ピアノを弾くニーチェ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読書会でハイデガー専攻してた方にお会いして、おおーっとフラッシュバックしてきたのが木田元のこと。 主著が未完という面倒臭い哲学者のとっつきを助けてくれたのがこのセンセの著書でした。・・・って、かれこれ20年前の話。 まだお元気なのかしら・・・と調べたら、昨年刊行のこの著書が。こんなものまで↓ ジュンク堂書店公式サイト 木田元書店 http://www.junkudo.co.jp/12sakka.html 文章のとっつきよさは変わらず。 つれづれに書き綴られたよしなしごと。 わー!哲学者がミステリ読んでるよ~ ^^/ これ読みたい~!が、一気に増えました。
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哲学者木田元さんの多岐にわたる読書歴と文化論、とでも言ったらいいでしょうか。帯には「エッセイ」とあります。 歴史上の作家の多作の秘密から始まって、題名にもなっているニーチェと、著者が哲学をはじめたきっかけでもあるハイデガーの話はもちろん、連歌や芭蕉の話も。また、近松門左衛門がラテ...
哲学者木田元さんの多岐にわたる読書歴と文化論、とでも言ったらいいでしょうか。帯には「エッセイ」とあります。 歴史上の作家の多作の秘密から始まって、題名にもなっているニーチェと、著者が哲学をはじめたきっかけでもあるハイデガーの話はもちろん、連歌や芭蕉の話も。また、近松門左衛門がラテン語やスペイン語に堪能だった話も意外でしたが、文学の素養というのはそういうものだろうと、とても納得して面白く読めました。 第一章は雑誌に連載したものから、第二章は新聞の連載から、そして第三章はいろいろなところに書いた書評など。 ハイデガーの『存在と時間』は主著ではなくいわばイントロでしかなかったとか、ハイデガーの『ニーチェ』は講義録なので、話し口調がとても分かりやすいなどなど、もう一回読み直そうと思いました。 また明治史は山田風太郎さんの本から、そしてまた、「なにもかもを」小林秀雄から学んだとお書きです。小林秀雄といえばかつての大学受験の頃、必ず出題されるということで読んだものですが(そればかりじゃありませんが)、あのような大きな人はもう出ないんだろうなぁ、などどすこし感傷に浸りました。 このように、書評というよりも氏の読書歴を紹介してくれますので、期せずして紹介された本と著者へのわかりやすい入門書にもなっています。 第二章は出典が新聞のコラムなので、ひとつの話題が2ページ(ひとつだけ3ページ)に収まっていますが各ページにだいぶ余白があります。はじめはこれが「もったいない」と感じましたが、でも、これくらいタップリしてた方がいいですね。 この本は索引がちゃんとついていることに加えて、装丁もなかなか素敵です。上の余白のことも含めて、とても丁寧な本作りをしているという印象を受けました。 なお、上にも書きましたように、過去に書いたもののの寄せ集めですので、話に重複があったり、全体としてのまとまりという点ではちょっと物足りなさを感じましたので、1点だけ減点させていただきました。けれど、何度も読み返したい本です。
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タイトルにもなっている「ピアノを弾くニーチェ」の話はとてもせつない。そしてバルザックに恋する予感・・・
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