永遠のかけら の商品レビュー
熱量がずっと低いのが好み。面白かったです。 「人を愛する気持ちがわからない」が、ともすれば重苦しくなりそうなのに、どこまでもさらさらと流ていくのが不思議でした。 重くはないけど確かに苦しくて、目を逸らさず向き合っている。 愛することを諦めるのではなく、「いつかきっと」と思ってると...
熱量がずっと低いのが好み。面白かったです。 「人を愛する気持ちがわからない」が、ともすれば重苦しくなりそうなのに、どこまでもさらさらと流ていくのが不思議でした。 重くはないけど確かに苦しくて、目を逸らさず向き合っている。 愛することを諦めるのではなく、「いつかきっと」と思ってるところがしみじみよかった。 未知子さんも強い。ぼんやりした人なのかなと思ったけれど、「愛されなくてもわたしは愛する」という激しい人で面白かった。母性なんてわからないけど、自己満足だっていいじゃないの。 杉生はなんだかんだ、主人公が誰かのものになるのが面白くないんだろうな…好きなのでは、と思ったけど、踏み込めない弱さがしょうがないやつです。 好きな人に「好きだ」と立ち向かえるのは強いな。どんな関係でも、人付き合いは傷付くことを恐れちゃ出来ないというのを改めて感じます。距離を測れるのも経験を積んだからこそです。
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純粋に読んでよかったと思える本だった。 特に明るい訳でもなく、 このふりこがふれているような永遠に続く感じのストーリーが素敵なのと、 愛に対するそれぞれの登場人物が思いを交わす所も好きだった。 昔自分が思っていたことを言葉にしたその言葉に 共感した。
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やりたいように人生を生きる母親を見て、祖母と暮らしている希之果は、人を好きになることができない。何となく歪んだ感情しか持てない。なので読んでいてもどかしい、というか、どうしてこうなるの、と思うことも… この母親はかなりすごいキャラだけど、希之果は引っ込み思案過ぎかな。 でも、簡単にルームメイトにすすめられたバイトをする。未知子さんというカメラマンでありシングルマザーのベビーシッター。この未知子さんと母親の関係もかなりいびつ。 幼馴染の晃との、関係性を清算できて、前に進めるようになるのかな。 自分自身の、母親との関係も、歪んでいると思うので、考えさせられた。
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仕事をやめてルームメイトの杉生の紹介で未知子さんの家政婦のバイトをすることになった希之果。 シングルマザーという選択をした、赤ちゃんのミメイの慣れない子育てに戸惑い気味の未知子さん。 仲の良かったいとこの晃に自分からキスをしたことと、その後晃は年上の女と駆け落ちして、それっきり音信不通になってしまった。 恋に奔放で自由気ままな母によって再会した晃は、すでに離婚して自分の人生にどこか投げやりになっていた。 誰かを好きになることができない希之果。 ずっと頭のどこかに引っかかっていた晃への思いが恋でないことに気づいた時の悲しみと、その先。 まじめすぎーっ! 頭で考えすぎても良くないのかも。 希之果は晃への思いが清算されて良かったと思う。 彼女の未来はきっと明るいな。
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「ジャケ買い」 水色だけの表紙、水色のしおりリボン。 あーなんかきれい、っと。 読みやすく、サラサラと読み終わる。 昔はとても大事にしていたものを、 いとも簡単に捨てられるようになった。 そのことが書いてあった一文だけが心に残っています。
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今度こそ、と次々に恋をできるのは、誰かに側にいてほしい弱さと、 そのために他人との関係に飛び込んでいく強さが必要で、 弱さは強さを引き出す力になっている。 人は何か、好きなものを作る行為によって、 自分がこの広い世界でただ一人よるべない存在であることをまぎらわしている。 誰かを...
今度こそ、と次々に恋をできるのは、誰かに側にいてほしい弱さと、 そのために他人との関係に飛び込んでいく強さが必要で、 弱さは強さを引き出す力になっている。 人は何か、好きなものを作る行為によって、 自分がこの広い世界でただ一人よるべない存在であることをまぎらわしている。 誰かを好きになること、何かを好きになることは、 自分ではないものに目を向けるということで、 好きになればなるほどそのエネルギーは強いものになる。 「私は誰かをこころゆくまで好きになりたい。大好きなものが欲しい。 ずっと好きでいられるもの。すぐに消えるだろう、っていう予感のない、 永遠って思えるような、そんな感情が欲しい」 お話のテーマ?みたいなのは、ちょっと重たい感じだったけど・・・ 読み終えた後の感じは、すごくスッキリしたものでした。
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図書館にて。 真っ青な表紙はそっけなくて。 主人公みたい? でもないか。 主人公、希之果。 仕事をやめてバイト探し中。 ついでにルームシェアの相手も探し中。 大学の同級生の杉生が名乗り出る。 ついてにバイトも紹介してくれる。 バイトは家政婦?ベビーシッター? 幼馴染の従兄...
図書館にて。 真っ青な表紙はそっけなくて。 主人公みたい? でもないか。 主人公、希之果。 仕事をやめてバイト探し中。 ついでにルームシェアの相手も探し中。 大学の同級生の杉生が名乗り出る。 ついてにバイトも紹介してくれる。 バイトは家政婦?ベビーシッター? 幼馴染の従兄弟、晃のことを忘れられない。 父親のことを知らないという所が、 昨日読んだ「リトル・バイ・リトル」と少しかぶって、 途中読み返した時に軽く混乱した。 うん、この作者の他の作品を見つけたら 読んでみたいかな。とは思った。
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恋をした事がない主人公(女性)が、これが恋なの?と思えるものに向き合う話。 恋を意識しながら生きているせいか、日常にある他人の恋や愛を無意識に捉えている。 男女の「恋」だけじゃなくても、愛や好意的な感情はすぐ近くに存在して、それは取り立てていうほどの事でもない。自然な形だ。 ...
恋をした事がない主人公(女性)が、これが恋なの?と思えるものに向き合う話。 恋を意識しながら生きているせいか、日常にある他人の恋や愛を無意識に捉えている。 男女の「恋」だけじゃなくても、愛や好意的な感情はすぐ近くに存在して、それは取り立てていうほどの事でもない。自然な形だ。 結局のところ、人を好きになる、とはどういう事だろう。 更にいえば、男女の恋とそれ以外の好意的な感情は何が違うのだろう。
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人を好きになれない、好きになる気持ちがわからないという主人公のお話。 この人のことを好きだったらいいのに、と思う気持ち、なんだか分かるなあ。 それが違うって気付いてしまった時に、そのことに打ちのめされず潔くそれを認める強さと、その人の幸せを祈る気持ちがいいなと思いました。 たと...
人を好きになれない、好きになる気持ちがわからないという主人公のお話。 この人のことを好きだったらいいのに、と思う気持ち、なんだか分かるなあ。 それが違うって気付いてしまった時に、そのことに打ちのめされず潔くそれを認める強さと、その人の幸せを祈る気持ちがいいなと思いました。 たとえ運命の相手ではなかったとしても、大切な存在に変わりはないし、 この人だったらいいのに、って思える人がいただけでもとても幸せなことかなあと。 希之果はそれで満足するんじゃなくて、いつかきっと、という希望も捨ててないけど。 「ひとを好きになる気持ちがわからない」ってかなり寂しいテーマですが、前向きに終わるからか読後感は爽やかでした。
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