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金蘭の王国 月満ちる鏡の里へ の商品レビュー

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2011/12/16
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本文64ページより引用 「・・・ところで真羅。おまえはいつまで壺に入っている気だ?」  冬惺がつっこむと、真羅は自分が入っている壺をしばし見下ろした。 「・・・地上には妖道、つまり空間と空間をつなぐ淵妖の通り道が、大小無数にある。だから妖道の出口がそこにありさえすれば、淵妖(わたしたち)は閉ざされた部屋にも入れるのだよ」 「? そうなんだ」  綺理はまたたいた。なぜいきなりそんな話になるのだ。 「この部屋につながる妖道の出口がちょうど壺の中だったので、こうなったのだがね・・・」 真羅は前足を伸ばし、壺のくびれを外側からぽむと叩く。 「困ったことに、私のひょうたん水筒がつかえて出られない」 「・・・・・」 「・・・子狐。おまえ、実はただの阿呆だろう」  冬惺は容赦なかった。 「失敬な。不可抗力と言いたまえ。どうせもときた妖道を戻れば出られーおや、人が来る  子狐真羅はぴくりと耳を動かすと、壺の中に引っ込んだ。

Posted byブクログ