨てて、一身を滅ぼす方がましだ…」 と思っていた主人公が、勝山の死を経て、 「こんな素晴しい獣たちのために、喜んで修羅へ落ちよう」 と決意するシーンは圧巻だった。もう一度、読みたい小説。
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