俳風三麗花 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
自分も(短歌ではあるが)七五遊びに興じていた時期があり、作品を産み出し推敲して練り直す楽しさは、わかるわかると頷きながら読んだ。 作中の句は個性豊かな登場人物各々がいかにも作りそうな句でどれも素人が見ても上手い。三田先生の技量がうかがえる。 解説でも触れられている通り、作中の日本語が美しい。21世紀の現在はもうほとんど使われないであろう言葉たち。積極的に発して後世に残していきたいところである。 ちゑの決めた選択は少し不穏な空気を含みつつも、新たな一歩への予感で終わる。
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時代の空気感がとても素敵な一冊。俳句、季語、言葉の使いまわしすべてが丁寧で上品な時間を味わえました。
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昭和のはじめ、古き良き日本とモダンな物事が入り混じった時代背景と俳句を軸にした話がとても美しい雰囲気の本でした。 俳句の少ない文字数に、思いを込める様がすごく綺麗だなと思いました。あまり馴染みのないものだったけど、俳句に今までと違う印象を持つことができました。
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昭和初期の東京を舞台に月1回催される句会をベースに3人の女性の恋と成長を描いている。 俳句といえば「芭蕉」、授業で習ったくらい、句会というものも叔母からその内容を教えてもらったことがあったくらいのつたない知識しかなかった。読み始めてみると句会の模様が事細かく表現されており、最初は...
昭和初期の東京を舞台に月1回催される句会をベースに3人の女性の恋と成長を描いている。 俳句といえば「芭蕉」、授業で習ったくらい、句会というものも叔母からその内容を教えてもらったことがあったくらいのつたない知識しかなかった。読み始めてみると句会の模様が事細かく表現されており、最初は取っつきにくさを感じた。しかし、読み進むにつれて俳句を通じてその詠み人の人となりが表現され、またどのような推敲をしていくかということもわかり、句会の面白さも味わえた。 また時代背景を昭和初期(昭和7年7月から昭和9年3月)までとして、第二次大戦に突入する直前の少々不穏な社会を醸しつつも、つかの間の平和な時間を過ごす市井の人々の様子もわかる。まるで小津安二郎の映画を見るような優雅な日本語を味わえる。日本語とはこんなにも美しく、ゆったりと上品に話すことが出来るのだと、今の話し言葉では味わうことがほとんど出来なくなってしまったことに寂しさを感じた。
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三浦しをん『本屋さんで待ちあわせ』で紹介されていたので読んでみました。 面白い! 俳句には全く疎い私ですが、俳句の知識がなくても十分に楽しめる俳句小説です。 昭和初期が舞台になっていますが、イメージとしては大正浪漫かな? ただし、少しずつ戦争の足音が聞こえてきています。 そんな時...
三浦しをん『本屋さんで待ちあわせ』で紹介されていたので読んでみました。 面白い! 俳句には全く疎い私ですが、俳句の知識がなくても十分に楽しめる俳句小説です。 昭和初期が舞台になっていますが、イメージとしては大正浪漫かな? ただし、少しずつ戦争の足音が聞こえてきています。 そんな時代を背景にした青春小説としても楽しめます。 解説を読んで唸ったのが、三話目『冬薔薇』。 そうか、確かに能の『恋重荷』の雰囲気もありますね。 いろいろな読み方ができる作品です。
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出だしがいきなり昔の日暮里・谷中の風景から始まる。そして実際の俳人の話しなども出しながら、落語の話、幇間の話などもちらちらと出てくる。これは落語好きならば読んで不満を覚えることなどない本だと思う。 年頃の女性が3人も登場するとあって、うるさくなりがちな恋愛話なども少々出てくる。...
出だしがいきなり昔の日暮里・谷中の風景から始まる。そして実際の俳人の話しなども出しながら、落語の話、幇間の話などもちらちらと出てくる。これは落語好きならば読んで不満を覚えることなどない本だと思う。 年頃の女性が3人も登場するとあって、うるさくなりがちな恋愛話なども少々出てくる。だけど本作品の中ではうるさく独善的な恋愛談義が行われることもなかった。 5点でなくて4点なのはよくわからない俳句がいくつかあったから。不勉強ゆえにどうせ後で赤面することになるのだろうけれど、今、現在の段階で「わからない」と感じたものがいくつかあったことを記憶に留めるために敢えてマイナスにしておいた。
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