少年の木 の商品レビュー
イギリスの絵本作家の幼い頃の戦争体験から生れた「人間の希望の物語」です。 冷たい鉄条網が張られた荒廃した地に、芽を吹き、大きなブドウの木に成長していく過程をとおして、戦争の愚かさを、生きとし生けるものの命の尊さを、子どもの目線で語られた心震わせる大人社会へのメッセージです。翻訳と...
イギリスの絵本作家の幼い頃の戦争体験から生れた「人間の希望の物語」です。 冷たい鉄条網が張られた荒廃した地に、芽を吹き、大きなブドウの木に成長していく過程をとおして、戦争の愚かさを、生きとし生けるものの命の尊さを、子どもの目線で語られた心震わせる大人社会へのメッセージです。翻訳と解説は柳田邦男氏です。
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実は、本屋で立ち読みしました。 どこの国や地域、といった具体的な設定はありませんが、まるで、冷戦時代のドイツや現在の朝鮮半島を連想させます。 主題は戦争や紛争の物悲しさと、子どもたちの持つ希望がです。 百人一首に「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香に匂ひける」という紀貫之の...
実は、本屋で立ち読みしました。 どこの国や地域、といった具体的な設定はありませんが、まるで、冷戦時代のドイツや現在の朝鮮半島を連想させます。 主題は戦争や紛争の物悲しさと、子どもたちの持つ希望がです。 百人一首に「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香に匂ひける」という紀貫之の歌があります。この歌の趣旨とは少し違うのですが、人の心がどのように変化しても、植物は同じように成長して実り、そして変わってしまった人々の心を和らげていくのだな。と感じました。 子どもだけではなく、大人たちにも読んでほしい本です。
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私たちは何のために鉄条網を張り巡らすのだろう。自分を守るために? 相手を断つために? それが希望を生み出す事だとは誰も思っていないのに…。一本の芽が枝を伸ばし鉄条網を覆うように、互いに手を伸ばし繋ぎひとつになる時、荒れ果てた大地にいのちが蘇るのだと信じたい。 荒廃に満ちた今の時代...
私たちは何のために鉄条網を張り巡らすのだろう。自分を守るために? 相手を断つために? それが希望を生み出す事だとは誰も思っていないのに…。一本の芽が枝を伸ばし鉄条網を覆うように、互いに手を伸ばし繋ぎひとつになる時、荒れ果てた大地にいのちが蘇るのだと信じたい。 荒廃に満ちた今の時代にも、希望があることを静かに語ってくれる。
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モノクロの絵のなかで、緑が、ほんとうに美しいです。 ラスト近くの、生命力いっぱいにひろがった枝、鉄条網を覆い尽くす葉に、涙がじんわり。
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