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建築ストック社会と建築法制度 の商品レビュー

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2012/07/20

既存不適格問題、文化財的建築物の保存と建築基準法不的確問題など、丁寧に現行法を分析、整理し、かつ、地方公共団体の運用も丁寧におっており、良著。早速、図書館の本ではなく、購入します。  細かなところ、特に単体はすぐに条文が頭に浮かばないので、再度勉強してコメントする。  全体を...

既存不適格問題、文化財的建築物の保存と建築基準法不的確問題など、丁寧に現行法を分析、整理し、かつ、地方公共団体の運用も丁寧におっており、良著。早速、図書館の本ではなく、購入します。  細かなところ、特に単体はすぐに条文が頭に浮かばないので、再度勉強してコメントする。  全体を通じて、集団規定はそもそも相隣関係の調整という地域の環境の維持という観点、さらに、構造の規定も特に防火などは地域全体で守るという側面もあるので、もっと地域のルールとしての都市計画、特に地区計画と連携した既存不適格の緩和制度があってもいいのではないか。  実際にも、法律で想定したかは別にして、高度地区とか地区計画自体で既存不適格の特例運用(適用除外とか特定行政庁の許可)などを書き込んでいる事例が紹介されている。(p179)  接道などは、ほんらい、避難路の確保などの意味があるので、地区計画の地区施設、工作物の設置制限、壁面の位置の制限などと組み合わせて、実際に避難できるようにすることを確保しつつ、接道条件をはずすといった制度があってもいいと思う。  また、構造についても、防火や耐震基準を緩和するにあたっては、その建物自体だけではなく周囲に迷惑をかける可能性があるので、建築審査会のような、学識経験者の判断にくわえて、地域の一定の同意なりルールとしての了解の仕組みとセットで緩和する方向があるのではないか。  いずれにしても、既存不適格は、継続的に続く問題なので、現在は地区計画など新築などの一定の行為だけを捕まえているが、その空間の維持管理といったメインテナンスと一体となった計画制度を考える必要がある。  いずれにしても、一定の専門性もありながら、わかりやすく問題的を指摘した良著。  建築学会もちゃんと実務を押さえた先生もきちんといるんだね。見直しました。  付箋をつけたページ。p32,74,103,109,119,123,130,144,167,169,181,188,260。

Posted byブクログ