骨董通りの恋人 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読了しました。読み終えるのが勿体なくて、先が知りたいと思いつつ、わざとゆっくりと読みました。こんなことは滅多にないです-笑 まず、冒頭の主役の二人の出逢いシーンからして、印象的です。大正時代の雰囲気溢れる骨董品店で、大正浪漫女学生風の「看板娘」とイケメン大学生が出逢うシーンに魅せられました。 これはジャンルとしてはBLです。 ですが、責めが受けに強引に迫ったりするドロドロ的展開は一切ありません。 バイトで女の子の服装をしていた男の子「ちなつ」を女の子と間違えた受け磯崎桂一が好きになるという始まりは、とても自然です。 桂一は強引そうに見えても、どこまでも紳士です。特に良いなと思ったのは、二人が骨董品店の店主辻本のために力を合わせて行方不明の雛人形を辻本の元に戻す努力をするところでした。 桂一も最初は、ちなつの気を引き留めておくために雛人形を辻本に返すことを承諾したものの、いつしか二人ともに真剣になっているところが良かったです。 視線が合っただけ、指先が触れ合っただけでドキドキする二人の恋の進展とともに、この雛人形を二人が協力して元の持ち主に返そうと奔走するところが物語りの良いところではないかなと思いました。 若い二人の不器用な恋が微笑ましい物語りです。 ここからは、ちょっと感想とは違うかもしれないのですが、、 私はアマチュアの小説書きで、たまたま、男性が女装の男の子を女の子と間違えて一目惚れする、という設定の物語りを書きました。その頃、この遠野先生の作品を知り、アマゾンで購入したものの、当時はまだ執筆途中でした。憧れの遠野先生が同じ設定で、どんなお話を書かれているんだろうと気になりました。 設定が同じというだけで、舞台も時代も国も世界観はまるで違う、でも、やはり自作に影響が出てはまずいと執筆が終わるまでは読むのを我慢していました。 この度、やっと執筆が終わり、コチラの小説を読むことか出来ました。 大ファンで、尊敬する先生なら、こんな風に書かれるんだと、とても勉強になりました。 普通の読書の楽しみ方とは少し違うかもしれませんが、とても楽しかったです。 遠野先生は好きなので、色々な作品を読んできましたか゛「砂楼の花嫁」、「愛される貴族の花嫁」についで、この「骨董通りの恋人」が特に大好きな作品になりました。 素晴らしい作品です!
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