近代書史 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「中国書史」-96年-、「日本書史」-01年-に続く著者畢生の三部作掉尾の書、昨年の大佛次郎賞受賞。山折哲雄曰く、文字通り刻苦精励のたまものである。これらの仕事は「書」という問題をひっさげて、東アジアに広がる漢字文化圏の全体を睥睨する勢いを示している。その自信と覇気は尋常なものではない。-略-、明治以後のわが国の書が「近代」といかに格闘し、どこに表現の可能性を求めてきたのかを、柔軟な筆致で詳述している。冒頭に良寛の書をもってきて序論を展開しているのも秀逸であるが、最後に石川氏自身の書を掲げて創作の秘密を解き明かしているところには驚かされる、と。 -20100227
Posted by
- 1